<<ご挨拶>>

今日「メタボリックシンドローム」「生活習慣病」などの言葉が日常の会話にのぼります。「食と健康」の関係について言われて久しいのですが、百年余前の日本では、毎年一万人以上の人々が脚気で死亡していました。 幕末の将軍 徳川家定が「脚気衝心」で死亡したのを「篤姫」でご覧になった方も多いのではないでしょうか。脚気は国の存亡をかける国民病といわれ、原因究明と対策が求められていました。

脚気研究の第一人者 東京帝国大学医学部の島薗順次郎教授に学んだ、香川昇三・綾は「病人を作らない医師」になるべく、昭和8年自宅に「家庭食養研究会」を開きました。「栄養と料理学園」「女子栄養学園」から「女子栄養大学」となった今日まで「食と健康」の研究と普及に多くの人材を輩出してきました。

卒業生の活動の記録はそのまま、臨床栄養学の発展の歴史でもあります。彼女たちの実践は大学にも還元され、更なる発展につながっています。病院栄養士が医療の現場でいわば縁の下の力持ちとして支え続けてきたことを展示を通して感じていただけたら幸いでございます。

2010年3月

香川昇三・綾記念展示室
室長 香川芳子

 
 
>>戻る

>>記念展示室トップ
 
 
Copyright© 2010 Kagawa Nutrition University All rights reserved.
女子栄養大学図書館 Last updated: 10/05/18