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栄養学専攻 修士課程
在学生×教授 メッセージ

研究室の取り組みと、未来に対する想い
西塔 正孝教授
最先端の研究に
目を向けて
じっくり取り組んでほしい
西塔 正孝教授
食品生産科学研究室
研究指導分野/食品素材開発学
食を通じて
健康改善や疾病予防につながる
仕事に携わりたい
仁科 千紘
千葉県出身 女子栄養大学卒業
栄養学専攻 修士課程2年

血糖値の上昇を抑制する機能性食品を追究したい

西塔
もともと真面目で努力家の仁科さんですが、学部生時代に比べ、主体的に研究に取り組む姿勢が強く見られるようになり成長を感じます。
仁科
大学院では自ら取り組んでいかないと研究が進まず、データも取得できません。研究テーマに向き合うために知識や実験技術を向上させて成長できるよう、日々努力しています。現在は、血糖値の上昇を抑制する機能性を有する食品の開発を目指した基礎研究を行っています。年々、糖尿病患者が増えており、食品の機能性を活かして糖尿病の予防と改善に貢献したいと思い、この研究に取り組み始めました。
西塔
血糖値の上昇を抑制する成分の研究は、実験室の試験ではすでに多くの結果が出ています。仁科さんが今取り組んでいるのは、ヒト介入試験に用いることのできる機能性を持つサンプルの調製や分析になり、このテーマでは最先端の研究です。
仁科
具体的には、水産物から抽出した成分を様々な食品に利用できる形状にする予定です。以前、沖縄に住んでいたときに海が近く、魚に興味を持ち、魚を活かした研究ができないかと考えたことがきっかけです。魚から抽出した成分の分析や、ヒト介入試験による血糖値などの測定を計画しています。
西塔
仁科さんは、大学院生の自覚を持って研究を進めているので、順調にいけば大成すると期待しています。とはいえ、実験に失敗はつきもの。心のゆとりを持って、失敗しても落ち込まず成果につなげてほしいですね。
仁科
研究室では、食品の機能性を追究するという大きな目標は同じですが、院生それぞれが異なる内容の研究に取り組んでいます。研究室内で行うミーティングで各自の研究の進捗報告を聞き、自分の研究の参考にしたり、ヒントを得たりしています。お互いのテーマについて話し合う機会も多く、刺激のある環境です。また、先輩方との距離が近く、実験方法を質問した際には、注意点まで丁寧に教えていただいたことがあります。とてもためになったので、後輩ができたら同じようにサポートしたいと考えています。
西塔
院生同士で切磋琢磨して成長していける雰囲気がありますね。
仁科
将来は、食を通じて健康の改善や予防につながるような仕事に携わり、多くの人の役に立ちたいです。食品メーカーの開発職などで消費者に届くものをつくることが目標です。
西塔
機能性や品質管理に応用できる食品素材の開発研究は、将来の選択肢が多いです。企業での研究や開発職、大学での研究者など様々なチャンスがあるので、ぜひ挑戦してほしいです。
上西 一弘教授
管理栄養士の資格を活かし
多様なスポーツ選手の
サポート現場で研究を
深めてほしい
上西 一弘教授
栄養生理学研究室
研究指導分野/栄養生理学
選手サポートの現場を
数多く経験し、
選手や指導者から必要と
される栄養指導ができる人材に
石川 櫻子
東京都出身 女子栄養大学卒業
栄養学専攻 修士課程2年

選手との関わりを通じた実践的な研究

石川
大学の卒業研究で栄養生理学研究室に所属し、スポーツ選手の食事解析や提供をする中で、競技によって栄養管理のポイントが異なり、選手は勝利につながる食事を求めていること、すべての選手が食に興味があるわけではないことなどを学びました。選手に有益な情報を示すためのエビデンスや、科学的な根拠に基づいて論理的に話す力をつけたいと思い、大学院に進学しました。
上西
大学入学直後から大学院進学を目指す学生もいますが、石川さんは学部での研究活動がきっかけですよね。今まさに本格的な研究が始まったというところです。
石川
研究室では外部のスポーツ選手と関わらせていただく機会が多くあります。年齢も競技も異なる選手をサポートするため、それぞれに適した食事を研究しながらデータ分析するだけでなく、分析結果を選手と共有して栄養指導や食事提供ができる点が魅力です。
上西
大学院生には、高校生や大学生、野球、陸上、ラグビーなど可能な範囲で幅広く、選手と関わる機会を設けるようにしています。また、それぞれの場所に指導者がいるため、私とは違う立場からの指導を受けられ、学びがあります。
石川
それは感じます。選手を指導する監督やコーチに、どのようなトレーニングをしているかや、選手の普段の様子を教えていただくことは重要です。そして、選手のパフォーマンスを高めるという共通のゴールに向けて、指導陣と一緒にどのように進めていくかを考えていきます。
上西
石川さんの強みは管理栄養士であるということ。学部で4年間、専門的な学びを積み、国家資格を持ったプロフェッショナルです。受け入れ側もプロの仕事に期待しているので、その強みを生かしながら積極的に研究を進めてもらいたいです。
石川
現在は、大学生男子陸上長距離選手における夏季と冬季のビタミンD栄養状態について研究を行っています。ビタミンDは、食べ物から摂取するだけでなく、紫外線により皮膚でも生成されるため、日照時間が短くなる冬季は栄養状態が低下するといわれています。しかし、冬季でも屋外での活動時間が長い陸上選手において、ビタミンD栄養状態に季節変動があるかを研究し、実証につなげたいと考えています。
上西
心身ともにタフな石川さんは、研究に対する意欲があるので伸びしろが大きいと期待しています。
石川
将来はスポーツ選手の栄養サポートに携わりたいです。選手に必要とされる栄養指導ができるよう、エビデンスのある栄養管理とともに、おいしい料理をつくる調理技術も磨いていきたいです。