4つの食品群と栄養バランス
基礎栄養学研究室

人が生きるために必要となる主要な栄養素の種類は、大きく分けてたんぱく質、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラルの5つです。しかし、ビタミンはB1、B2・・・等のようにいろいろな種類があり、ミネラルにもカルシウム、鉄、リン・・・等が存在します。従って、私たちが普段摂るべき栄養素は、軽く見積もっても30種類近くになります。

これらすべての栄養素を完璧に含む食品は世の中に存在しませんが、唯一、母乳は完璧に近いものかもしれません。赤ちゃんを約6ヶ月の間、母乳という単一の食品で育てるわけですから。ところが、意外なことに、母乳には鉄がほとんど含まれていません。人の赤ちゃんは生後数ヶ月までに必要となる鉄を、あらかじめからだの中に貯蔵して生まれてきます。そのため、生後まもなくの赤ちゃんにとって、母乳中に鉄が少なくてもそれほど問題にはならないのです。母乳は小さな乳児を一定期間だけ養育するための限定食品と言えましょう。

女子栄養大学では、世の中のすべての食品を含まれる栄養素の特徴に従って4つの群に分類しています。1食品ですべての栄養素を含む完璧な食品は存在しませんが、4つの群から偏りなく食品をとることで、数多くの栄養素がバランス良く摂取できてその結果完璧になるといった仕組みです。

第1群:乳・乳製品、卵
第2群:魚介、肉、豆・豆製品
第3群:野菜(きのこ・海藻を含む)、芋、果物
第4群:穀類、種実、油脂、砂糖、菓子、飲料、アルコール、調味料等

特に、第1群から第3群に含まれる食品を必ず毎日摂っているか、チェックするところからはじめてみてはいかがでしょうか。

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