食生活と健康との関係を探る
疫学・生物統計学研究室

塩分の過剰摂取が高血圧の原因になることや、野菜・果物の摂取不足が発がんの危険性を高めることなどが科学的に明らかにされています。このように「食生活」は人間の健康に大きな影響を与えています。それでは、食生活と健康との関係はどのようにして解明されるのでしょうか。

これを調べる方法は、大きく2つに分けられます。1つは、生物学的または化学的な実験による方法です。もう1つは、人間集団を直接観察して、様々な要因どうしの数量的な関連性を見つける方法です。2番目の方法は、「疫学」とよばれる学問を基本にしており、その中心となる方法論は統計学です。

健康に影響を与える要因は無数に存在し、それらは互いに複雑に関係しています。その結果、健康に関するデータには、その解釈を混乱させるような多くの要素が入り込んできます。とくに疫学では、データの収集・解析の段階で適切な統計学的方法を使わなければ正しい解釈ができません。

食生活の改善によって人々の健康増進と疾病予防を図るためには、その科学的根拠に対する理解が必要であり、疫学や統計学の方法論を知ることはその理解をより深めることになるでしょう。

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