令和2年度 食文化栄養学実習

向後千里ゼミ■特任教授

じゃがいもとひじきの出会い
御師料理の保存と継承3

 富士吉田市の調査を進めていく上で、私は神饌(しんせん)に注目しました。神饌には、その年に収穫した季節の作物や新鮮な魚、郷土料理、古式ゆかしいものなどが供えられ、日本の食文化の原点を見ることができる貴重な存在です。その中でも、開山祭の神饌には熟饌として新じゃがいもとひじきの煮物が献供され、文献では昭和10(1935)年から今でも食べられていることが記録されており、貴重な存在だと知りました。私は、なぜじゃがいもとひじきが一緒に調理されているのかということに興味を持ち、今回の研究テーマにしました。
 研究方法は、先行研究の調査や地域料理の文献調査をデータ化し、分析すること、富士吉田市の神社や御師の方へのフィールドワーク調査を行い、実際にどのようにして食べられているのかを確認します。そして、明治・大正時代について、じゃがいもとひじきの歴史を追い、「じゃがいもとひじきの煮物」として料理されたのはいつからかを解明し、ワークショップなどを通して、富士吉田市に伝わる御師料理の継承と御師の人たちの支援をしていく考えです。

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