高血圧と食塩制限
臨床栄養管理研究室

日本高血圧学会による「高血圧治療ガイドライン」が2019年4月、5年ぶりに改訂されました。多くのメディアでも取り上げられたので、ご覧になった方も多いでしょう。
 高血圧は、今までと同様に、病院で測定した血圧が140/90mmHg以上ですが、正常血圧は、120/80mmHg未満と少しきびしく定義されています。

さて、日本人の高血圧の原因の一つに食塩の過剰摂取があげられます。
 高血圧患者への栄養食事指導では、食塩1日6g未満をすすめています。国民の健康の保持・増進のうえで摂取することが望ましい栄養素の量の基準を示す、日本人の食事摂取基準(2015年版)では、2020年までの食塩摂取量の目標を男性8.0g/日未満、女性7.0g/日未満としています。同じく、健康日本21(第2次)でも、2020年までに国民の平均食塩摂取量を8.0gにすることを目標としています。食塩摂取量の減少を含む栄養・食生活の改善で収縮期血圧(最大血圧)2.3mmHgの低下ができると考えられています。
 我が国の成人の食塩摂取量は徐々に減少していますが、1人1日あたり平均9.9gです(平成29年国民健康・栄養調査結果)。
 食塩を適切に減らすことはなかなか難しいですね。

本学では、食事の味をおいしく科学的に再現するために、料理の調味%を学びます。また、料理の食塩濃度の測定や、高血圧患者のケーススタディを通して、患者の病態に合わせた栄養管理、食塩すなわちナトリウムをコントロールした献立作成や食事の調整、栄養教育の計画を立案します。
 管理栄養士として高血圧患者やその予備軍の方々に役立つ減塩を実践する力を学んでいきます。

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