モンゴルにおける新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の現状を踏まえたラクトフェリン摂取の推奨

2021年1月07日                栄養科学研究所長 副学長 香川靖雄

 

新型コロナウィルス感染症(COVID-19)による年末年始の医療崩壊の危機に対して、前回にお知らせしましたように、女子栄養大学栄養科学研究所は腸溶性ラクトフェリンの内服を国民に勧めています。ラクトフェリンのCOVID-19に対する効果に対して関連機関・学会である国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所は「未だ科学的根拠なし」、日本ウィルス学会は「国からの指針を待たず各自の判断」、日本ラクトフェリン学会は「有効例を紹介、リスクもあり得る」との立場を示しています(図1)。本研究所が他の研究機関・学会と一線を画してラクトフェリンの摂取を推奨しているのは、他の研究機関が持たない重要な根拠としてモンゴルの内モンゴル自治区と調査、研究を現在も続けており、中国栄養学会とも国内の栄養系研究所として恐らく唯一情報交流を行っているからです(図2)。

 

%e5%9b%b3%ef%bc%91

 

図1


%ef%be%93%ef%be%9d%ef%bd%ba%ef%be%9e%ef%be%99%e3%81%ae%e8%aa%bf%e6%9f%bb%e7%8f%be%e7%8a%b6

図2

 

統計(https://covid19statistics.org/)によると、2021年1月7日現在のCOVID-19制圧状況は台湾(感染者822死者7)よりもモンゴル(感染者1,362死者2ただし2名ともCOVID-2によるものではないとの報告あり)の方が優れており、12月14日から食堂や交通も自由になりました。ラクトフェリンを含む発酵乳・乳酸飲料はンゴルでは「白い食物」と呼ばれており、「赤い食物」と呼ばれる肉類と並ぶモンゴルにおける主食となっています。発酵乳・乳酸飲料の1日の摂取量は日本では34 gですが、本学の川端輝江教授による調査によると、モンゴルでは1日に430 gも摂ります(図3)。モンゴルに接するロシアはCOVID-19感染者が300万人以上、死者も6万人以上なので、ワクチンも新薬も個人情報管理も無いモンゴルでは国民300万人によって日常的に摂取されているラクトフェリンによる抗COVID-19仮想人体試験は合格と言えます。

 

%e3%83%a2%e3%83%b3%e3%82%b4%e3%83%ab%e4%ba%ba%e3%81%ae%ef%be%97%ef%bd%b8%ef%be%84%ef%be%8c%ef%bd%aa%ef%be%98%ef%be%9d%e4%bb%ae%e4%ba%ba%e4%bd%93%e8%a9%a6%e9%a8%93

図3

 

同様に中国でもCOVID-19予防のためにヨーグルト(酸奶)をはじめとした乳製品からのラクトフェリン(乳鉄蛋白)摂取を推奨しています(図4)。日本では2020年の緊急事態宣言解除後に患者数、死者数が共に激増していますが、中国では厳しい個人情報管理の成果もあり、国慶節連休に6億人がマスク無しで観光旅行を楽しめる状況にまでCOVID-19を抑え込めているようです。

 

%ef%be%97%ef%bd%b8%ef%be%84%ef%be%8c%ef%bd%aa%ef%be%98%ef%be%9d%e6%8e%a8%e8%96%a6%e6%96%87

図4

 

自然免疫にはインターフェロンなど多数の生体物質がありますが、COVID-19に対するの免疫防御の際にはこれら自然免疫を賦活することが知られているラクトフェリンの体内での発現量が他の自然免疫物質よりも高まることが知られています。(図5)。ラクトフェリンは蛋白質ですが、体外から摂取した場合は腸管の受容体によるトランスサイトーシスで血流に入るため、母乳に含まれているラクトフェリンが乳児を感染から守ることができます。

 

%e5%9b%b3%ef%bc%95

図5

 

ラクトフェリンの摂取を希望される場合は、処方箋無しで購入できる腸溶性ラクトフェリン(1カプセル250 mg)を2カプセル(500 mg)摂取することを推奨します。「ラクトフェリンヨーグルト」(100 g)の場合はラクトフェリン含有量が100 mgしかないので、モンゴル人のようにに沢山食べなければCOVID-19感染予防のための効果は限定的と思われます。ラクトフェリンの推奨摂取量を500 mgと考える根拠として、ラクトフェリンによる人体の治療、予防に成功したSerrano博士らによる論文(Serrano et al. Int J Res Health Sci, 2020)の7ページ目に記述されているAddendum(補遺)を見ると、仮にリポソーム化したラクトフェリンと同等に体内で利用されると仮定した場合のLiposomal LF (LactyferrinTM) doses(リポソーム化ラクトフェリン投与量)の治療量および予防量は以下になります:

 

治療量:1日512 mg

“Treatment dose: 64-96 mg (20-30 ml) every 6 h daily to cure COVID-19

(256-384 mg/d). Doses can be increased to 128 mg every 6 h (512 mg)

if needed.”

 

予防量:1日128-192 mg

“Preventive dose: 64 mg two to three times daily can prevent COVID-19

(128-192 mg/d).”

 

ビタミンCと亜鉛は普通の食事から供給されると考えて特に加えずとも良いと考えています。500mg/日の腸溶性ラクトフェリン摂取というと多いように見えますが、腸溶性ラクトフェリンは恐らくリホ゜ソーム化ラクトフェリンよりも生体内利用効率が悪いと考えられること、そして500 mg/日のラクトフェリンを長期服用しても害が報告されていないため、一日の摂取量としてこの量を推奨します。

 

私および栄養科学研究所はラクトフェリンを推奨することに対して誰からも助成や支援を受けていません。しかし、所長である私と副所長は毎日ラクトフェリンを腸溶剤を服用して通勤と多くの講演を続け、栄養学の知見がCOVID-19のような感染症のパンデミック対策にも有益であることを伝え続けています。連日報道されているワクチンやアビガンについてもまだ十分な根拠を得ることはできておらず、また国民一人一人がすぐに入手できる類のものではありません。感染症予防対策には手指衛生やマスクの着用などの基本的な衛生管理行動やバランスの良い食事と適度な運動による健康維持はもちろん重要ですが、栄養学の観点から一人でも多くの国民に対する予防効果が期待できる最新の知見を紹介することで多くの犠牲者を減らすことが可能となると考えています。

 

「関連記事」

 

新型コロナの危機にラクトフェリンの緊急使用を推奨

 

ラクトフェリンの新型コロナウィルス感染症(COVID-19)予防効果に対する新知見の紹介