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栄養学専攻 修士課程
在学生×教授 メッセージ

研究室の取り組みと、未来に対する想い
武見ゆかり教授
研究的な視点をもった
実践者として、
社会に貢献できる人材へ
武見 ゆかり教授
食生態学研究室
研究指導分野/地域栄養学
管理栄養士として
国際協力をしたい。
その夢を叶える力をつけたい
種瀬 柚季
茨城県出身 女子栄養大学卒業
栄養学専攻 修士課程2年

持続可能な世界の実現に向けて管理栄養士として貢献したい

武見
種瀬さんは、学部生の時に就職活動もしていましたが、大学院進学を決意しましたよね。
種瀬
きっかけは、武見先生の講義で大学院修了後に管理栄養士として国際協力に携わっている先輩のお話を聞いたことです。「途上国の栄養課題の解決に貢献したい」と思うようになりました。学部4年間の学びでは、国際協力に携わるための知識もスキルも不足していると感じましたし、専門性を高めながら実践現場での経験も積める高度人材養成コースを知って大学院への進学を決めました。
武見
先輩の経験を聞いたことで、大学院での学びが具体的にイメージできたのかもしれませんね。大学院の役割として“研究者”を育てることも大切なのですが、女子栄養大学の掲げる「実践する栄養学」の視点で言うと“実践者”はとても大切です。研究的な手法や考え方を理解した実践者がいてこそ、世界の食生活が本当に良くなっていくのだと思います。現在、栃木県内の行政と協力して地域住民を対象にした調査を進めていますよね。
種瀬
はい。「地域・組織レベルの健康づくり・栄養・食生活改善に向けた実践スキルの修得」というテーマで、地域住民を対象としたポピュレーションアプローチに着目して研究と学外実習を進めています。健康課題として脳血管疾患による死亡が多く、その要因のひとつに食塩の過剰摂取があげられる町が対象です。健康増進計画の中間評価のための調査設計・実施・データ分析を行い、今後は結果をもとに食塩摂取量と食行動との関連を検討する予定です。
武見
種瀬さんの大学院進学のきっかけになった先輩の研究を引き継いだものですよね。長期的に取り組むことでさらに成果がでるものと期待しています。大学院生としてだけでなく、その町のスタッフとしての役割も必要。真摯に取り組んでいるなと感心しています。
種瀬
ありがとうございます。地方都市なので、コミュニケーションの部分でのタイムラグなど苦労する場面もありました。この国内地域での実習を通して力をつけて、JICA海外協力隊で栄養・食生活改善の活動をすることが目標です。その国の文化や価値観を理解しながら、管理栄養士として活躍したいと思っています。
武見
国際協力を行うための組織としてNGOなどのいろいろな団体がありますので、国やテーマなど希望にあったものが見つけられるといいですね。国際的に活躍するために、ぜひ、自信をもって今まで以上に積極的になっていろいろなことにチャレンジして欲しい。応援しています!
上西 一弘教授
思った通りの結果には
すぐにはたどり着かない。
それが研究の醍醐味
上西 一弘教授
栄養生理学研究室
研究指導分野/栄養生理学
スポーツを行う
子どもたちのために
研究結果を活かしたい
原田 若菜
神奈川県出身 女子栄養大学卒業
栄養学専攻 修士2年

多角的な視点で研究テーマを捉える

原田
私は入学してすぐの頃から大学院進学のことは頭の隅にありました。大学院への進学を本格的に考えたのは、学部生の頃に上西先生や大学院生の先輩にアドバイスや指導をいただく機会があり、その時に自分自身にはまだ知識や理論的に考える力が不足していると痛感したからです。もともとスポーツ栄養が学びたいと女子栄養大学に進学しましたし、上西先生の元で更にスポーツ栄養の勉強と研究をしたいと思いました。
上西
スポーツ選手のカルシウム吸収についての研究を進めていますよね。
原田
はい。スポーツ選手は、運動をしていない者と比較して骨密度が高いと報告されています。その理由に骨形成の促進があげられますが、発汗によるカルシウム損失もあります。私は、腸管によるカルシウム吸収が運動によって骨密度の増加につながっているのではないかという仮説を立てました。それをどうやって実証していくのかを考えていく段階です。
上西
まだ研究手法まで決まっていませんが、新しくかつ難しいテーマに挑んでいると思います。カルシウムや骨の専門家の先生方のご意見をいただきながら、誰を対象に何を見ていかなければいけないのか検討しましょう。すぐに結果が出るのかわかりませんし、何度もトライしていくことも必要になるかと思います。でも、それが研究の醍醐味です。
原田
骨粗鬆症予防やスポーツ選手のカルシウム摂取の検討にもつながると考えられるので、意義のある研究になるといいなと思っています。
上西
期待しています。原田さんの学年はコロナ禍もあり、選手と直接触れあう機会が少なかったですね。でも、オンラインで関連セミナーに参加する機会はたくさんあったかと思います。チャンスは作ってあげられますので、そこで何を吸収してどう活かしていくかが大事です。
原田
自分の専門性を高めることだけでなく、多角的に学ぶことの重要性も感じています。セミナーや学会の参加、研究生とのディスカッションなどで視野を広げながら、研究の方法論やベースとなる知識を身につけて成長したいと思います。
上西
原田さんの研究結果が社会に還元されることを願っています。自分のテーマにどこまで向き合えるか、そして、来年入学してくる後輩の院生の指導をすることでさらに成長をしていくと思います。大学院への進学は、難しくない時代だと思っています。興味をもったら、いつ研究をスタートさせてもいいのでたくさんの方に大学院に進学してほしいですね。