商品開発等食品技術
わらべや日洋株式会社
山本真理さん(2013年卒業)
わらべや日洋はセブン-イレブン向けにおにぎり・お弁当・サンドイッチ等の開発・生産をしている食品会社です。私達はお店に商品を納めるだけではなく、セブン-イレブンの商品開発担当者と一緒に新商品の開発をしています。数ある商品のうち、私はおにぎり・お寿司を担当しています。これらの商品は、毎週約1~5品が新発売となるため、日々具材を考えています。開発の仕事は新商品のアイデアを提案するだけではありません。取引先の方々に納得していただける商品をつくるため、試作に始まり、原価計算、提案資料の作成、工場で実製造を見据えたテストを行うなど多岐にわたります。一つの商品が世に出回るまでには、同僚・上司・役員等、社内だけでも様々な人の手にわたり検討が重ねられることになります。
また、開発は、他部署・関連会社との連携を強く求められる部署でもあります。提案した商品と同じ物が工場の大量生産ラインにのせられるか、全国にある店舗に供給できる量の原料を関連会社から手配できるのか、それらを把握する事も重要な仕事に含まれています。
一人でやること・皆でやること・他部署を巻き込んでやらなければいけないことなど、様々な経験ができるこの仕事にとてもやりがいを感じています。
Q. 仕事と私生活において、メリハリやバランスのとり方で工夫していることなどがあれば教えてください。

一つの事に夢中になると、仕事の事でもその事ばかり考えてしまいます。考えても良いアイデアが浮かばない時は、あえて全く異なる事をしてみます。私はハンバーガーが好きなので、有名店や話題に上がったお店に行ってみたりしています。また、金曜日はノー残業Dayの為、皆で協力して早く仕事を終わらせ、同僚や友人と遊びに行ったりもしています。

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Q. 困難にぶつかった時、どうやってその場を切り抜けましたか。その方法を教えてください。

周りの人に協力を仰ぐ事・相談する事です。大学時代、周囲はほぼ同じ年の人ばかりです。しかし、社会に出ると周囲は年上の先輩ばかりになります。私が悩んだ事も先輩方は過去に悩んできた小さな事だったりします。自分一人の力は小さいかもしれませんが、沢山の人に相談する事で解決の糸口が見つかるかもしれません。

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Q. 学生時代、学業以外で打ち込んだことがあれば教えてください。

茶道部に所属していました。高校時代に作法の授業があり、その授業がとてもすがすがしかった事・見学へ行った際のおもてなしの素晴らしさから入部を決意しました。入部をしてみると、茶道部とはお抹茶やお菓子をたしなむだけではなく、普段の生活を営む上で大切である人を思いやる方法や、人の心を動かす為の考え方等、身をもって学びました。そこで得た事は社会に出た今でも人との接し方において、とても役立っています。

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Q. 具体的な職業について考え始めたのはいつごろですか?またそのきっかけはなんですか?そして、いまその職業に就いていますか?

将来の夢を思い悩んでいた中学2年生です。料理が好き。食べる事が好き。ただそれだけだった私が、ある将来について考える本の中で商品開発を見たことがきっかけです。自分が作った商品がお店に並ぶ事、美味しい!!と、言ってもらえる立場にある事、自分がやった事が目に見えて残る事...等々、その本を見た私が、この先何を目指して進路を決めていけば良いのか明確になった瞬間でした。そしてその約10年後、私はその仕事に就く事ができました。

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Q. あなたが働いている職場はどんなところですか?

私が働いている職場は、おにぎり・お弁当・サンドイッチ・パスタ・和菓子等様々なチームに分かれています。私の所属しているおにぎり・お寿司チームは半数以上が女性のチームです。また、商品を作り上げるには、皆で協力し合い一つの商品を完成させていきます。日々行われる商品検討の場では、先輩・後輩関係なく率直な意見を求められます。時には自分の作ったものに関して、チームを超えて相談したり・実際何日も工場へ行って検証をしたりと、皆の商品に対する熱意は中途半端なものではありません。

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Q. 現在の職業を選んだきっかけはなんですか?

私自身、商品開発をしたい!!と思っているものの、何を作りたいか・どんな事をしたいか…まで決めていませんでした。その為、就職活動は様々な方面から、将来商品開発が出来ればいいな。と思って行いました。最初は製菓・製麺・レトルト食品・製パン等誰もが知っている会社を受けてみたりしました。しかし、よく話を聞いてみると私の理想としている食品の開発とは異なり、科学実験(粉と粉の調合)の様でした。その様な職業ではなく、私はもう少し人の毎日の生活に関わる食べ物に携わりたいと考える様になりました。それからは、デパ地下の店舗・スーパーの惣菜売り場・コンビニの惣菜売り場はどんな会社・人が作っているのだろう?と、考えるのが日課になりました。そうすると、私達が見えない所で沢山の人が様々な仕事をしている事が見えてきました。見えない所で大活躍しているのが今の会社だと思っています。

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Q. 仕事上で印象深いエピソードには、どんなことがありますか?

一つの原料を広く深く学ぶ事が出来る点です。おにぎりは米と具材、のり、塩しかありません。その為、開発者が工夫できるのは実質具材しかありません。(米・海苔・塩は決まっている為)私達は一つの担当商品になった際、原料のスペシャリストになれと言われています。私はおにぎりチームに配属されてすぐに辛子明太子の担当になりました。右も左も分からない中、製造方法や製造原料等を、先輩やお取引先様・原料メーカー様の協力を経て少しずつ深堀りしてきました。時には明太子の製造工場に赴き、実際にどの様に製造されているかを確認する事で、新しい商品が生まれる事もありました。嫌いだった明太子の担当になって早2年半、明太子を理解する事で今では好きなものになりました。

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Q. どんな時に仕事のやりがいを感じますか?
家族・友人に美味しい!!と言ってもらえる事です。私の仕事は、必ずしも自分の思い通りに出来るものばかりではありません。売りたい価格があったり、使用しなければいけない原料があったり…その中で、いかにしてお客様の求めているものを見極め、おいしい商品を作り上げるかがポイントになります。制約がある中、出来上がった自慢の商品達を家族や友人、さらにはインターネット上で美味しいと言ってもらえた時はとても嬉しく、やりがいを感じます。
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Q. 仕事がある日の平均的な1日のスケジュールを教えてください。
9:00   出社・着替え・清掃
9:10   部内朝礼
9:30   チーム打ち合わせ・前日試作物確認
10:00   試作
12:00   お昼休憩
13:00   試作
15:00   原価計算
17:00   工場と商品についての打ち合わせ
17:55   全体終礼
18:00   次の日の予定確認・着替え・終了
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Q. 略歴と職務経験を教えてください

2013年3月に女子栄養大学 実践栄養学科卒業後、新入社員としてわらべや日洋株式会社へ入社しました。新入社員研修を経て、商品開発の部署へ配属し、1年間は事務の業務を行い、商品を発売する為に必要な書類作成や商品の原材料表示について学びました。2年目からはおにぎりチームに所属し、手巻おにぎり 辛子明太子や雑穀おむすび、恵方巻等の開発に携わり、現在に至ります。

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Q. 就職後「女子栄養大学で学んでよかった」と思ったこと、また理由を教えてください。

食と学生にかける熱意が素晴らしい所です。女子栄養大学は栄養学部しかありません。専門的に研究している先生方がたくさんいらっしゃる為、疑問に思ったどんな小さな事でも回答して下さいました。また、全員合格を目指して、学生一人一人のレベルに合った国家試験に対する対策をして下さいました。中々合格が見えない中、指導と激励をし続けて下さった先生方にはとても感謝しています。

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Q. 将来の夢(目標)を教えてください。夢をかなえるために今何をしていますか?あるいは何をしていくべきだと思いますか?

今までに誰も開発をしていない、新しい商品を世の中に生み出したいと考えています。今では定番となったツナマヨネーズも、おにぎりの具材としては コンビニエンスストアが発祥です。オムライスもテーブルに座ってスプーンで食べるだけの商品ではなく、今ではおにぎりで人気の商品になっています。発想の転換で商品は凄い売り上げになる物があります。その様な商品を開発できる様になる為、日々邁進していきたいと思います。

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Q. 同じ仕事を目指す後輩へ、一言メッセージをお願いします。

商品開発を目指す皆様へ。商品開発は、常に新しいものを生み出していかなければなりません。そのヒントは意外と身近な所に落ちています。普段見ているテレビだったり、友達とのおしゃべりだったり、電車の広告だったり。日々の生活のアンテナを張っているだけで沢山の情報が入ってきます。興味の有無にとらわれず、様々な所に関心を持って生活をしてみるとこれからの自分自身の成長に繋がると思います。自分の夢に向かって頑張って下さい!!

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(掲載内容は、平成29年9月現在のものです。)