令和7年度 食文化栄養学実習

私は恐竜の味について研究している。今までは系統、生態、餌という3要素を中心に味を推測してきた。複数の恐竜をピックアップし、それらの味を表現した料理を考案して冊子にまとめるために、現在は文献調査や専門家へのインタビューを通して恐竜の味についてより具体的に考えている。そこから得た仮説として、恐竜の肉はワニと鳥類、特にダチョウなどの古顎類に近いと考えられることが分かった。恐竜の種類やそれぞれの恐竜の部位により味や肉質も異なる。味に強く影響するのは、系統と生態であると考えられる。また用いる肉の味としてワニやダチョウの味を確かめ、適した調理法を検討している。

皆さんは、映画や映像を観た時に｢ここのシーンを何かで表現してみたい！｣と思うだろうか。私は、ディズニーの世界観が好きだ。今回は、ディズニー映画ミュージカル作品｢メリー・ポピンズ｣を実際に｢食｣として表現した。映画の舞台とされているイギリスには、多くの伝統料理がある。そしてその中には、｢美味しくない｣｢見た目が地味｣等と言われている料理がいくつかある。｢メリー・ポピンズ｣のワンシーンをイギリスの伝統的食文化｢サンデーロースト｣のワンプレート料理として作成した。五感を意識した、華やかで愉快な見た目の料理のイギリス料理とその背景について説明する。

海外旅行が大好きな私が旅の中で楽しみにしていることは、飛行機の機内食だ。しかし機内食は塩分もカロリーも高くフライト中のむくみが気になる。そこで、私は美と健康に配慮した機内食のメニュー提案に取り組んだ。長時間のフライトによって起こる浮腫みや肌荒れ、便秘といった不調に着目し、体内からケアできるような食材選びと栄養バランスを意識した。塩分や糖分は控えめにしつつ、抗酸化作用のあるビタミンや食物繊維、カリウムなどを豊富に含む食材を取り入れる。また、機内という限られた空間でも満足感を得られるよう、見た目や香りにも工夫を凝らし、心も満たせるメニューを提案する。

本研究では、福島県会津地方の馬刺し文化に着目し、その特徴や背景について考察する。会津では馬刺しが日常的に食べられている。会津では赤身の馬刺しを食べることが一般的だ。そのため、馬刺しで広く知られる熊本県の馬刺し文化とは少々異なり、使用部位や食べ方、販売形態、消費者の意識に地域特有の傾向が見られる。文献調査に加え、店舗や消費者への聞き取り調査を行い、歴史的背景や現在の食文化との関わりを整理した。さらに、熊本県との比較を通じて、両地域における文化的な違いや共通点についても検討することで、馬刺しの地域性をより具体的に明らかにした。

旅行に行かずとも地方の味を楽しめるお店を調査している。私は国内旅行をすることが多く、地方の食事や雰囲気を楽しむことが好きである。その地域ならではの食材やお店の雰囲気をたくさんの人に知ってもらいたい。時間をあまりかけなくとも、交通費や宿泊費をかけなくとも現地の良さを味わうことができるお店を東京近郊で調べている。お店をSNSや地元の人の声もとに厳選し、実際に行って調査している。調査項目は雰囲気、値段、交通、メニュー、現地らしさを評価し、リーフレットで発信する。本発表では実際に訪れ、地元の魅力が詰まった食体験ができる５つのお店について比較した結果を報告する。

アボカドは一般的に野菜として食べられている。また、アボカド専門店でもご飯の具やトースト、野菜として食べられていることが多い。そこで私は、アボカドをスイーツとして食べてみたいという興味から、スイーツの材料としてのアボカドの可能性を研究している。これまで、クッキー、スコーン、プリン、トリュフチョコレート、チーズケーキを試作した。その中で、スコーンとプリン、チーズケーキにするとアボカドの良さが活かせて美味しく食べられることがわかった。本発表では、アボカドを使ったスイーツの魅力と新たな可能性、これまで作ったレシピや作り方のコツについて説明する。

みなさんは、フレーバードティーを飲んだことはあるだろうか？フレーバードティーとは香料や花びら、果実などで香りづけしたお茶のことである。私は幼い頃から紅茶が好きで、紅茶について調べていく中で、フランスではフレーバードティーが、香りやストーリー性を楽しむ嗜好品として親しまれていることを知った。こうした文化に惹かれ、紅茶の楽しみ方のひとつとして、日常のティータイムに取り入れたいと考えている。本発表では、フランスの紅茶文化やフランス人の香りに対する意識、フランス菓子をテーマに提案するオリジナルフレーバードティーの概要について発表する。