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国際食活動フィールドワーク実習

(3年生 前期 選択科目)

ベトナム研修記

2015.01.14 授業紹介 学生取材記事

 国際食活動フィールドワーク実習という授業で、ベトナム研修が開講されるのは今年で七回目。 今年は、総勢13人でのベトナム研修となりました。

 ベトナムとは、ベトナム社会主義共和国のことであり、インドシナ半島の東に位置し、 北は中国、西はラオス、カンボジアと国境を接していて、東と南は南シナ海に面する南北に細長い国です。 ベトナムは長期にわたり戦争の地となってきました。 一九四六年から始まったフランスとの戦いを第一次インドシナ戦争と呼び、 それに連続して米国との戦いであった第二次インドシナ戦争を「ベトナム戦争」と呼びます。 戦争は終結しましたが、特に中国とフランス植民地時代の影響を大きく受けている国と言えます。

 研修期間は、首都ハノイからバンチャン郡、ハロン湾、ホーチミンなどを巡る八日間。 一日目は日本から飛行機でハノイへ行き、到着後市内を見学し、二日目はバンチャン郡へ移動しセーブザチルドレンの事業見学をしました。 三日目は、二日目に引き続きセーブザチルドレンの事業見学をし、研修のまとめを口頭発表しました。 四日目はバンチャン郡からハロン湾に移動、五日目はハロン湾でクルーズを楽しみ、バッチャン村に移動し陶器工房の見学を行い、 ハノイに移動し水上人形劇の見学をしました。六日目は飛行機で、ハノイからホーチミンに移動し、ホーチミンの市内見学をし、 七日目はホーチミン市内の市場見学やベトナム料理実習を行い空港へ移動しました。そして八日目。 飛行機でベトナムから日本へ移動し、成田空港に到着後解散となりました。

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ベトナム美味三昧

 ベトナム料理は、甘味や酸味、塩味を上手く生かし、香草なども多用する料理です。 代表的な物に生春巻きやフォーなどが挙げられますが、この他にも、中国やフランスの影響を受けた料理が数多く存在します。 私がベトナムでまず初めに食べた料理は、空芯菜のニンニク炒めです。 ベトナムで野菜炒めといったら、空芯菜のニンニク炒めのことであり、 ベトナムに滞在している間、毎日と言っていいほど食卓に並びました。 シンプルな味付けですが、粗みじん切りにされたニンニクが、香り付けではなく具としてたくさん入っていることが特徴的です。 また、日本と比べると鶏肉がとても硬く、日本の養鶏場で飼っている鶏に比べ運動量が多いせいか、 肉質は筋肉質でとても固いのが特徴的です。しかし、噛めば噛むほど味が広がり、はまると癖になる硬さでした。

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 ベトナムはフランスの植民地だったこともあり、フランスパンやクロワッサンがとても美味しいことでも有名です。 フランスパンを使い、中に具材を挟んだ、バインミーと呼ばれる料理もあります。 クロワッサンと言えば、ハノイのキンドーハノイカフェで売っていたクロワッサンは格別でした。 見た目も食べごたえもずっしりあるのですが、クロワッサンの層もはっきりとしていて、パンの香りや味も良かったことを思い出します。 ベトナムに行く機会がまたあれば、是非立ち寄りたいお店の一つです。

 他にも、ベトナムはフルーツも豊富で、食事にはフルーツが付くことが多いのも特徴です。 中でも珍しかったのは、ロンガンや釈迦頭と言われるフルーツでした。 ロンガン(龍眼)はベトナム語でNhan(ニャン)といい、釈迦頭(シュガーアップル)はベトナム語でna(ナー)と言います。 ロンガンも釈迦頭も大きめの黒い種がありますが、それぞれ特徴的な味で美味しい果物です。

 このように、ベトナムには様々な料理やフルーツがあり、味も日本人好みのものが多いように思われます。

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ベトナム市場事情

 ベトナムの市場は日本と同じで朝早くから営業しています。日本でいう商店街が一か所に集まったような形で、 野菜や魚、肉、他にも米や麺、それに必要な調味料なども多く並んでいます。 しかし、市場はお昼過ぎには解体されてしまうところが多いようです。 研修に同行してくださったツアーコーディネーターさんによると、ベトナムの一般家庭は冷蔵庫を所持していないので、 その日食べるものをその日に調達するといった買い物が一般的だそうです。 私が市場に訪れたのは、早朝とお昼過ぎでしたが、時間帯が違うと、同じ風景もまったく違う場所のように見えました。

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 早朝は人々で賑わい活気に溢れていて、私も現地の人に混じってお買い物をし、会話をすることもできました。 また、乾物などを売っているお店のお姉さんとお粥の話をしていると、 インスタントのお粥が売っているお店に連れて行ってくれたこともありました。 私はここでベトナム人の温かさを感じ、ここでの思い出が私の中でとても印象的なものとして残っています。

 また、お昼過ぎに訪れた市場は朝とは全く違い、人も少なく閑散としていました。 昼の暖かさのなかで、お店の人が昼寝をしていました。 見ると、一人だけでなく並ぶほとんどの店で、入り口に足を向けて仮眠をとっているようでした。 日本では営業中に店員が仮眠をとることは考えられませんが、ベトナムの人の生活スタイルの一端を垣間見ることができたように気がします。

(食文化栄養学科 ・ 3年 S.A./2015.1.14)