令和2年度 食文化栄養学実習

高島美和ゼミ■英語圏文化研究室

文豪たちの食卓
~小説から読み取る彼らの食への関心~

 近年、文豪たちを主役とした漫画やゲームが人気を集めている。作品の中でキャラクターたちも食事をとったりするが、作中で好物と言われるものが実際の文豪たちの好物だとは限らない。では実際の文豪たちはどんな食への関心を持っていたのか。そこで彼らが食をどのように表現していたのかを小説から読み取り、明治時代の食の変容と合わせてその関心を調べていく。
 文豪と呼ばれる中の一人、宮沢賢治は岩手県出身の文学者だ。彼の作品は大自然を舞台にした作品が多いが、『注文の多い料理店』では西洋料理店が舞台であるなど、和と洋が入り混じった作風になっている。18歳のとき法華経に入信したことが食生活や執筆に影響を与えた。
 もう一人、谷崎潤一郎は東京都出身の文学者だ。都会に育ち、急速に広まった西洋文化を身近に感じていた彼の作品には、その端々に当時の生活様式が窺える。幼少期は裕福な生活をしていた。その影響で大人になっても食に対して強い関心があった谷崎は、真の美食を求める『美食倶楽部』のような作品も執筆した。
 明治時代に活躍した他の文豪たちの小説や伝記を読み、記念館などに足を運ぶなどして、より深く彼らが持つ食への関心を調べていく。

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