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ぎりぎり食文化展

2015.11.09 活動紹介 学生取材記事
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 女子栄養大学の夏のオープンキャンパスでは、今年も食文化栄養学科の学生を中心に“ぎりぎり食文化展”が行われた。

 女子栄養大学で「食」といえば「栄養・健康」のことを中心に学ぶ、とイメージされるだろう。 しかし、食文化栄養学科では様々な角度から食を学ぶ。例えば、食具・デザイン・流通・食空間などだ。 それらは食べ物でないが故に、一見「食」のジャンルとしては捉えづらいものや、 食に密接に関わりながらも「食」として認識されないものなど、ぼんやりとした存在である。 この企画では人が「食」と思わないような領域の「食」も含めて表現したいという思いから“ぎりぎり”という言葉を使っている。

 展示では昨年同様に、食の可能性、自由さ、そこから発想し、できる想いを五感で感じる形を表現しようと考えた。 展示会場に足を運んでくださった方たちが食を考え、体感する場になれたら、 またそこでの交流をきっかけに来場された方と学生のつながりがより深くなればという想いで準備を進めた。

 今回は昨年の企画に加え、新企画である「風呂敷で包んでみよう」や「レシピカード」など全部で7種類を展示した。

 昨年好評だった「絵しりとり」(食べ物から抽出した絵の具を使って絵しりとりを描いてもらう) は昨年の反省から野菜からの色の抽出方法を変えた。 そのため、量が採れないことや作りたい色にならないなど様々な問題点が出てきた。 野菜の切り方、火の入れ方など試行錯誤を重ね、納得のいくものにしていった。

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 「絵しりとり」食べ物から色を抽出しました

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 食を考え、体感する場にしました

 新企画の「風呂敷で包んでみよう」はその名のとおり、風呂敷でものを包む体験をしてもらう企画である。 この企画はどの包み方にするか選ぶところから始まった。みんなで様々な包み方を実際に行いながら、厳選した。 そのとき、風呂敷にはさまざまな包むものや方法があることを知った。 私たちは風呂敷の多彩さを見てもらうために、箱・瓶包みやバックなど様々な包み方を選んだ。 そこから、包むのに使用する風呂敷を選び、写真や映像の撮影までを行った。 これらは当日来場された方が実際に体験するときに、見本となるように作られたものだ。

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 新企画「風呂敷で包んでみよう」

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 レシピカードを作成して配布しました

 当日、スタッフが声をかけると「やってみようかな」と体験される方や自分からやりたいとおっしゃる方もいらっしゃった。 その体験が来場者の方と話すきっかけとなり、そこから食文化栄養学科に興味をもたれる方が多かった。

 私が特にうれしかったのは、食文化栄養学科の企画展示を見た他大学に進学する予定だった方に 「食文化栄養学科に進学したい」といっていただいたことだ。
 今回の展示を終えて、改めて“ぎりぎり”の意味を考えた。果たしてこれはぎりぎりの限界なのか。 もう少し迫れたのではないか。もう少しできることがあったのではないか。そう思うことがある。 もしも、来年このような機会があるならば、その答えが出るような企画を作りたい。

(食文化栄養学科 2年 ・ W.H./2015.11.09)