新商品開発業務から、一人前の開発マンとして
一本立ちした活躍を期待される立場に
私が就職した当時、女性は一般職と呼ばれる役割で、お茶くみや男性社員のサポート業務が主な仕事でした。時代は進み、1986年に男女雇用機会均等法が施行された事をきっかけに、女性も総合職という職性が出来、男性と同等の仕事を任されるようになったのです。
当時、私は新商品開発の部門に所属していたので、仕事内容から総合職へ移行となりました。ある日を境に業務が大きく変わるということではなかったのですが、サポートする立場から、一人前の開発マンとして早く一本立ちした活躍を期待されているプレッシャーを強く感じるようになった記憶があります。
悩みながらも「習うより慣れよ」を実践する日々
新しい商品コンセプトの企画、今までにない味わいや美味しさの提案、他社商品との差別化や品質管理など、担当業務が増え、一気に忙しくなりました。社内外に関わる人たちも増え、チームワークを意識しながらも、時に衝突することもありました。そんな時に気持ちを立て直し、一歩前に進む事はとてもエネルギーが必要です。
マーケッターとしての専門の教育をそれまで受けてきたわけではないので、悩みながらも「習うより慣れよ」を実践しながら、ゴールを目指してきた感じです。
美味しいものを、皆さんに届けたい
という思いを実現できる仕事へ
そんな時に、強い味方になったのが自分自身の食いしん坊の性分です。その当時から、美味しいスイーツや季節毎の旬のフルーツには目がありませんでした。新しいアイデアや表現の工夫などに役立ったと思います。
本学への進学動機も、食べたいものを自分自身でちゃんと料理できるようになりたい、というものだったのです。「好きこそものの上手なれ」とはよく言ったもので、美味しいものを、皆さんに届けたいという思いを実現する事が、そのまま仕事につながったのだと思います。
ただ好きなだけではなく、おいしく料理するということは、その食品に関する正しい知識や、正しい調理の仕方が必要なことを、調理実習や栄養学で学びました。興味に加えて、必要な基礎知識を得られたことが私の強みになったと思います。
安心安全な食を通じて、人々の「健康」に貢献することが、現代の食品会社の大切な使命のひとつです。学生時代に学んだ栄養学の知識は、40年前も、これだけモノが豊かになった今でも、私が働く上での、大事な礎になっています。