商品開発等食品技術
キユーピー株式会社
和南城祐未さん(2011年卒業)
キユーピーはマヨネーズやドレッシングなどの調味料をはじめ、タマゴ加工品、調理用ソースなどの食品や医薬品、化粧品の製造・販売を行う会社です。多種多様化する食や健康のニーズに応えることを目指しています。関連会社を含めると約15,000人の方が働く会社に勤めています。事業内容も多岐に渡りますが、その中で私は生まれたばかりの赤ちゃんが食べるベビーフードの研究・開発を担当しています。“離乳期からの「食」にまつわる負担と不安を軽減し、もっと子育てを楽しめる社会に貢献したい”この想いをもって、日々ベビーフードづくりに取り組んでいます。各種法律やベビーフード自主規格を順守することはもちろん、赤ちゃんの月齢に応じた食材の大きさに配慮したり、ご家庭でつくる離乳食に近づけるために、どんな工夫が必要かなどを考えたりしながら、試作検討を繰り返しています。また、1つの商品が発売されるまでには、たくさんの部署と協力をしながら開発を進めていきます。
忙しい日々を送る保護者の方のサポーターになれるように、これからもより良いベビーフードをお届けしていきます。
Q. 具体的な職業について考え始めたのはいつごろですか?またそのきっかけはなんですか?そして、いまその職業に就いていますか?

高校3年生の頃です。それまでは、幼い頃から食への興味が強かったため、漠然と食に関わる仕事がしたいなぁ程度に考えていました。高校3年生になり、本格的に受験に備えようと予備校に通い始めました。昼間は学校、夜は予備校、短い時間の中で食事を済ませるという生活を送るようになりました。コンビニで買ったパンやおにぎりを1人寂しく口にしている自分…勉強を頑張る程、食事が疎かになっていくことに気が付きました。

そんな経験から「多くの人の心と体を健康にしたい」と管理栄養士を目指すことを決めました。

現在、管理栄養士として仕事はしていませんが、大学で学んだ知識を存分に活用しています。高校3年生の時に抱いた「多くの人の心と体を健康にしたい」この想いは今でも、私の原動力です。

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Q. あなたが働いている職場はどんなところですか?

とてもオープンで明るい職場です。約5年前に仙川工場の跡地を利用して建てられた仙川キユーポートへお引越ししました。仙川キユーポートは建物の形もとてもユニークで、会話がしやすいように必要最小限の壁や柱しかありません。その代わり、どこでも会話ができるように大小たくさんの打ち合わせスペースがあります。

社員の給与情報を管理する会社、商品の安全性を確かめる部署、会社で使用するシステム開発・管理をする会社、商品の開発を進める私たち…どの部署も情報を上手に管理しながら、積極的に関わろうとしています。

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Q. 現在の職業を選んだきっかけはなんですか?

校外実習での挫折をヒントに変えられたことです。大学で学ぶうちに幼い頃の食事が大切と感じ、将来は保育園栄養士として働きたいと考えるようになりました。幸運にも、校外実習で保育園に行くことができました。栄養士として活躍する先生は完璧に見え、自分はできないことばかり…また、保育園で栄養士はたった1人。新人でもベテランでも求められるレベルは一緒…自分にはとても務まらない!と感じてしまいました。それと同時に1人で完結するよりも、誰かと一緒に一つのものをつくりあげることが好きなことに気が付きました。様々な人と協力しながら子どもの食事を支える職場は何だろう、そう考えた結果がベビーフードを製造している会社への就職でした。

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仕事上で印象深いエピソードには、どんなことがありますか?

異動直後にトラブル発生!

異動先のチームで立ち上げた新商品に不具合があることが分かりました。しかも発覚したのは私が異動する前日。翌日、初めての異動で右も左も分からないまま、新しいチームでのトラブル解決に向けた検討がすぐに始まりました。解決までの道のりは長く、新商品は止む無く一旦休売に。私もチームメンバーも電池切れ寸前…でも「すごい技術を持ったこの商品をここで終わらせる訳にはいかない」という上司の熱い想いの下、検討を続けているうちに、部署を越えて仲間が増え、だんだんと解決の糸口が見えました。そして、トラブルを解決し、念願の再発売ができました。そしてお客様からは「ずっとこの商品を待っていたよ」と温かいお言葉を頂くことができました。

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Q. どんな時に仕事のやりがいを感じますか?

街中でキユーピーの商品を手に取っている方や、実際にキューピーのベビーフードを使っているお客様を見かけた時。世の中に出せて良かったと思う瞬間です。

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Q. 略歴と職務経験(部署変更など)を教えてください。
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【略歴】
2011年3月 女子栄養大学 栄養学部 実践栄養学科 卒業

【職務経験】
2011年 4月 キユーピー株式会社 入社。
      主に、あえるパスタソースの研究・開発を担当
2012年10月 病院・高齢者施設向けのジャネフ商品の研究・
      開発を行うチームへ異動
      そのうち数か月は他チームの開発応援へ
2016年10月 主にベビーフードの研究・開発を行うチームへ異動
2017年 4月 産休・育休取得
2018年 5月 休業前のチームへ職場復帰
Q. 現在の生活形態(一人暮らし、夫婦共働き等)を教えてください。また、仕事と私生活、それぞれに対する価値観、メリハリやバランスのとり方で工夫していることなどがあれば教えてください。

夫、息子の3人暮らしで、夫婦共働きです。育児休業中に職場を離れたことで、仕事を通して自分の存在意義を感じるタイプだと気付きました。

子どもとの時間も大切にしたいため、現在は、時短勤務制度を利用しています。急な早退やお休みをすること、泊りがけの出張が難しいことも職場の方にはご理解いただきながら、「周囲への感謝」「今の自分にできること」を意識して仕事をしています。

夫は夜勤もあるため、家にいる時は率先して育児や家事をしてくれます。その甲斐あってか、息子もパパが大好きです♪休日、夫が息子の相手をしている間、私は常備菜の用意や平日用の下ごしらえをしています。今週は疲れた~という時は思い切って家事をせず、家族で出掛けることもあります。また、休日に主人の仕事が重なる時は実家の母に応援に来てもらうこともあります。

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Q. 困難にぶつかった時、どうやってその場を切り抜けましたか? 気分転換や息抜きの方法があれば教えてください。
まずは課題1つずつにどんな解決策があるか考えたり、調べたりします。それでもいい方法が見つからない場合には、詳しそうな方にアドバイスを求めます。見極めが難しいですが、自分だけでの解決が困難な場合、手遅れになる前に他の方へ相談するようにしています。情報共有ができるように、上司への報連相(報告・連絡・相談)は常に意識しています。
仕事中の気分転換は、甘いものを口にして気持ちの切り替えをしています。また、長時間同じ仕事をしないように意識しています。(効率が下がる気がするため。)
プライベートでは、主人や実家の協力を得て、自分のための時間を意図的につくってリフレッシュしています。
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Q. 就職後「女子栄養大学で学んでよかった」と思ったこと、また理由を教えてください。
・先生方のやる気がすごい:
会社の同期には他大学を出て、管理栄養士の資格を取得した人がいました。その同期の話を聞いて、栄大の先生方の国家試験に対する想いが強いことを感じました。
栄大の先生方は「管理栄養士の国家試験に全員合格」を本気で目指しています。学内模試、補習授業、個別指導など手厚くご指導くださいます。そのためか、学生と先生の距離が近い気がします。
私が国家試験を受験したのは2011年3月。大震災の日はちょうど学内模試の最中でした。電車が止まって帰宅できない、不安で眠れない学生が多数いる中、「起きているなら授業しよう!」と校内にいる先生方が交代で授業をして下さいました。今、考えてもここまでして下さる学校は他にないと思います。
・クラス制:
授業も実習もだいたい同じメンバーで、自然と仲の良い子ができました。卒業後も集まって、仕事のことや今後のことを相談し合っています。
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Q. 学生時代、学業以外で打ち込んだことがあれば教えてください。
学園祭実行委員の活動です。
学園祭実行委員では企画部のスポンサー担当でした。ここではたくさんの「達成感」を経験しました。私は協賛のお願いのため、様々な企業に電話を掛けました。不況で当初、例年より少ない協賛数でしたが、仲間と分担しながら新規企業にも積極的に電話を掛けたことで、例年以上の協賛品をいただくことができました。色々な部署の力を合わせて、毎年、無事に学園祭が終了したことは大きな達成感でした。
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Q. 同じ仕事を目指す後輩へ、一言メッセージをお願いします。

大学での勉強ももちろん大切ですが、学生のうちにしかできないことをたくさん経験して下さい。この仕事をしていると、どんな経験がいつ役に立つか分かりません。そして、たくさんの「おいしい!」を経験して、そのおいしさを伝えられる人になって下さい。

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(掲載内容は、平成31年3月現在のものです。)
配合を考える際に確認している資料
閑静な住宅街の中にある仙川キユーポートが職場