卵は食べ過ぎても大丈夫?
基礎栄養学研究室

卵はコレステロールを含むので敬遠しているという方も多いのではないでしょうか。現在出回っている卵1個の平均的な重さは約65g、中身は約55gであり、その中のコレステロール量は約250mgです。日本人の平均的なコレステロール摂取量は300mgですから、それに比べると卵1個から摂取されるコレステロールは確かに多いといえましょう。

コレステロールは、からだの中で合成されます。その量は意外と多く、食事からの量に比べて3~7倍です。合成量は厳密に制御されており、食事からの摂取量が多ければ合成量は少なく、摂取量が少なければ合成量は多くなります。卵1個分のコレステロールを食べたとしても、それよりはるかに多くのコレステロールが体内で作られているわけですから調節は容易です。「1日1個は食べても大丈夫」なのです。

それでは、1日2個以上食べた場合はどうなのでしょうか。日本人に乾燥した卵黄を毎日3個分食べてもらった研究では、約7割の方では血中コレステロールの上昇は全く見られませんでしたが、3割の方は血中コレステロールが高くなったのです。

卵には、成長に欠かすことのできないほとんどの栄養素がバランス良く含まれています。多くの集団的な研究からは、「卵を全く摂取しない人と、1日1個あるいはそれ以上食べた人との間には、虚血性心疾患等のリスクにほとんど差がなかった」、という結論が得られています。しかし、すでに述べたように、一部にはコレステロールの摂取で血中量が上昇しやすい体質の方も存在します。そこで、女子栄養大学の食事法(四群点数法)では、いずれの年代(成人)においても、過剰摂取は避け、1日1個を適量として摂取されることをお勧めしています。

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