筋肉から取り出したサルコシスティス
(寄生虫)
ご存知ですか? 馬肉による食中毒
食品衛生学研究室

平成14年頃から原因不明、謎の有症苦情が全国で発生し、年々右肩上がりに増加し、平成20年には100件を超える状況に陥りました。そこで、厚生労働省は平成21年6月から平成23年3月までの間に調査を実施したところ、食後数時間程度で一過性の嘔吐や下痢を示し、軽症で終わる原因不明の有症事例が全国から198件報告され、そのうち33件は食事に馬刺しが含まれていました。馬肉による謎の有症苦情の全貌を解明するために著者と厚生労働省等の共同研究により、謎の有症苦情の全貌が解明されました。馬肉による有症苦情の原因は、寄生虫(サルコシスティス・フェアリー原虫)によって起こることが判明しました。本寄生虫は人に寄生するものではなく、寄生虫の蛋白質が原因であることが解明されました。馬肉の食中毒は、食後数時間程度で一過性の嘔吐や下痢の症状がみられます。予防法は、馬肉を冷凍することによって健康被害のリスクを低くすることが可能です。

筋肉内に寄生したサルコシスティス(矢印)

もっと栄養学を勉強したい人はこちら >>