令和2年度 食文化栄養学実習

向後千里ゼミ■特任教授

富士山の麓「御師町」を活気づける
御師料理の保存と継承5

 山梨県富士吉田市上吉田は富士山の麓に位置する町だ。古くから富士山は人々の信仰の対象であり、江戸時代にはその全盛期を迎え、全国に富士講と呼ばれる富士山信仰の団体が作られた。毎年夏になると富士登山のために富士講をはじめとする富士山信仰者がこの町を訪れた。富士信仰全盛期には多くの御師が宿坊を構え、宿泊、食事の世話をしていた。
 富士山は2013年に世界遺産に登録され、構成資産として御師町の北口本宮冨士浅間神社や、旧外川家住宅(御師の家)など歴史的な建物が登録されている。また、日本三奇祭の1つである吉田の火祭は、400年以上前から行われている歴史的な祭である。この町の歴史的な街並み、御師の食文化・伝統を保存し継承するということが、私の研究の大きな目標である。また、今回3年生に御師町についてのアンケートを行なったところ、御師という言葉や地名の認知度が低く認知度を上げることも課題であると考えられた。そのため、御師町の歴史的な面に興味を持ってもらい、食文化を観光の要素として捉え、訪れてもらうための新たな提案をしていきたいと考えている。

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