令和2年度 食文化栄養学実習

田中久子ゼミ■公衆栄養学研究室

牛乳の消費から考える持続可能な酪農経営
消費者にできる対策はなにか?

 私は幼少期から牛乳が好きで、美味しさや優れた健康効果に関心があった。そのため、新型コロナウイルスの影響による大量のフードロスを知り、酪農家との互助を目指すことが研究の背景である。
 持続可能な酪農経営のために消費者は何ができるか考えると、牛乳生産のしくみと酪農家の現状から、現代の牛乳消費量の低迷が課題だと感じる。
 酪農家の現状として、生乳の生産量、酪農家戸数の減少、一戸当たりの飼育頭数増加があり、酪農経営の負担は加速している。牛乳、乳製品はすべて、酪農家が所有する牛の生乳から生成されるため、搾乳した生乳は乳業メーカーで製品化された後、消費者へ配送される。こうした生乳流通の仕組みをふまえ、酪農家に代わって生乳の販売を行う指定団体という組織がある。乳価の正当な価格交渉と、国からの酪農補助金のため、酪農家は指定団体に所属することが経営の負担軽減に繋がる。
 生乳は用途によって飲用乳と原料乳に分けられるが、酪農家の利益を増やすためには乳価の高い飲用乳の生産量を増やす必要がある。牛乳はここでいう飲用乳にあたり、私たちが牛乳の消費を増やすためにどのような対策が有効かを後期の発表会で展開したい。

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