令和2年度 食文化栄養学実習

平野覚堂ゼミ■ビジュアル・コミュニケーション研究室

日常でヒニチジョウ
─「アリエナイ」を愉しむお菓子やパッケージの制作─

 日常に(意図的に)潜ませる非日常を題材に、日々の生活からは想像もできない不思議な物語を纏った、目と心と舌で堪能するお菓子やパッケージを制作する。そして、お菓子のもつ柔軟性を活かし、心躍る作品づくりを目指す。
 非日常がもつ魅力はなんといっても、世俗を離れた、ファンタジックな世界観だ。それに欠かせないのは、想像力・妄想力といった遊びである。日常的にありふれた光景でも、普段とは違う発想を働かせれば、なんでもないような光景に物語性が帯びる。これは、千利休のエピソードにある、ストーリーによる価値の創出(身近にある、特に 価値あると思われないものに、改めて美と価値を見出すこと)と類似する。「普通ではありえないことがありえてしまった、という状況をつくり、そこから生まれたものの価値などを模索・創出する」。これが、私の研究目的である。
 中間発表は2作品ほど制作した。どちらも一風変わったお菓子にしか見えないが、物語を添えると途端に見方が変わり、特別感のある価値が生まれるようにしている。今後の展望としては、更なる『非日常の演出』に向けての作品づくりと共に、試作を重ね、制作・撮影技術の向上などを図る。

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