大学教員
新潟医療福祉大学
渡辺優奈さん(2010年卒業)
私は今、女子栄養大学 実践栄養学科と同じように、管理栄養士の養成を行う大学で働いています。大学ではたくさんの講義や実験・実習があり、特に実験・実習では様々な器具や機械、食材や文房具などを使いますが、その準備や片付けをすることが私の仕事です。ただ準備や片付けをすればよいのではなく、実験・実習の内容を把握し、いつ、どのような状況で何が必要なのかを考えて実験・実習がスムーズに進行するように補助をしたり、学生に直接アドバイスすることもあります。また、国家試験対策や栄養教諭の教員採用試験対策にも携わっており、模擬試験の調整・準備という裏方面から、面接試験の練習や学習の相談相手になるなど直接学生に関わる仕事まで多岐に渡っています。一方、大学教員は「学生教育」という柱だけでなく、「研究」という2つ目の柱があります。これは、自分の専門分野で調査や実験をし、結果をまとめて学会で発表したり論文を書くことが仕事になります。私は妊婦さんや授乳婦さんを対象に食事と身体状況の関係を研究させてもらっていました。
「学生教育」と「研究」のどちらも、自分の持っている知識や技術、得られた結果を人に伝えていくことが共通して大切なことだと考えています。
Q. 仕事上で印象深いエピソードには、どんなことがありますか?

科目担当の先生の講義の中で自分の研究について話をする機会をいただいたことがありました。その日の講義が終わった後、「わかりやすかったですよ。先生、研究頑張ってください。」と学生から言われました。なんだかちょっと上から目線ですが(笑)、講義を受け慣れた学生なりの激励だったのかなと思います。今はまだ主担当として講義や実習を持つことはありませんが、だからこそ学生にとって身近な教員として素直な反応をもらえて刺激になりました。教育面も研究面も、まだまだこれから頑張ることがたくさんあります。

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Q. 就職後「女子栄養大学で学んでよかった」と思ったこと、また理由を教えてください。

特に大学院時代のことになりますが、大学院の授業では、日本の栄養学を牽引されている多くの先生方から専門の講義を受けることができました。大学時代には触れることができなかったような最新の、より深い栄養学の世界に触れて視野が広がったとともに、研究に対する姿勢を学ばせていただいたことが今の研究活動につながっています。また、私は大学院修士課程から博士後期課程まで上西先生の栄養生理学研究室に所属していました。ここで多くの調査に関わらせていただき、研究の基礎を学ばせていただきました。卒研生や院生の多い研究室であったため、自分の研究以外の知見に触れることもできました。このときの先輩や後輩との関わりが、大学教員を目指した礎にもなっています。

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Q. 現在の職業を選んだきっかけはなんですか?

食べることが好き、人に何かを教えることが好き、これが今大学教員をしている原点だと思います。高校生で進路を決めるとき、管理栄養士の道を選ぶか一般教員の道を選ぶかで迷いました。その後、女子栄養大学に入学すると決めた際には、栄養教諭の免許が取れるということも大きかったと思います。しかし大学で学ぶうちに、栄養学の奥深さや管理栄養士といっても様々な仕事があることを知りました。大学院修士課程で学び続けると決めたときには「教員」を意識することもなくなっていました。そこから私が大学教員を目指そうと思ったきっかけは、大学院博士後期課程への進学を迷った時です。そこでやっと、再び原点に立ち返って納得する道を見つけられました。大学に入学し、大学院を修了するまで女子栄養大学に9年間お世話になりました。親へも感謝しかありません。

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Q. あなたが働いている職場はどんなところですか?

一学年が40名定員ということもあり、教員と学生の距離感が良い意味で近く、学科全体で和気あいあいとした雰囲気があります。助手や助教は合同研究室という部屋に席があり、同じ志を持つ若手の先生方と一緒に同室で働いています。学生教育について相談しあったり、互いの研究について話をするなど真剣に意見交換をしています。支え合い、切磋琢磨しつつも、日々笑いの絶えない明るい職場です。

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Q. どんな時に仕事のやりがいを感じますか?
入職してすぐに国家試験対策と栄養教諭の教員採用試験対策に携わることになりました。学生が自分の望むように管理栄養士の資格を取ったり、栄養教諭になるためにはその学生次第だと言ってしまえばそれまでですが、教員が関わることで学生の可能性を少しでも引き出すことができると感じるようになりました。頑張りぬいた学生の表情を見られたとき、希望を叶えた学生を見たとき、「ありがとう」の言葉をもらえた時にやりがいを感じます。
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Q. 学生時代、学業以外で打ち込んだことがあれば教えてください。

大学時代には若葉祭実行委員をしていました。企画部に所属しており、その頃は1年間の半分は若葉祭のことを考えていたような気がします。苦い思い出ももちろんあるのですが、それよりも楽しかった思い出や仲間と1つのものを作り上げた達成感が大きかったです。学科やクラスを越えて多くの友人ができるもの若葉祭実行委員会のよいところだと思います。

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Q. 同じ仕事を目指す後輩へ、一言メッセージをお願いします。

学生のうちに、学業やそれ以外のことも含めてたくさんの経験をしてください。目の前にいる多くの先生方から学び、視野を広げてください。是非、自分が興味を惹かれるものを探してほしいと思います。

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(掲載内容は、平成29年6月現在のものです。)