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保健学専攻 修士課程
修了者メッセージ

大学院での研究経験から科学的視点、
論理的思考力を身につける
市村 麻美
埼玉県出身 女子栄養大学卒業
保健学専攻 修士課程 2021年修了
指導教員:緒方 裕光教授
医療法人社団 三愛会 理事
学部での卒業研究を通し、栄養や食事、健康影響(アウトカム)を定量的に測ることの難しさを実感しました。そこで感じた自身の研究の限界や今後の課題が、大学院進学の動機となりました。女子栄養大学大学院を選んだのは、栄養や食事を科学的に評価する研究において、高い信頼と実績があったことに加え、社会人学生への理解があると感じたことも理由のひとつです。
大学院では「健診受診者におけるBMIと生活習慣に関わる諸要因との関係」を研究テーマとしました。BMIと生活習慣ならびにストレス対処能力との関連、および至適BMIを検討するため、検診受診者を対象とした研究を実施しました。その結果、男性の至適BMIは現在の値よりやや高めである可能性などが示唆されましたが、日本人の健康維持を目的にBMIの明確なカットオフ値を検討するためにはさらなる研究も必要だと感じました。
大学院では、学部以上に、先行研究での知見を系統的に整理し、課題や問題点を明らかにする力や、自ら設定した研究テーマや調査方法について、実現可能性を踏まえて考える力が求められます。そこで得た科学的な視点、論理的思考力は、現在の仕事の様々な場面でも活かされています。
課題の多い分野を研究し専門性を高めただけでなく
研究の経験そのものが今に活かされている
鈴木 杏南
埼玉県出身 女子栄養大学卒業
保健学専攻 修士課程 2021年修了
指導教員:遠藤 伸子教授
埼玉県小学校 養護教諭
私は自身の養護教諭としての専門性を見つけ、学びを深めるため大学院に進むことを決断しました。研究内容は、性的マイノリティの子どもへの教員の対応に関する研究です。社会でも学校でも注目されている分野ですが、学校での教育・対応が遅れていることや、不適切であることが課題にもなっています。学校内外での研修でも性的マイノリティの子どもへの対応を検討し、学ぶ機会は増えていますが、教員の理解は十分とはいえず、養護教諭が頼りにされることも多くあるのが現状です。現在養護教諭として勤務する中で、性的マイノリティに関する相談に積極的に関わることができており、大学院での学びが活きていることを実感しています。また、大学院での講義や自身の研究データを分析・考察しまとめた経験から、先行文献を調べることの重要性やその調べ方、質問紙作成、統計解析の方法など、研究そのものへの理解が深まりました。こうした経験も、校内での調査を行う際などに役立っています。今後は掲示物作成や保健指導、校内研修などにも取り組んでいきたいです。