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 「群馬県大泉町の20年 この地に住み続けて見つけた街」の発表を始めます。
 私は文化栄養学という学問の文化という側面に強い関心を持ちました。その文化を育む空間として、街を主題に実習を進めました。
 まず町は大地とそれをつくる自然や文化、それらとつながる人々とで成り立っています。これは一つの入れ物と考えることができ、その骨格においては全国どこをみても顕著な違いはありません。しかし、その要素一つ一つに近づくと、外観のみでは分からなかったそれぞれの街の特徴が見えてきます。  近年では、隣の家に誰が住んでいたかと聞かれても分からないなど、集団を作る個人の意識は変化しています。同時に人々がつくる街の在り方も違ったものになりつつあるのではないでしょうか。あるいは例え特色があったとしても機能していないのか。いずれにせよ個人と特定の土地との絆は以前とは違ったものになってきているように思います。
 このような考えと、「町」と「街」という言葉を探るべく、大泉町を見ていきます。
資料:株式会社平凡社 『字統 普及版』
全国と大泉の人口
 人口          世帯数         世帯人員
全国 126,926,000   47,062,743 2.696952874
大泉町 41,403    15,871 2.608720307
資料:平成12年国勢調査
資料:大泉町 住宅マスタープラン
文化むら(写真右上)・・・ようこそ大泉町へ: http://www.town.oizumi.gunma.jp/ から引用
資料:大泉町 住宅マスタープラン
大泉町公民館(写真下)・・・ようこそ大泉町へ: http://www.town.oizumi.gunma.jp/ から引用
資料:大泉町 住宅マスタープラン
資料:大泉町 住宅マスタープラン
        総人口 日本人 外国人比率
S55 31697           31573 0.39
S60 36013          35844 0.47
S63 37854           37534 0.85
H1 38446           37762 1.77
H2 39517           38028 3.76
H3 40575           38254 5.72
H4 40934           38525 5.89
H5 40874           38369 6.13
H6 41587            38204 8.13
H7 41921            37820 9.78
H8 41896            37208 11.19
H9 42205            36980 12.38
H10                   11.6
H11                   11.9
H12                   13.4
資料:大泉町 住宅マスタープラン
   大泉企画部企画調整課 統計おおいずみ
資料:出入国管理及び難民認定法 http://www.normanet.ne.jp/%7Ehourei/s319R/s261004s319.htm
(H14.7.31 登録者5人以上の国名
アルゼンティン 20
ボリヴィア 97
ブラジル 4766
カンボディア 13
チリ 31
中国 93
コロンビア 11
インド 7
インドネシア 31
イラン 10
韓国・朝鮮 110
マレイシア 8
メキシコ 7
ニュージーランド 7
パキスタン 18
パラグアイ 24
ペルー 726
フィリピン 178
タイ 22
トンガ 9
アメリカ 10
ヴェトナム 7
その他 30
6235
資料:大泉町役場 外国人登録の推移(年別)
 町と街は違うというのは、役割の有る無しによると考えます。
 町が「子供を育てる」といわれていたのは、人と人とがつながり、その風土に根付いた関係を持っていたからです。そのとき町は街として機能していました。そのことを踏まえ、自分が育った場所から連想される街の役割として、様々な要素が考えられます。
 これはその中の一つ、「街」から「人」へ連想したもののつながりをあらわします。
 縦に見ていくと、
 人がいるたまり場、流れる音楽、交わされる言葉、行きかう流れ、好む食べ物、違う習慣、伝えられる情報
 そして、その一つ一つの言葉からまた連想されていき、例えばたまり場からは、公園、学校、駅、店、家、路上、時計台
 また公園からはこのようにつながります。
 「人」の横のつながりも家族、友人、ご近所、他人というように。
 そしてこの「家族」から家へ、また学校やコンビニというように途切れることはありません。
 一つの要素は独立ではなく、また平面でもなく繋がっています。
 このような街の役割は、組み替えられるルービックキューブに似た関係であり、一つ一つが意味を持ち独立していますが、多面的な繋がりを持っているものだと思われます。そして組み替えられるキューブも、何個も積み重なって存在しています。  故郷の概念とは、このキューブで表した街の役割が、土地と結びついて生まれるものだと考えられます。  街の役割を連想する上で、出発点を何にするのか、どのような出来事と結びつけるかといったことは、その者がその場所で担う役割や成してきた事をも物語っていくのではないでしょうか。  そう考えると、今自分たちのいる町は先人の手につくられたものではなく、年月とは無関係に、自分自身でつくった居場所だと言えます。「自分が今どこに居るのか、居たいのか。」町と街について考えてきて最後まで残った言葉でした。この言葉は、今目の前にある場所を選ぶということではなく、現在進行形でつくっている居場所の目指す形を問うものだと感じられます。  町と土地が人を育み、人が街をつくり、また新しい街が築かれる。徐々に関係を変えつつある中で、自分の担う役割を考えることが必要だと思います。