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栄養学専攻 修士課程
研究指導の概要

5領域18分野から栄養・食の重要課題をテーマとして選び研究を行います。

以下の「研究指導の概要」でわかるように、栄養学研究の基礎から社会的実践まで、各分野で高い水準の研究実績を重ねる19名の専任の教授陣(大学院担当教員)、遺伝子・分子レベルの実験室、日常の生活スタイルを再現しつつ人間の実験可能なメタボリックユニット、および国内外の実践施設や地域など、質の高い多様な研究・学習環境に恵まれて、大学院生たちはそれぞれ個性豊かな研究・実践をすすめてきました。

基礎栄養科学、実践栄養科学、生体科学、食文化科学、食物科学の各領域に関する現代の栄養・食の重要課題をテーマとして、人間の栄養・食を複眼的に構造的にとらえる研究を行うなど、まさに「人間栄養学」のメッカといわれる由縁です。

修士論文研究について指導教員の専門分野を存分に学びつつ、関連する学問や他の領域の研究・実践活動の成果との学際的なアプローチが特徴です。大学院修了者たちの修士論文テーマや高度専門職業人養成実習報告書(高度人材養成研修成果報告書)テーマがその実績をあらわしています。

研究指導の概要(令和6年度分)

Ⅰ 基礎栄養科学領域

発育学
田中  茂穂 教授
子どもや成人・高齢者における身体活動・座位行動や睡眠・食事といった生活習慣や栄養状態、エネルギー必要量について、科学的な知見の収集や解釈、評価法や実験計画法、結果の解釈の仕方などを修得し、生活習慣やエネルギー必要量に関する課題の理解と、問題発見・解決能力の向上を図る。
高齢期栄養学
新開  省二 教授
健康長寿に果たす食・栄養の役割は極めて大きい。また、高齢期特有の健康課題であるフレイル・ロコモさらには低栄養、認知症に対しては、高齢者の特性を踏まえた栄養管理が求められる。さらに、食は人と人とを結びつける役割をもち、孤食のリスクを下げる。本コースは、栄養疫学研究と栄養指導の実践を通して、現場で役立つ高齢期栄養学を学ぶ。
基礎栄養学
川端  輝江 教授
①妊娠期及び授乳期における母親の栄養(DHA、葉酸、ビタミンA、D、E、アミノ酸等)と胎児・新生児・乳幼児の成長・発達との関係について研究する。
②食事中脂肪酸の量と質(飽和・奇数鎖・n-6及びn-3系・トランス脂肪酸等)と体内代謝との関係について、遺伝子多型の影響も含めて研究する。
栄養生理学
上西  一弘 教授
①骨量の変化には食事、運動などの生活習慣が影響する。成長期〜高齢期における、カルシウムを代表とするミネラル、およびビタミンD、Kなどの摂取とライフスタイルが骨量に与える影響を疫学的および実験栄養学的に広く調査、検討する。
②カルシウムおよびその他いくつかのミネラルについて、ヒトでの吸収・利用を実験栄養学的に検討する。
③スポーツ選手と栄養の関わりを、調査、介入研究によって検討する。
④成長期のライフスタイルと身体状況について横断的ならびに縦断的に検討する。
臨床栄養学
石原  理 教授
性ホルモン環境が大きく変化する時期の女性にみられるさまざまな症候に着目し、食生活と栄養管理、また運動習慣などのはたす意義について、疫学的、内分泌学的、社会心理学的など、さまざまなアプローチを用いて、科学的エビデンスを創出することを目指す。

Ⅱ 実践栄養科学領域

栄養管理学
石田  裕美 教授
個人・小集団(成長期、妊娠・授乳期、アスリートなど)または特定給食施設利用者の栄養管理を目的とした、栄養評価、食事管理に関する研究を行う。また、特定給食施設における品質・生産管理のシステムに関して、栄養管理の視点から研究する。
栄養教育学
林  芙美 准教授
栄養教育では、QOLの向上、健康増進・疾病予防を目的として、対象者の食行動変容を目指す。しかし、ライフステージやライフスタイルによって、学習者が抱える健康・栄養課題は異なる。そこで、行動科学に基づいた効果的な栄養教育の手法に関する研究や、優先課題を明確にするための評価研究を行う。なお、研究対象は個人レベルから地域レベルまで幅広く扱う。
地域栄養学
武見  ゆかり 教授
Community Nutritionに関する研究として,地域,職域の健康・栄養状態のアセスメント,およびアセスメントをふまえた食生活改善と食環境整備に関する研究を行う。具体的には、地域・職域集団の優先的な栄養課題アセスメントのための調査研究、アセスメントのツール・評価指標の開発,食環境整備に関する研究など。
学校保健管理学
遠藤  伸子 教授
栄養学・栄養教諭の視点から児童生徒の心身の健康および健康管理に関する諸課題についての現状分析や対策についての研究や健康管理のための教育方法・プログラム開発の研究を指導する。

Ⅲ 生体科学領域

分子栄養学
福島  亜紀子 教授
食餌因子が機能発現に至るまでの過程を遺伝子レベルで研究する。遺伝子発現に至るまでには、数多くの転写因子や染色体の構造変化を伴う。これらを主に分子生物学的手法を用いて解析する。また、離乳期における乳糖分解酵素発現低下機構についての解析を行っている。
生化学
加藤  久典 教授
①健康増進や疾患予防に効果がある食品成分の作用メカニズムを培養細胞や実験動物を用いて明らかにする。
②食習慣や食嗜好に関連する遺伝子を明らかにし、その機能を探る。

Ⅳ 食文化科学領域

食文化人類学
守屋  亜記子 准教授
人間にとって食とは何か、食の社会・文化的側面について文化人類学の視座から研究する。国内外を問わずテーマに沿ったフィールドにおいて現地調査を行い、得られた知見について比較文化論的視点から考察する。
環境教育学
井元  りえ 教授
食生活と環境との関係について住居学、環境教育学の視座から研究する。テーマは以下に関連する内容から選ぶ。
①食空間のコーディネートなど食事環境に関する研究。
②食生活と環境問題との関係に関する理論的考察、およびその教育内容と方法の実践的なあり方についての研究。学校教育および社会教育において、ESD(持続可能な開発のための教育)の視点から、環境倫理、法制度、経済的しくみ、文化も含めた食環境教育のあり方を探る。

Ⅴ 食物科学領域

食品分析学
臼井  照幸 教授
食品の褐変、香りの変化、脂質の酸化、ビタミンの減少は、加工食品の代表的な品質変化である。我々の研究室では、食品(例えば、発酵食品である味噌、チーズ、他)を製造し、食品機能成分(色や香りを含む)の変化におけるアミノ酸やカルボニル化合物の関与について研究している。
食品素材開発学
西塔  正孝 教授
食品由来の特定成分を調製し、食品素材としての有効性を評価する。特にどのような食品成分が組織内で高い機能を示すのか、in vitro試験を行い詳細に分析した後、ヒト培養細胞による評価や生体組織解析などによる既知の食品成分との比較分析を行う。同時に効率的な生産方法を検討した後、その作用機序を明らかにすることをめざす。また、国立研究機関や民間企業などと協力して、機能性や品質管理に応用可能な食品素材開発につなげる。
食品機能学
西村  敏英 教授
食品のおいしさ、あるいは保健機能に関する研究を行う。具体的には、おいしさの決定に重要なコクに着目し、食肉・食肉製品、バター、卵黄などが持つコクの形成・増強に寄与する物質を見出し、そのメカニズムを解明する。また、コクの客観的評価方法の確立と見える化を樹立する。さらに、畜産食品に含まれるタンパク質やペプチドの抗酸化作用、抗ストレス作用等を物質の解析、並びに遺伝子改変マウスを用いた手法で解明する。
研究や文献抄読を通して、問題の発見能力と解決能力、プレゼンテーション能力、並びにコミュニケーション能力を養う。
調理科学
柴田  圭子 教授
加熱調理などによる食品の物性・組織・成分の変化について、物理的および化学的測定や官能評価などにより多面的に分析・検討し、人間の嗜好性(特にテクスチャーや呈味性)との関連について研究する。また,調理過程で変動する食物の状態の科学的解明や食材の調理特性を検討し,合理的な調理について研究する。
調理・食生活学
小西  史子 教授
調理または食生活と健康に関する研究を行う。テーマは以下のとおりである。
①料理の盛り付けの数値化に関する研究
②中高生の食生活環境及び調理への関わりが自己肯定感に及ぼす影響
上記以外のテーマでも可能であり、話し合いながら決定する。

の担当教員は令和7年度の学生募集を行いません。

令和7年度に学生を募集する担当教員については学生募集要項(願書)にて必ず確認してください。

栄養学専攻 修士課程
研究指導の概要2021
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