外来の患者様で、妊娠中の体重管理がうまくいかずに介入していた患者様とのエピソードです。
その患者様とお話している時には、『わかりました』『気をつけます』とお話されていても次の来院時には体重が基準を超えて増えている、しかも食事内容は変わっていない、そんなことが何回か繰り返されて、どうしてこの人はやってくれないのだろう、食事の内容が守れないのだろうと頭を抱えていました。そんなある日、たまたま皮膚科のクリニックを訪れていた時のこと、偶然その患者様も同じフロアにいることに気が付きました。腰の曲がった、歩くのもやっとなおばあさんと小さいお子さんを連れて。実はその患者様は義理のお母さんの介護と育児を両立していたのでした。その瞬間、患者様のことを本当に考えた内容ではなかったのではないかと猛反省しました。きっと私の提案した食事内容はその患者様のキャパシティを越えていたものだったのでしょう。
それ以来、体重コントロールがうまくいかない患者様がいた時こそ食生活以外の何か別の理由はないかということを特に意識しています。そんな時こそ自分の提案力、洞察力を磨くチャンスだと思い栄養指導内容の見直しをしています。
× 閉じる『やりたいこと』を『できること』にするための最短の方法は『勉強すること』なのかもしれません。もし、勉強するチャンスが与えられているのならそれはとても幸せで恵まれていることだと思います。大学での学びは家に例えると縁の下。縁の下がしっかりしていなければその後の知識も不安定なものになってしまいます。卒業してから学びなおしたこともありましたが、とても時間がかかりました。どの授業も学ぶ理由があるのだなあと痛感しています。
病院の中でも特に産科に興味があるという方は、狭き門ではありますがとてもやりがいのあるお仕事なので、ぜひ挑戦してください。
× 閉じる管理栄養士になろうと考えたのは高校1年生の冬頃で、そのきっかけは祖父が透析導入になったことでした。それまでは学校の先生になりたいと考えていました。透析に通う祖父と、たんぱく質やカリウムに配慮した食事を作っていた母。どちらも頑張っているはずなのに祖父の食欲がどんどん落ちて痩せていく姿を見ていてとてもショックを受け、二人ともこんなに頑張っているのに、わからないから手伝えない自分の無力さに苛立ちを覚えていたのをよく覚えています。こうなる前にできることがあったのではないかとも思いました。当時、私なりにいろいろ調べていく中で、病院で働く管理栄養士という職業を知り、教師ではなく管理栄養士を目指すことにしました。幸いにもご縁があって現在は病院の管理栄養士として働いています。
× 閉じる在学時は3年生の時に実習をさせていただいたこともあり、保健センターや保健所などの公衆栄養に関わる仕事にも興味をそそられ、大学4年生の春頃まで進路を決めかねていました。4年生の校外実習で病院を選んだことで自分が管理栄養士になりたいと思った時の気持ちが蘇り、就職活動は透析施設のある病院を中心に行いました。卒業してすぐは総合病院に勤務し、給食管理、衛生管理、献立作成、入院患者様の栄養管理、褥瘡回診、外来の栄養指導などを行っていました。しかし、外来の栄養指導を行っていた患者様が、状態が悪化して入院してきたり亡くなってしまったりするのを見て、自分の力不足を感じるのと同時に、やはり予防が重要なのだと思うようになりました。
生活習慣病の予防のために力を尽くせるところで働きたいという思いが強くなっていたことと、結婚して夫と一緒に住むことが決まり引っ越さなければならなくなったことがきっかけで転職、現在の職場にご縁があり今に至ります。妊婦さんだけではなく、生まれてくる赤ちゃんや旦那様、そのご両親にいたるまで、健康でいたいと願う家族のために少しでもお手伝いができればと考え、予防の大切さ、食事の楽しさを伝えられるよう心がけています。
× 閉じる2012年4月医療法人社団圭春会小張総合病院栄養科勤務
2014年3月より医療法人社団双鳳会山王クリニック栄養科勤務
NPO法人母子栄養懇話会 役員
現在は夫と二人暮らしです。夫婦共働きで平日は仕事に励み、休日はお互いスキルアップのための勉強会や学会などに参加することが多いのですが、一緒にいる時間を大切にできるよう家で仕事をすることはほとんどありません。仕事においても家庭においても無理をするとパフォーマンスが悪くなると思っているので、どちらでも無理をして自分を縛らないようにしています。
仕事も私生活も両方大切ですので、どちらも楽しくできるように適度に休み、適度に仕事をし、適度にお家の事をさせてもらっています。
× 閉じる現在の職場は前任の方がおらず、管理栄養士業務の立ち上げからだったので何度も何度も(現在進行形で)困難にぶち当たっています。以前の職場で悩みすぎて身体を壊してしまった経験があるので、そうならないように『どうしてこうしてしまったのだろう。あの時こうしていれば』と考えるのではなく『起きてしまった事はやり直せない。今の自分にできることは何か』を考えるようにしています。
週に一度、筆ペン習字を習っていてその時の心地よい静寂に包まれた空間や課題をやりきったときの達成感はなんともいいがたい心地よさで良い気分転換になっています。先生がとても優しく指導も的確なので少しずつではありますが何とか続けられています。
× 閉じる学科名に『実践』がつくとおり、授業は自分でやってみることを大切にした内容だったなと思います。実際にやってみて初めてわかること、沸き起こる疑問は聞いただけのときと比較になりません。私が社会人2年目でなんとか形が作れたのも大学でみっちり教えていただいたからだなあと本当にありがたく思っています。教授達は栄養の世界の中で名だたる方々ばかり。そんな先生から学問を学び、時には悩みを聞いていただき、なんて贅沢な4年間だったのだろうと常々思っています。
卒業生が多いはずなのに、大学に遊びに行っても自分のことを覚えていてくださることも栄大で良かったと思えることです。本当に学生を大切にしてくれているのだなと思います。
× 閉じる学園祭実行委員、アルバイト、ボランティアに参加していました。
学園祭実行委員では装飾部に所属し、部長を務めました。この装飾部つながりで東京大学の乗鞍寮(長野県乗鞍岳)に料理を作りに行っていました。こちらもとても楽しくて今でもファンで運営委員にも入れていただけました。栄大の在学生と連絡が取り合えているのもこのおかげです。装飾部のメンバーや各部署の部長たちとは今も連絡を取り合っています。本当に大切な思い出です。
小学生と様々なイベントを行うボランティア活動を大学2年生の頃から卒業まで参加していました。もともと学校の先生になりたかったこともあり、悩むこともありつつもとても楽しかったのを覚えています。
アルバイトは1年生の夏頃から4年生の冬頃まで続けました。イタリアンレストランだったのですがピザの食べ放題があるお店で休日はいつも混んでいて大変だったのを覚えています。今も年に何回かはアルバイト先で一緒だったメンバーで集まったり、アルバイト先に食事に行ったりしています。
× 閉じる産科の栄養士の仕事は、綺麗でおいしくて幸せな気分になれる食事を作ることだけではなくて、どうしたら家族で健康な生活が送れるかとか、赤ちゃんのためにできることはなんだろうとかそういった患者様の生活に寄り添った食事の提案も必要だと考えています。
ゆくゆくは当院でお産した方が健康で暮らしてくださって地域の生活習慣病患者が減るとか、医療費が下がるとかそんな結果が出てくれたら嬉しいなと思います。
そのためには、当院で完結した栄養管理にするのではなく行政へバトンタッチできる仕組みが必要なのではないかと考えています。
まずは現状を知ることと当院での栄養管理のスキルを底上げすることが大切だと思っており、データの蓄積と他職種との勉強会を実施しています。
その次に市との連携、県との連携を担えるようにとできることを模索中です。
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