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保健学専攻 修士課程
在学生×教授 メッセージ

研究室の取り組みと、未来に対する想い
香川 雅春准教授
世界でも希少な
武道を対象にした研究を
成果につなげてほしい
香川 雅春准教授
栄養科学研究室
研究指導分野/応用身体情報処理学
経験者の視点で剣道の
暑熱対策を調査し、
将来は公認スポーツ栄養士を
目指したい
宍戸 初音
宮城県出身 女子栄養大学卒業
保健学専攻 修士課程2年

エビデンスや研究結果を現場で活用する力をつける

宍戸
学部生時代の臨地実習で指導を受けた栄養士の方から、エビデンスの構築と研究結果を正しく現場で活用する重要性を教えていただきました。私自身、目標としている公認スポーツ栄養士として活躍するには、さらに学びを深める必要があると感じていたので、確かな知識と技術を修得するために大学院に進学しました。
香川
宍戸さんから進学相談を受け、興味を持ったのであれば進んでみるよう助言しました。
宍戸
現在取り組んでいる研究は、剣道競技者の暑熱対策の実態です。剣道は5、6kgもの防具をつけて行います。以前は、武道精神の一つとして水分補給を控える風潮もあり、熱中症リスクの高い競技です。しかし、実際に剣道競技者がどの程度、暑熱対策をしているかの実態が明らかになっていないので、その解明と対策につなげたいと考え、このテーマを選びました。
香川
スポーツ競技の中でも武道の研究は世界的に少なく、非常に興味深いテーマです。剣道経験者の宍戸さんだからこそ気づくことが多くあると思います。ぜひ、そういった視点で研究に切り込んでいってほしいですね。
宍戸
まずは、競技者全体の実態をつかむために、幅広い年齢層の競技者と指導者に対してアンケート調査を行っています。暑熱対策に関する知識や現場での取り組みを調査し、競技者が暑熱対策を行う上での課題を検討する予定です。ここまでを第一段階のゴールに設定し、その後、剣道連盟が推奨するガイドラインとの相違点を調べ、実際の現場に即した知識や情報の発信をしていきたいと考えています。
香川
研究計画の立案、データ収集のための内外とのやり取り、実際の調査・分析など、大学院生として研究の手順をしっかり学び、身につけてもらいたいです。研究ではコミュニュケーション力も大切なので、そのスキルを磨くことも期待しています。
宍戸
はい。研究室では、院生同士で様々な意見が飛び交っています。留学生との交流では、世界の栄養学の動向や文化について学べます。大学時代と比べ、様々な世代や背景を持つ人とのコミュニュケーションが増え、学び合いや視野の広がりを実感しています。研究に活かしていきたいです。
香川
自分の世界が広がっていくことも研究の醍醐味ですね。
宍戸
将来は公認スポーツ栄養士の資格を取得し、スポーツ現場でアスリートの栄養サポートを行うことが目標です。健康に関わる情報を正しく読み解いて発信できる管理栄養士として活躍するために、大学院での研究活動に注力し、専門性を高めていきたいです。
遠藤 伸子教授
学校保健の現場で
リーダシップの発揮できる
教員を輩出していきたい
遠藤 伸子教授
保健養護学研究室
研究指導分野/学校保健学
実際の学校現場で
子どもの意見を聞き
アプリ開発に取り組む
須藤 さくら
埼玉県出身 女子栄養大学卒業
保健学専攻 修士課程2年

教育現場に貢献できるアプリ開発を目指して

須藤
小学生の頃に養護教諭の先生にとてもお世話になったことがきっかけで、養護教諭を目指しました。実は、その先生が大学に戻り専任講師として学生の指導をしていることを知っていて…。目標とする先生の元で学びたいと、女子栄養大学に入学しました。
遠藤
久保田先生ですね。「小学生の頃に関わっていた子が入学しました!」と、とても喜んでいました。須藤さんは学部生の頃から授業にも積極的で、クラスのまとめ役などもしていましたね。大学院に進学してくれて嬉しいです。
須藤
遠藤先生との出会いも大きかったです。遠藤先生には、学部での卒業研究でもご指導いただきましたが、大学院での研究を見据えた指導をしていただきました。いま、大学院に進学したことで、自分のテーマに2年間かけてじっくりと取り組めることの楽しさを感じています。
遠藤
現在は、健康観察アプリの研究を進めていますよね。
須藤
はい。ひとつ上の先輩方は高校生に向けてのアプリ開発をされていました。私は、中学生を対象にした開発を進めています。コロナ禍を経て、より詳細な体調管理をする必要が出てきているのが現状です。ICTを活用し、アプリを利用することで、集まった健康観察データを簡単に分析したり、子どもたちの不調を早期発見することに繋がればと思っています。
遠藤
学校全体の生徒を一人ひとり見ることは大変ですからね。また、保健室の現場では分析するデータはたくさんあるのに、活用できていない場面も多くあります。このアプリが体調管理はもちろん、メンタルヘルスの早期発見と支援に役立つものになることを期待しています。
須藤
ありがとうございます。私は、学校保健教職専門コースに所属しています。学校現場へ行き養護教諭のお手伝いをしたり、運動教室で子どもと触れあったりしながら研究を進めています。実際の学校現場を知り、それを研究に還元できることがこのコースの強みだと感じています。
遠藤
そうですね。このコースでは、養護教諭になった時に実践的なリーダーシップを取れる人材養成が目標のひとつです。自分の課題を自分で設定して、つけたい力を積み上げていく。それが評価になります。例えば、総合演習では実際に養護教諭になった際にシンポジウムやセミナーを行うことがあるので、それを学生のうちに企画から開催までを経験してもらっていますよね。2年後には大学院での経験を糧に、養護教諭として活躍してくれることを願っています。