令和2年度 食文化栄養学実習

平野覚堂ゼミ■ビジュアル・コミュニケーション研究室

手塚治虫の性食
─漫画から読み解く食の可能性─

 漫画の神様とも呼ばれており、「鉄腕アトム」や「ジャングル大帝」などの国民的人気漫画から、黒手塚と呼ばれるショッキングな内容の多い「奇子」や「ばるぼら」など、数々の人気作品を手掛けた手塚治虫。手塚治虫作品では可愛らしい描写が多い印象だが、その反面、性的な描写も多い。「命・性・愛」をモチーフにした作品が多いとされ、それらの多様な在り方を表現している。性の描写を描くことで、登場人物の心情に大きな影響を与えることに成功しているのではないだろうか。手塚作品の中から厳選した作品を性と食の観点から読み取り、手塚治虫作品をモチーフとしたフードアート作品を作成する。中間報告としては、文献調査によって手塚治虫が『動き』『メタモルフォーゼ』にエロティシズムを感じ、作品内に取り入れていたような描写の文献をいくつも見つけることができた。手塚治虫の性に対する思考を用いて、作品自体を五感で感じて頂けるようなフードアート作品の試作を進めている。作品自体を五感で感じられるように、全て実際に食べられる食材で表現する。視覚だけでは感じられない、その食材自体が持つ香りや色・形を最大限に生かしたいと考えている。

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