ゼミ別 発表要旨
*テーマ / サブテーマ
【カテゴリー】
発表要旨
浅尾 貴子ゼミ
シチリアのおいしさをもっと日本の食卓に! / ~オリーブオイル事典とシンプルレシピの考案~
【8.商品開発 / 9.メニュー提案 / 10.食材の可能性】
シチリア産のオリーブオイルと食材の直輸入専門店「Cedric Casanova」で実習を行いました。オリーブオイルについて、その健康効果にも注目しながら、食に敏感な女性をターゲットにレシピや活用法の提案に取り組んできました。
〈目的〉
一般的に特定の食材の専門店は入りづらい、専門店で取り扱うオリーブオイルはスーパー等で購入できるものに比べ価格が高いということから、レシピの提案を通して商品の販売促進につなげていくことを目的としました。
近年、家庭用オリーブオイルは市場規模が拡大し、ひとつの調味料として日本の食卓に定着してきています。毎日の食事に取り入れやすいように「シンプル」をキーワードにし、簡単で個性豊かなオリーブオイルの味わいを楽しめるレシピになるよう意識しました。
〈レシピ提案について〉
これまで提案してきたレシピには実習先店舗での一日限定イベントを行うことで実際に食べていただけるものと、レシピ集としてまとめるため写真と文章のみでしか伝えられないものの2つのパターンがありました。ひとつの食材をメインにした提案をそれぞれ取り組んだことで、伝え方や魅せ方のポイントに違いがあることを学びました。
店では主な来店客層が食に興味・関心の強い女性であったことから、美容の要素のある食材と掛け合わせたレシピを作成することで女性に喜ばれるポイント作りをしました。接客を通して直接食材の魅力を伝えられるという点が大きな強みであると感じました。しかしイベントの発信手段が限られていることと、来客数が伸びず食べていただけるお客様が少ないという苦労がありました。販売促進のためには料理や食材の認知だけではなく、お店やブランドそのものの認知も大きな役割を果たすと感じました。
レシピ集はSNSでの配信や冊子の配布を前提としています。そのため多くの人の目に留まるような華やかさと作ってみたいと思えるシンプルさが必要だと考え、食材の色合いによる見栄えの良さと調理工程の単純化を追求しました。家と外の食事の違いを考察するために、外食・中食を問わず様々なお店で市場調査をしました。
”映える”ファッションドリンクをクリエイト! / コーヒー飲用機会を増やす企画手法とメニュー開発
【7.お店の企画・運営 / 8.商品開発 / 9.メニュー提案】
ネスレ日本の商品であるコーヒーマシンおよびカプセルを使用したアレンジドリンクを開発し、大学内でカフェ運営をしています。
《目的》
コーヒー飲用率の低い私たち世代の飲用機会を増やすための取り組みです。オリジナルドリンクの開発はもちろんのこと、持っていて気分が上がるようなカップデザイン、フォトスポットの作成など、ファッションドリンクとしてコーヒーのおいしさや魅力を伝えていきます。
《月別カフェメニュー》
【6月】抹茶×エスプレッソ【7月】バナナ豆腐×エスプレッソ【8月】黒糖タピオカラテ
【10月】チーズ×アメリカーノ【11月】チャイラテ
《まとめ》
若者世代は、”映える“ものに惹かれ、それが購買意欲に繋がる傾向があります。私も、コーヒー飲用機会を増やすための仕掛けとして、見た目にこだわりました。まず、スリーブデザインを2パターン作りました。立体感を出した羽つきの可愛いスリーブ、モノトーンで花をモチーフにした大人っぽい印象のスリーブです。そしてそれぞれのスリーブのテーマに沿い、ドリンクの盛り付けも工夫しました。前者は立体感を出し、ポップで可愛らしいもの、後者はブリスボールというギルトフリースイーツを使い、美や健康を意識しつつ写真にも映えるようなものです。これらの“映える”仕掛けはターゲットである若者世代に対する商品開発の工夫の一つです。アンケート結果では、カフェを利用してコーヒーの印象が良くなったという回答が見受けられ、コーヒーの魅力を伝えられていることが分かりました。
オープンキャンパスでの営業では、高校生を主なターゲットとしたメニューを考案したり、季節に合わせたメニューを考案したりと、状況に応じた開発を行ってきました。コーヒーに合う素材選びをするのは難しく思うこともありますが、新しい発見もあり充実した研究内容だと感じています。それと同時に、いかに効率よくカフェを運営することが重要かを知りました。授業の合間に来てくださる学生や先生方に向け、スムーズな商品提供を行うための作業工程、提供方法の改善を繰り返し、よりよいカフェ運営を行うための試行錯誤も勉強になりました。
おとうふ市場活性化への挑戦 / ~外食とメーカーの商品開発の違い~
【8.商品開発 / 10.食材の可能性 / 17.健康・美容】
ゼミの活動前半は外食企業へのメニュー提案と、後半には食品メーカー企業への商品・レシピ提案を担当し、外食とメーカーという全く異なる食企業の開発の流れや求められるものの違いを調査しました。
外食では華やかさやワクワクする演出、メーカーでは豆腐の品質と消費の促進に繋がる試したくなるような手軽さが重要になることが分かりました。
◇外食メニュー開発について
ゼミでの活動前期は、エンターテインメントを理念とする外食企業”ダイヤモンドダイニング”の「ヴァンパイアカフェ」で、吸血鬼の館に彼らの食糧となる女性達を招待しもてなすというコンセプトのもと、店舗業務に携わりながらメニュー開発をおこないました。こちらの店舗では、以下の3点が特徴として挙げられます。
“看板メニューやコンセプトがある”“ある程度の人気店”“利益もしっかりとれている”
そのため、コンセプト付与のさせ方を文献による「吸血鬼」の調査研究などで学び、新しい価値となり得る「美しい血液づくりのための鉄分などの栄養素」をコラボさせ、企画をおこないました。春のフェアではこれらの要素を持たせたパスタをメニュー化し、販売しました。
◇食品メーカーのレシピ&商品開発について
ゼミの活動後期には食品メーカーへのレシピと商品開発の方法を学ぶため、波乗りジョニーなどの個性的なシリーズ豆腐でお馴染み”三和豆水庵株式会社”へ提案をおこないました。具体的には、豆腐を使用したレシピの提案と、工場で製造していただく商品の提案です。この食品メーカーでは以下の3点を改善するべく企画を提案しました。
“商品が飽和状態で価値提供が難しい”“価格が安いことが特徴”“需要がそれほどない”
この提案はお客様にお豆腐の新しい価値を提供すると共に、お豆腐市場の活性化も図る目的があります。そのため、お豆腐を購入したいと思わせたり、家庭での使用機会を増やしたりできるような提案を目指しました。市場の情報収集の一環として、栄大生への豆腐に関するアンケートを実施し、若い世代の豆腐に対するイメージを調査。これを踏まえ、異なるターゲットを複数選定し、全ての提案に豆腐から連想されやすい「健康」のイメージに+αとなる健康・美容的要素を付加させた企画を提案しました。
カフェで感じるAROMAの世界へようこそ / 香り訴求メニューの開発ポイント
【8.商品開発 / 10.食材の可能性 / 13.料理を伝えるカタチ】
カフェカンパニーグループが展開する「COOK COOP CAFEルミネ大宮店」で商品開発に取り組んでいます。店内のくつろぎ空間から食材の香りにフォーカスしメニューを開発しました。
▼表現の工夫
料理の香りを表現するために、香りをコンセプトとしたメニューを提供しているお店へ実際に足を運び、惹かれる理由について大きく3つのポイントが必要だと考察しました。
1.食器や販促物、調理法などに香りを閉じ込める工夫がある。
2.食材とスパイス・ハーブを組み合わせ、香りを引き出す。
3.メニュー名に季節を代表する食材や○○香るなどの記載がある。
▼開発について
会社の仕事として売上に貢献することも大切なことです。その為に実習前に店舗に来店し、お客様目線で感じる店舗課題と理想を考え、具体的ターゲットとコンセプトを設定しました。また、企画商品の売れる根拠として近年の食をとりまく環境分析や市場調査を行います。そのうえで企画商品の試作をゼミ内で何度も繰り返し、意見交換をしながら商品をブラッシュアップしていきます。苦労してきた商品だからこそ、本社でプレゼンを行う際堂々と自分の企画商品を提案することにつながるのです。また、開発する際には店舗のキッチンスペース、調理人数、食材、原価等を考慮しながら開発しなければなりません。そのためにも実際に店舗のスタッフとして1年間業務を学び、スタッフとしてキッチンに立ち、得るヒントもありました。誰が作っても同じ仕上がりになるように簡略的な調理工程や導線など、店舗スタッフとのコミュニケーションが何よりも重要だと気付きました。
▼まとめ
実際に商品開発を行い商品と家庭料理の違いについて想像以上に苦労しました。実習を通し差別化するためには、使用食材の意外な組み合わせや、盛り付けの工夫、出来立て感を演出することでお金を頂く価値を生み出すことが大切だと気付きました。視野を広げるため積極的に市場調査に行き、世の中のトレンドや食材の組み合わせなど商品のヒントを得る努力をし続けました。発表では香り訴求メニューの開発の流れ、販売実績、苦労した点などをお話します。
マクロビオティックプレートで満足ランチ♪ / ~健康と美味しさをかなえたレシピづくりの方法~
【7.お店の企画・運営 / 8.商品開発 / 17.健康・美容】
学内でマクロビオティックメニューのカフェ運営を行っています。近年、健康志向やトレンドとして、菜食スタイルは人気があります。日本発祥の食事法ということに興味を持ったのがきっかけで、調べ進めるうちに自分でも作ってみたいと考えるようになりました。
<マクロビオティックとは>
MACRO(長い、大きい)BIO(生命)TIQUE(術、学)が語源で「長く生きる方法」を意味します。これには、「身土不二」(その土地の季節に合ったものを食べること)「一物全体」(一つのものを丸ごと食べること)「陰陽調和」(陰性の食、陽性の食に偏った食にならないようにする)の3つの大切にしている考え方があります。
<メニュー提供までの流れ>
まずマクロビや自然食を中心に市場調査へ行きました。ワンプレートが多い、素材は野菜、豆腐、大豆たんぱくが中心、鮮やかな野菜を使用、デザート類も果物や野菜を活用していることが分かりました。メイン食材を決め、味付けや彩りのバランスを考えながら提供するメニューの試作を行い、先生やゼミ生からのアドバイスをもとに改良しました。
<学内カフェ運営>
店名は「NatureCafe」でコンセプトは“マクロビで心と身体を喜ばせよう♪“です。Nature(ナチュール)は自然を意味します。季節の食材と自然派の食材を使ったワンプレートで、いつもとちょっと違った食事を楽しんでいただく場を作りました。内装はシンプルにしつつ、季節感を出すために花や小物で工夫をしました。マクロビの説明が書かれたpopやメニュー表の作成をしました。アンケートを実施した際には、マクロビに対するイメージ調査で美容や健康だと思う人が多いが、実際にマクロビを理解している人はあまりいなく、調理がしにくいと思っている人が多かったです。例えば調理では動物性食品が使えないので、大豆たんぱく、豆腐、麩で代用しました。アンケート結果を元にマクロビにもつイメージをまとめたいと考えています。制約がある中でのレシピ作成の難しさや、作業工程を工夫することが大事だと感じました。レシピが知りたいと声をいただいてきたので、提供したものをレシピ集にまとめて配布したいと考えています。
マツクラの知らないメニュー開発の世界 / ~外食企業で商品化することの難しさとは何か?~
【8.商品開発 / 9.メニュー提案】
外食企業の商品開発部での仕事に参加しながら、メニュー開発に取り組みました。
「フォルクス」はサラダバーやブレッドバーを取り入れているファミリーステーキレストラン、「とんでん」は北海道発祥の和食レストランで、こだわり抜いた食材を使用したメニューや三世代をターゲットとした店舗作りが特徴です。
今回はこの業態の違う二つの企業の商品開発を経験し、仕事の進め方の違いやそれぞれの開発の難しさをまとめました。
〇メニュー開発について〇
流れとして、まず店舗の様子やお客様を観察し何が足りないのか、どんなメニューがお客様にとって喜ばれ、将来的に会社全体に喜ばれるメニューなのか考えます。その中で課題と理想、具体的なターゲットとコンセプトを決定します。平行してライバル店や他の人気ステーキハウス、和食レストランに足を運び、実際のメニューや店の雰囲気、お客様の様子などを見て取り入れることができる部分を必死に探しました。それらをもとに商品提案を行い、テストキッチンで試作を繰り返し行い商品をより良い物に仕上げます。自分の感覚のみではなく、商品開発部の皆様やゼミ生にも多くの意見をいただきながら理想の商品へと仕上げていきます。
○難しかったこと○
開発はお客様にとって一番喜ばれるメニューであるべきです。ですが、実際には難しいのだと知ることができました。例えば使用する食材の原価の制約、店舗作業、器具、衛生面などの要因が挙げられます。更には、会社の経営方針の変更によって、目標や方向性が変更になることもありました。また、企業ごとに性質も異なる上、過去の経験や、現在の業績に左右されることもあります。商品化できるメニューの幅は、タイミングにより、課題や制約が変化することで異なってくることも実感しました。
私が実際に商品開発部の中で活動を行ったからこそ分かった、新メニュー開発までの過程の難しさ。そして実際に考えなければならない細やかな仕事などをまとめてお話します。
レトロ可愛い!新フルーツパーラーへようこそ! / ~メニュー開発の実際と果物調理のコツ~
【8.商品開発 / 10.食材の可能性 / 17.健康・美容】
新宿マルイ本館にある「フタバフルーツパーラー」にてメニュー開発を行っています。美容・ファッション系フロアの一角に店舗があることから、流行に敏感な20代女性をターゲットとしました。そこで美容効果のあるフルーツをお食事に取り入れたメニューを開発しようと考えました。
▼開発メニューについて
私が担当する店舗ではグルテンフリー(小麦不使用)やヴィーガン(動物性食材不使用)のメニューがあり、それを目的に多くの人が来店するので、メニュー開発の際のポイントにしました。勉強のために行く市場調査でもそれらをテーマにしたカフェが増えていることを実感しました。また店舗で働きながら、旬のフルーツを好む女性が多いことも改めて痛感しました。フルーツをスイーツや食事に取り入れ、意外性のあるメニューでもっと楽しんでもらいたいと考えました。夏にはオレンジとグレープフルーツを使用した「シトラスとシーフードの特製パエリア」、秋には「いちじくのオムライス」を考案しました。
▼苦労したこと
フルーツとごはんという組み合わせや、温かいフルーツに抵抗がある方もいます。見た目、味からもフルーツを魅せることに苦労しました。またメニュー名も味の想像がつきやすく、珍しいわくわくするようなメニュー開発を心がけました。メニューを作っていく中で、フルーツは価格の高いものが多く、プレート全体の原価を抑えつつも、特別感のあるデリや味のバランスを整えるのは難しい点でした。夏メニュー以降は店舗で一緒に働くキッチンスタッフにも作業工程の相談や、こんなものを食べてみたいなどの意見を聞き、取り入れていくようにしました。ホールで働くスタッフはお客様からの「おいしかった」や、感想を私に伝えてくれ開発の励みになりました。
発表では開発の流れや、フルーツ料理の調理法の工夫、グルテンフリー・健康メニュー開発のポイント、実際に開発をすることの大変さ、販売実績などをまとめてお話したいと思います。
河越抹茶の限定カフェメニューを開発する! / 企画書作成や料理考案で求められるポイントは何か
【8.商品開発 / 9.メニュー提案 / 17.健康・美容】
「WIRED KITCHEN 川越アトレマルヒロ店」でメニュー開発を行っています。「ここでしか食べられない」をテーマに川越の特産物、河越抹茶を使用したメニュー開発に取り組んでいます。
<企画書について> 企画を考えるためにまず店舗を訪れ、客層の把握・現在のメニューの課題抽出を行いました。その結果、川越店らしい限定メニューがないこと、健康感のあるメニューがないことが課題だと感じ、地元素材を使用し、ビタミン・ミネラルを強化したメニューを理想の形として企画の軸を定めました。その後、地元素材の調査、日本人の栄養摂取状況の分析、ターゲット設定等を行い、企画を詰めてから、商品案を考え始めました。
<料理考案のポイント>
1.市場調査 料理考案をしていく上で1番行うのが市場調査です。同じ素材を使用したメニューや類似のメニューを探し、他店ではどのような形で提供をしているのか調査し、良い点を参考にして自分の提案に活かします。
2.付加価値を付ける 他店と同じにならないよう、この店舗だけのオリジナル要素を取り入れます。また、ターゲットのニーズを考え価値を提供することが大切です。私は店舗の主客層である40~30代の女性をターゲットに設定し、不足しがちなビタミン・ミネラルの強化に取り組みました。
3.作業工程の想定 最初に取り組んだ春メニューの時は、カフェの業務について理解できておらず、ただ提供したい料理を考えていました。結果、仕込みや調理手順が手間のかかるメニューとなり、店舗に負担をかけてしまいました。そのため夏以降は店舗での作業工程の限界を考え、料理考案に取り組みました。
<難しかったこと> テーマの1つである河越抹茶のアレンジに毎回行き詰まりました。色合いを生かせば毒々しくなり、淡くすれば目立たず、加熱すれば変色してしまいます。市場調査を行って調理の工夫を調べたり、デザートのソースに使ったり、パン粉と合わせて焼くことで困難さを乗り切りました。
発表では、4 seasonsの企画書作成から販売までの過程、その中でのポイント、 苦労した点について経験をもとにお話しします。
お肉でキレイに!女子のビューティーランチとは / ─美容を意識したカフェメニュー開発の方法─
【8.商品開発 / 17.健康・美容】
株式会社ダイヤモンドダイニングが運営するカフェ業態の「CAFE NOISE」にてランチメニューの商品開発を行いました。
■目的■
店舗は池袋サンシャインシティの中にあるため、近隣の会社員や買い物客など終日多くのお客さんが来店する立地です。今回は「女性客」にフォーカスを当て、女性が求めるランチメニューの要素を市場調査や環境分析、試作をし、実際の販売までの流れをまとめることを目的とします。
■概要■
店舗のランチタイムでは肉料理が人気です。種類によって、たんぱく質、鉄、ビタミンB群、L-カルニチンなどが含まれており、女性に必要であったり、好まれる要素があります。副菜などでも健康・美容要素を入れ、季節の素材を添えたランチメニューを、春夏秋冬で4パターン販売することができました。
■工夫・苦労した点■
どのようにボリューム感のある肉料理で女性向けの要素を取り入れるか、女性が頼みたくなるランチメニューとは何か、このテーマでメニュー開発するにあたりたくさん考えました。また、肉は魚と違って旬がないことから季節感をどのように出すか、プレート全体としての見た目、味のバランスを考えることといったお客様目線からと、一番美味しい状態で提供するための料理工程や仕込み準備のしやすさといったキッチンスタッフ目線の両方のことを考えて提案することの難しさもありました。
■まとめ■
一つのメニューを商品開発するにあたり、プレゼンするまでに何度も何度も企画書を作り直しました。また、ランチでは日常的に使われる空間だからこそ、どのように家庭料理と差別化して外食メニューとしての商品価値を提供するべきなのかも悩みました。週一のゼミの時間だけでなく、実際に店舗のキッチンでインターンアルバイトをして学んだこともたくさんありました。一年間で学んだ商品開発の実際についてお話します!
磯田 厚子ゼミ
世界に感動を / 「おもてなし」の意義に迫る
【14.食と空間・食シーン / 18.人間・生活・環境】
【目的】
先祖代々受け継がれる文化である「おもてなし」の本来の意味を明らかにする。また、人が心地よいと思う「おもてなし」のための条件をフィールドワークから理解するとともに、そこから見えた自分なりの感じたことを伝える。
【実習内容および実習方法】
1.「おもてなし」とは:「おもてなし」は表裏のない心でお客様をもてなし、相手を喜ばせると同時に自らの喜びとなる両者平等の関係を意味する。似ている言葉としてサービスが存在するが、サービスはお客様が主人であり、サービスの提供者はお客様に仕える上下関係が発生する為「おもてなし」とは違う行為を意味する。
2.文化的背景:「おもてなし」の根幹にある相手のことを想うという特徴は、宗教的背景があると考えられる。神道の目に見えない神にモノを捧げる「神祭」の行為。自分よりも相手を優先するなどの思いやりは仏教の「無財の七施」。また、「礼の文化」は「儒教」から来ている。これら3教の融合からこそ日本独自の文化であり、和やかな空間も生まれるとわかる。
3.世界からの評価:世界から日本の「おもてなし」の評価を見るため、航空会社の評価を調べた。日本は世界からも好評だが、より認めてもらう為には、更なるスキルが必要だ。
4.「おもてなし」の体験:フィールドワークとして客室乗務員の仕事体験をした。エコノミークラス、ビジネスクラス、ファーストクラスと3クラスのサービス経験を通し、食器類や食材、座席の幅などの違いはあるが、常にお客様に快適な時間を過ごしてもらえるような空間作り、例えば、お客様との何気ない会話から目的地のお勧めの場所を提案するなど、コミュニケーションを通して、お客様との時間をかけがえのないものにしていると学んだ。
5.日本と外国の違い:心地よい「おもてなし」と感じる要素の違いについてアンケート調査を行った。調査をまとめ、日本の「おもてなし」を更に良くするための条件を提案する。
【まとめ】:「おもてなし」は受ける側、提供する側共に、人の心を和やかにするコミュニケーションの1つとも言えるだろう。これからロボットが活躍する時代が来るかもしれないが、人の心を豊かにするのはロボットにはできない人の行動や思いやりの心だと感じる。
ヒュッゲな暮らし / ~世界一幸せな国、デンマークから~
【5.情報発信と表現 / 18.人間・生活・環境】
【目的】
世界一幸せな国といわれるデンマークの「ヒュッゲ(HYGGE)」は居心地のよい雰囲気や空間を表す言葉だ。日本は比較的モノの豊かさを生活の豊かさと捉えることが多いと感じる。ヒュッゲを通して本当の豊かさや幸せについて自分なりに考え、日本でできることを提案する。
【実習内容】
1.デンマークについて:北欧のひとつであり、人口は約560万人だ。童話作家アンデルセンのゆかりの地で、コペンハーゲン市内の海辺には「人魚姫の像」が有名観光スポットとして存在している。国連が2012年から毎年行う「世界幸福度調査」では常に上位に入り、注目されている。消費税率は25%と高いが、社会保障制度が整っており、教育費や出産費は無料である。
2.ヒュッゲとは:デンマーク語で「居心地のよい雰囲気」を指す。何か存在する「モノ」ではなく「キャンドルのそばでココアを飲む」などその場の雰囲気や経験を表す言葉だ。デンマークは夜が長く寒さが厳しい土地であることから「家の中でお金をかけずに、誰かと一緒に過ごすことで幸せを感じる方法を育てたのではないか」と考えられる。
3.衣食住とヒュッゲ:「カジュアルでシンプルで機能的」なものを身に着ける。凝ったものではなく、愛情がこもっているものを食べる。生活する上ではキャンドルなどの照明が大事な役割を担う。デンマーク人にとって、家が一番ヒュッゲな場所である。
4.日本のヒュッゲ:キャンドルを取り入れると簡単にヒュッゲを感じることができるが、照明も重要である。蛍光灯の明るい光ではなく、薄暗い照明は目を休めたり、リラックス効果があったりする。日本ならではのヒュッゲとしてはすき焼きを代表する鍋、銭湯や温泉、桜の木の下でのお花見などがあると考えた。
【まとめ】
実は、日本でも感じられるヒュッゲはたくさんある。忙しい毎日の中で、ちょっとした気づきを大切にしたり、少し時間をとって自分が「心地いい」と思うことを取り入れたりすると暮らしを丁寧に、より充実したものにできると思う。
イスラム教を知る / ~助け合いと平和の宗教~
【5.情報発信と表現 / 18.人間・生活・環境】
【目 的】
世界には様々な宗教があり、多くの国で宗教人口は約9割を占めます。一方、日本では約3-4割で、多くが無宗教と答えるなど、世界的に例外的な国の一つです。宗教への馴染みのなさに加えて、イスラム国(IS)による殺戮ニュースで、宗教全体、特にイスラム教への拒否感があると思います。
しかしイスラム教は、仏教、キリスト教に並ぶ世界三大宗教のひとつであり、歴史ある多くの信者のいる宗教です。本来のイスラム教を理解するとともに、イスラム教教徒(ムスリム)の考え方などについて伝えることを目的とします。
【実習内容・分かったこと】
1.世界のイスラム教人口;三大宗教のうち、キリスト教徒は31%、イスラム教徒は23%で、今後50年で逆転すると言われます。地域構成ではアジアが6割で、中東、アフリカ地域は合わせて約2割です。日本には約10~20万人、日本人だけでも1~2万人おり、意外にも身近です。教義には、相互扶助や喜捨の教え、平和への希求があり人間的な宗教だと思います。
2.女子栄養大学生のイスラム教に対する認知度・考え方;アンケートの結果、栄大生では60%以上が宗教に関心がないこと、イスラム教が怖いと思う人が55%おり、多くがマスメディアから影響を受けたと回答しました。一方、イスラム教の良さをあげられる人は殆どいませんでした。外国人の回答と大きな違いがあります。
3.日本の中のイスラム教とムスリムの生活;モスクは日本全国に約80か所あり、中でも東京ジャーミイは日本最大で一度に1200人が礼拝できます。礼拝堂も息をのむほど美しく、だれでもイスラム教に関する講義や言語講座を受けられます。
ムスリムに不可欠なハラール肉を屠殺処理できるのは、日本で3カ所だけです。在住のイスラム教徒がイスラム法に則り屠殺し販売していて、視察とインタビューを行いました。
4.イスラム教に関する講義;正しく理解してもらい、マイナスイメージを払拭するための講義を学生を対象に行いました。
【まとめ】ISなどは一部の急進的な一派であり、大半のムスリムはテロに反対しています。本来のイスラムを発信することで、偏見のない世の中を少しでも広げたいと思います。
新しい米の形 / ベトナム米料理を一般家庭で
【2.世界の食 / 9.メニュー提案 / 10.食材の可能性】
【目 的】
ベトナムでは日本同様に米が主食であり、米を加工した料理も豊富である。今回は一般家庭でも作れるようにアレンジしたベトナム米料理を提案する。
【実習内容と方法】
1.ベトナム料理の基本:ベトナム料理は素材の味を大切にしており、調味料もシンプルである。また、料理を作る際、五味(=素材や調味料の五つの味)・五彩(=料理の素材の五色)・二香(=素材が作る二つの香)を大切にする。地域によって素材や味付けは異なるが、全てのベトナム料理がこれに当てはまることが理想だという。素材の味を最大限に生かして調理する点は日本同様であることが分かった。
2.多彩な米料理:ベトナムにはアンコム(=an com)という言葉があり、白いごはん中心の食事という意味を持つ。白いご飯だけでなく、麺料理、生春巻きやおこわ、白玉の入ったデザートのチェーなど米料理の種類は様々であり、米が食事の中で多彩に活かされている。
3.ベトナム料理店調査と料理教室参加から:10店舗以上のベトナム料理屋に行き、米料理の市場調査を行った。また、ベトナム料理教室に行き、料理の基本や調理法を学んだ。米を使用したベトナム料理といえば日本ではフォーをメインとしたベトナム料理屋が多いが、現地では外食向けで手間もかかるため、家庭ではあまり作らないそうだ。また、ベトナムは中国からの影響で点心のような軽食があり、その中には米を使用して作られるものがある。米は主食以外にも現地では軽食やデザートとして食べられており、使い道は様々であることが分かった。
4.ベトナム料理の試作・紹介:家庭でも作れるように、日本の米や米粉を使ってアレンジしたベトナムの米料理を提案する。
【まとめ】:米は炊く以外にも用途は様々で、米料理の視野を広げることができた。ぜひこれをきっかけにベトナム料理を食べて、日本の米とベトナムで使用される米の味や風味の違い、食文化の違いを知ってもらうきっかけになってほしい。
もしも女子大生がマイナー市をPRするとしたら / ~宮城県白石市の地域振興~
【4.地域振興 / 5.情報発信と表現 / 13.料理を伝えるカタチ】
私の出身地でもある宮城県白石市は福島県の県境に位置し、蔵王がある自然豊かな土地です。2011年に発生した東日本大震災により観光客は減少してしまい、現在もまだ完全には回復していません。白石市の魅力をもっと多くの人に知ってもらいたいと考えました。
目的
地域活性化と観光について基礎理解を深め、白石市での観光の現状を把握することと、その課題を検討し、解決策の一つとしてPR方法を考えることです。
実習内容・分かったこと
1)白石市の体験型観光を実際に体験する
過疎化しつつある地域において、外部から人を呼び消費を促す観光業は地域振興に有効であるといわれます。観光業形態の中でも、自分で体験することでより印象に残るとされる体験型観光が注目されています。白石市でもいくつもの体験型観光が存在していることが分かり、実際に体験しました。課題として、若者の参加が少ないことやイベント発信が届いていないなどの課題点が見つかりました。また白石市の魅力の一つである料理の体験型観光は行われておらず、観光としての料理教室ができないかと検討しました。しかし実際に行うことの大変さや場所の確保など簡単なことではないということが分かりました。
2)より多くの人に白石市を分かりやすく知ってもらうためにPR動画を作る
そこでより多くの人に白石市を簡単に知ってもらう方法はないか考え、PR動画を作成することにしました。PR動画は現在SNSが発達している現代において重要になっています。白石市には四季折々の豊かな自然、きれいな景色が豊富にありますが、それだけではなく、住んでいる人たちの温かさなどの隠れた魅力があるということを伝えます。特に若い女性をターゲットとして、短い時間で分かりやすく、白石市に行きたい!と思ってもらえるように構成を考えました。
まとめ・12月の発表
12月の発表では実際にPR動画を現地で作り上映します。PR動画を作るためにどのような工夫をしたのかや、白石市の魅力は何なのかに迫ります!
オリンピックと食 / 日本の食文化発信の可能性から考える選手村の食事
【1.日本の食 / 3.食の歴史をひもとく】
【目的】 オリンピックという国際的なスポーツの祭典でどのような食事が提供されるのか、考えたことはありますか?今までのオリンピックを調べて仕組みを把握するとともに、2020年を、日本の食文化発信の絶好の機会とし、改めて日本の食文化を見つめ直そうと考えました。無形文化遺産の和食、歴史ある郷土料理、伝えるべき日本らしさとは何かを紹介します。
【方法】 文献調査、また、本学記念展示室での1964年の東京オリンピックに関する展示の準備の手伝いを行いました。
【実習内容】 (1)近年行われたオリンピック:リオデジャネイロ大会、平昌大会を主に調べました。様々な国、様々な競技の人が集まる選手村での食事は、セルフサービスのビュッフェスタイルで食事が提供されます。また開催国は自国の特産品や、郷土料理も提供しています。
(2)過去に日本で行われたオリンピック:過去に3回開催されたなかで、1964年東京大会に注目しました。記念展示室での展示準備の手伝いや本学出版の雑誌「栄養と料理」を調べたところ、当時提供されるメニューの材料の98%が国産品で、そのほとんどが長野県産とあります。日本は開催国として、食文化のアピールをしています。
(3)宗教への対応:多国籍の人が集まるということは宗派も様々ということになります。宗教によっては禁忌なものもあり、その対応が開催国には求められることになります。特にイスラム教に注目し、これからのオリンピックにむけてハラルフードについて調べ、実際に日本にあるハラルフードレストランにも足を運びました。
(4)日本らしい料理:2020年の東京大会も、日本の食文化や歴史を大いに伝える機会です。オリンピックに相応しい「日本らしさ」について考えました。無形文化遺産に登録された「和食」、古くから各地に伝わる「郷土料理」。日本では外来したもの以外に沢山の料理があります。その特徴を改めて考え、2020年に向けて、発信すべき食文化の提案を行います。
【まとめ】 オリンピックでは、選手が最大のパフォーマンスをできるよう、ビュッフェスタイルを取り入れ、競技により異なる栄養管理を可能にしました。また開催国には、食文化発信の場として、多くの料理を提供することができます。2020年にオリンピックが開催されるこの貴重な機会に、日本の食文化を再認識するきっかけになれば、と思います。
タピオカパール / 国民的ドリンクの誕生と今後の可能性
【2.世界の食 / 16.食とエピソード】
【目的】
台湾で生まれたタピオカミルクティーは、今では日本をはじめ多くの国々でも飲まれている。台湾紅茶の歴史とタピオカパールについて研究し、今後のタピオカドリンクの可能性について追及することを目的とした。
【実習内容】
1.台湾紅茶の誕生:1896年、印度風紅茶等の試験を行い始めたのが台湾紅茶の始まり。その後、 茶業試験場(現:茶業改良場)を設立し研究を開始。1926年には、台湾総督府がインドからアッサム種の種を取り寄せ植樹し、本格的に紅茶の生産が始まる。
2.台湾紅茶の父:新井耕吉郎さんは、大学を卒業後、志願兵として軍隊に所属し、除隊後、台湾へ渡った。台湾総督府中央研究所平鎮茶業試験支所に勤務したのち、魚池紅茶試験支所(現:茶業改良所魚池分場)を開設し、紅茶の栽培や研究を行った。戦争が終結した後も家族を日本へ帰し、自分は台湾へ残り、研究を進めた。現在でも、現地の人々の尊敬を集めており、試験場には記念碑が飾られている。
3.タピオカミルクティーの誕生:タピオカミルクティー発祥には2つの説があり、春水堂と翰林茶館である。お互いが発祥を自店だと主張し、裁判にまでなったが、どちらも商標をとっていなかったため決着はつかなかった。
4.タピオカとは:タピオカはキャッサバという芋の根茎から製造されるデンプンを水で溶いて加熱し、粒状に加工することでタピオカパールと呼ばれるものができる。これをタピオカまたはパールと呼ぶ。
5.新しいタピオカのかたち:ミルクティーなどのドリンクにタピオカを入れるだけでなく、台湾ではかき氷や台湾スイーツの豆花の具としても使用される。黒糖タピオカミルクという新しいドリンクも誕生している。一方、プラスチック海洋汚染への対応が求められている。
【まとめ】
台湾紅茶の誕生には日本人が深く関わっていた。日本でも大人気のタピオカは、今後も様々なかたちで人々に食されていくのだろう。
トルコ料理を発信! / アジアとヨーロッパをつなぐ国の食とは
【2.世界の食 / 3.食の歴史をひもとく / 13.料理を伝えるカタチ】
〇目的
トルコ料理には、日本人があまり味わったことのない不思議なおいしさがあります。しかし、まだまだ日本人にはなじみが薄いのが現実です。そこで、あまり知られていないトルコ料理の魅力を、より多くの人に発信し、もっと身近なものにすることを目的としました。
〇方法
文献調査によりトルコ料理が形作られた歴史を探りました。また、トルコ料理店訪問や料理教室参加を行い、様々な料理を実地に学び、その魅力を一つの冊子にまとめました。
〇実習内容・わかったこと
1)トルコ料理の歴史:アジア圏、イスラム圏、地中海沿岸地域の3つの源流があります。そこから東西融合の食文化であることがうかがえます。また、料理が最も成熟したのは、トルコ共和国以前のオスマン帝国時代(14~20世紀)でした。宮廷の台所では純良な食材から料理が作られ、その影響から贅沢に洗練されたものに「御殿風」の名がつけられるようになりました。
2)他国の料理への影響:トルコ料理は、周辺民族の料理からの影響を受けていますが、反対にピザやピラフの原型になるなど、他国の料理にも広く影響を与えています。
3)何味なの?:基本の味付けはトマト、バター、ヨーグルトが用いられ、じっくり焼いた肉には塩、こしょうが中心です。シンプルな調味料で素材の味を活かした料理が多い点は、日本食に似たものがあり、日本人の舌にも馴染みやすいと考えます。
4)紹介冊子の作成:読んだ人にトルコ料理を食べてみたいと思ってもらえる説明を考えました。材料や食べ方はもちろん、食シーンや日本食に例えると何にあたるかといった文章を添え、料理をイメージしやすいような工夫をしました。
〇 まとめ『素朴であるということ』
トルコ料理は、遊牧民の運んできた食材が今も日常の食卓にのぼり、同時に豪華な宮廷料理の伝統が現在に受け継がれています。華やかで多彩な食文化の正体は、実はシンプルな4つの味が決め手です。奇をてらわない素朴な味わいは、親しみやすく飽きることなく楽しめることがトルコ料理の一番の魅力だと考えます。料理教室や料理店にもぜひ行ってみてください。
衛藤 久美ゼミ
食×花 / ?花のある食事とテーブルコーディネート?
【5.情報発信と表現 / 9.メニュー提案 / 14.食と空間・食シーン】
◆動機・目的
私たちは日常的にブロッコリーなどを花と認識せずに食べている。一方最近は、SNSの普及により、見た目や写真映えが重視されるようになり、花を使った料理を目にする機会が増えてきた。
第1回発表会では、世界の花食文化、テーブルコーディネートに花を取り入れるポイント、市場調査結果について発表した。今回は、エディブルフラワーを使用した食事及び花を用いたテーブルコーディネートの提案と、それらをまとめた冊子の作成を目的に実習を行った。
◆実習内容
1. ターゲット及びコンセプト
エディブルフラワーはカフェで使われることが多いことから、ターゲットは、カフェをよく利用するが自分ではあまり料理をしない女性とした。調理が苦手な人でも、失敗しないで作ることができ、少しの工夫で食事を通して心にゆとりをもたらすことができるような提案をすることにした。
2. エディブルフラワーを使用した食事の考案
春夏秋冬の4つの食シーンごとに、1食のメニューを考案した。春は母の日を意識した朝食、夏は七夕をテーマとした昼食、秋はハロウィンをイメージした夕食、である。冬はクリスマスパーティーを想定し、ケータリング風のメニューとした。エディブルフラワーは1食につき、1~2品に使用した。メニューは、栄養価計算や試作を行い、改善を重ねた。
3. 花を用いたテーブルコーディネートの考案
テーブルには季節の花を飾り、季節感をだした。花は、入手しやすく安価なものを選択した。食器やカトラリーも、100円均一店等で購入できるものとした。
4. 冊子の構成
1シーンの全体写真を載せ、配膳の仕方がわかるようにした。料理ごとに、食材料、栄養価(エネルギー量、食塩相当量)、調理の目安時間、写真を多く取り入れた調理プロセスを掲載することにした。
以上の提案をまとめた冊子の内容を中心に、当日は発表する。
奥嶋 佐知子ゼミ
Cooking class for men / 調理器具で料理が変わる?!
【13.料理を伝えるカタチ / 14.食と空間・食シーン / 18.人間・生活・環境】
「フライパンで簡単にできる男料理が作りたい!」、「家に中華鍋も蒸し器もないなあ。」、「洗い物が増えると大変・・・。」など、これまでの男性料理教室を通して、調理器具に関する受講者のみなさんの様々な声を耳にしてきました。多くの受講者が、家庭にある調理器具で美味しく手軽に、また、洗い物が少ない調理を望んでいると感じました。
そこで、調理器具の特性に合った使用方法、調理器具の違いによる料理の仕上がりへの影響などを伝えるとともに、調理器具の代用方法や、洗い物が少なくなる料理提案も併せて行っていこうと考えました。
昨年12月から月に1度、ゼミ生2人で中高年男性を対象とした料理教室の運営をしてきました。毎月献立のテーマを決めたうえで、料理を通して調理器具について受講者に伝えることで、調理に不慣れな方でも、調理手順のイメージが膨らみ、また、調理のしやすい道具や加熱方法を知ることで、調理の楽しさを感じてもらうことを目的として活動してきました。
鍋類については、「パスタを茹でる鍋」や「洋食スープの鍋」選びのポイント、「中華鍋」を「フライパン」で代用する方法、「フライパン」1つで作れるお手軽料理などを伝えました。加熱方法については、「蒸し器」調理と「電子レンジ」調理の比較、「グリル」調理と「フライパン」調理の比較、「炊飯器」調理と「電子レンジ」調理の比較などを伝えました。
これまでいくつか料理を提案した中で、調理器具の違いによって料理の仕上がりが変わるもの、一方で、調理器具が変わっても見た目や味に変わりなくおいしく作れるものなど様々ありました。また、「フライパン1つで調理がしやすい!」、「家に中華鍋がなくても良いのか!」、「グリル調理すると野菜が甘くて美味しい!」、などの受講者のみなさんの声を通して、調理のしやすさや楽しさ、料理の美味しさを感じてもらえていることがわかりました。
・・・調理器具の選択によって男性は調理がしやすくなるのか?!調理器具が違うと料理の仕上がりは変わるのか?!ぜひ発表を聞きに来てください。お待ちしています。
Magical Cooking
【12.食育 / 13.料理を伝えるカタチ / 15.五感で楽しむ・五感で味わう】
●動機と目的●
料理教室の運営に興味があったこと、学園内留学制度の調理師科での学びの中で「切り方」に興味を持ったことから、小学生対象の料理教室で子供たちに切り方について伝えることをテーマに取り上げることに決めました。
料理教室に参加している子供を観察していると、「切り方の形がわからない子」「包丁を横にスライドさせたり押し付けたり使い方が危険である子」がいることに気が付き、切り方の名称と形の結びつきを図ることに焦点を当てることにしました。また、切る作業の中で包丁の基本的な扱い方、安全な使い方も伝えてきました。
料理教室を通して子供たちに料理の楽しさを伝え、料理に対する興味関心を高めたいと考えています。そして、家庭でも実践し、家族でよりおいしく楽しい食事をしてもらいたいと考えて活動してきました。
●実習内容●
月に2回、坂戸市内の小学生を対象とした料理教室の企画運営を行い、毎回日常でよく使う切り方を使った料理が含まれるように計画してきました。難易度の低い「輪切り」から取り入れ、回数を重ねるごとに「みじん切り」や野菜だけでなく「いわしの手開き」なども取り入れて実施し、切り方の指導を行うにあたり配布資料の作成を行いました。手順やポイントを写真付きで解説することで、子供たちが家庭で行う際に見直しができるよう工夫をしています。料理教室では、包丁の基本的な使い方を伝えるために最初に私が見本を見せ、その後子供たち全員に実践してもらう形で進め、子供たち一人一人と関わることで個人の技術に合わせた指導を行うことができると考えました。同時に、「お家でも切る練習している?」「上手に切れているね!」など声をかけながら行い、子供たちとコミュニケーションを取りながら指導を行ってきました。
配布資料を見て実際に家庭で行ってくれた子や「今日は何切るの?」と積極的な姿勢を見ると、料理に興味を持ってくれているのだなと感じることがあります。指導後に行ったアンケートの結果から料理教室に参加する中での子供たちの変化について発表しますので、ぜひ発表を見に来てください。
Cooking class for men / 食材のうま味を活かす!
【9.メニュー提案 / 10.食材の可能性 / 13.料理を伝えるカタチ】
●目的
中高年男性を対象とした料理教室を月1回運営していく中で、受講者は和食が好きな方が多いと知りましたが、家庭でだしをとっている方はほとんどいませんでした。そこで、だしのとり方を伝え、だしをとることで料理がさらに美味しくなることに気づいてもらうために、食材のうま味を活かした料理も紹介していき、料理をもっと楽しんでもらえるような料理教室を目指しました。
●実習内容
受講者は、料理教室に今年から参加した方や10年以上参加している方と経験の幅が広いため、基本的なだしの取り方をみそ汁やすまし汁などの料理で改めて伝え、かつお節や昆布以外にも、椎茸や貝類のだしを使った料理や食材のうま味を活かした料理を献立の中に取り入れました。初めは、和食を中心に紹介していましたが、バリエーションを増やすために洋食・中華料理でもうま味を活かした料理に挑戦してもらいました。夏には洋食献立を取り上げ、コーンスープで生のとうもろこしを使用した物と、缶詰のとうもろこしを使用した物を比べ味の違いを感じてもらいました。中華献立では肉団子と白菜のスープを作り、水からでもしっかり煮ることで食材のうま味が出ることに気づいてもらいました。レシピと一緒に配布する資料にはだしをとった後のだし殻を使用した料理の紹介、食材本来の味を楽しみながら美味しく減塩するコツなどを記載しています。レシピには男性でも作りやすいように調理のポイントを記載し、家庭で調理する際役に立てるように工夫しています。実際に「だしからとると美味しいね!」「生のとうもろこしで作った方が美味しい!」「肉団子と白菜のうま味で塩分が控えられたよ!」といった声を聞くことが出来ました。
発表会では、料理教室当日までの計画・準備の活動内容や教室の様子、受講者の方々が料理教室を通して、だしや食材のうま味の活用方法に興味を持っていただけたか、実際に家庭でも作ってくれたか、料理教室は楽しんでもらえたかなどを確認し発表します。ぜひ、聞きに来て下さい。
駒場 千佳子ゼミ
好吃小籠包(ハオチーシャオロンパオ)
【2.世界の食 / 9.メニュー提案】
私は中華の道を志すにあたり中華料理店でのアルバイトで出会った人や調理師科での学びを通して、四川料理や広東料理、北京料理、さらには焼き物やピンパン、薬膳などの独自の文化や調理法があることを知った。私は特に点心に惹かれ、数ある点心の中でも日本人に馴染みの深い小籠包にスポットを当てた。
「好吃小籠包(好吃=おいしい)」というテーマの通り、おいしい小籠包を作るために小籠包のおいしさを追及する。
○実習内容○
私は「好吃小籠包」というテーマで、小籠包の研究をしてきた。点心とは?から掘り下げて行き、小籠包のルーツや構造などの文献調査を行い、実際に食べ歩いて店舗調査をした。6月には1.2年生を対象とし、点心や小籠包の認知度、嗜好などをアンケート調査した。アンケートや店舗調査、台湾での調査から、小籠包の美味しさの定義や可能性を探求し、私なりの好吃小籠包を完成させ、オリジナルレシピの紹介をしていく。
台湾でのフィールドワーク:2018年3月と9月に小籠包で有名な台湾を訪門した。1度目は店舗調査を中心に行い、2度目は実際に現地で作り方を教わったり、現地人御用達の問屋や道具屋、本屋などを回り、オリジナルレシピ作成のための調査をしてきた。
小籠包のおいしさの定義:スープがたっぷりであることや、皮が薄いこと、餡が大きいこと、他にも風味の良い食材と合わせることが美味しさのカギとなる。
○まとめ○
小籠包のおいしさの定義は、餡が多いこと、スープがたっぷりなこと、皮が薄いこととした。そのために生地は餡を沢山詰め込める伸びやすくちぎれにくいものである必要があった。理想の生地を作るため、プロの点心師の方にレシピを教わったり、日本には点心の本が少ないので、台湾で本を収集したり、台湾の店舗で教わるなどしてレシピを集めた。
また、アンケートを通して、小籠包や点心はまだまだ知られていないと分かった。一方、家で作ってみたいという意見も多く、家で作れるレシピの考案も併せて行った。蒸籠(セイロ)がなく、豚の皮が手に入らなくても小籠包は家庭にあるものでできる、もっと身近なものになってくれると嬉しい。
高島 美和ゼミ
流行を弄する / 日本の食文化のリアル
【1.日本の食 / 3.食の歴史をひもとく / 18.人間・生活・環境】
歴代の流行を覚えているだろうか。日本に流行が誕生してから現在に至るまで、それは数えきれないほど生まれ、そして忘れられてきた。かつてのイタ飯、B級グルメ、ローカロリー食品のように規模の大きなものから、食べる牧場ミルク、タピオカドリンク、チーズハットグなどSNSを中心とした「島宇宙」型の流行と、種類は様々である。
食べるという行為は、本来、生きるための栄養をとることが目的である。しかし、生活が豊かになりあらゆるものの情報化が進むにつれ、食は娯楽的側面が強くなり、ついには流行まで誕生した。とりわけ、近年の食流行の移り変わりの速さには驚かされるばかりである。美味しさや栄養よりも「新しさ」が優先され、非常に短期間で流行り、そして廃れていく食べ物をファッションフードと呼ぶ。私は、このファッションフードの存在に疑問を感じ、研究を始めた。
本研究の目的は、流行の仕組みを知ることで人々に長く愛されるものとはどんなものなのか答えを出すこと、そして食を学ぶ人間として、日本のリアルな食の現状を知ることである。ファッションフードの誕生前と誕生後の現在の食文化を比較するため、前期は、流行論を学び、加えてかつて流行発信のメインメディアの1つであった雑誌に取り上げられている食べ物から当時の食文化を考察した。後期は、現代の食文化について研究を進めている。まず流行とファッションフードを定義し直した。雑誌調査と消費者論、流行論の先行研究から(1)現代の消費の傾向(2)なぜファッションフードはすぐ廃れるのか(3)SNSと食流行の関係について考察している。
近年、SNSが普及したことで誰しもが簡単に情報を発信できるようになった。かつてはテレビや雑誌などの大きなメディアが大衆へ向けて情報を発信していたが、今では個人がハッシュタグをつけることで同じような趣味をもつ人へ向けて情報を発信できる。その結果一部の集団で爆発的に広まる島宇宙的流行=ファッションフードがあちこちで誕生しているのだと考えた。新しさが最優先であるから、飽きたら次々と島宇宙を移動する。また、食の流行を語るうえで忘れてはいけないのが「写真映え」である。食品ロス等の問題で写真映えという流行に批判的な意見もあるが、それでは、なぜ私たちは写真映えする食べ物を求めるようになったのか―、日本のリアルな食文化を考えたい。
サスティナブルな食という選択肢 / これからの食文化を荷う私たちへ
【5.情報発信と表現 / 11.食の問題 / 18.人間・生活・環境】
食の大きな可能性を求めて「新しい食文化創造の模索」をテーマに様々な視点から日本の食の現状や時代に即した価値観を研究している。第一回の発表では食品ロスについて具体的なデータから問題解決には時代の変化によって食の外部化やライフスタイルの変化や食の形の多様化などで食に対する価値観が世代(年齢層)で異なるという事を示した。
そのため、問題解決(食品ロスだけに限らず)には世代別のアプローチが必要だと考える。
今後の食文化を形作ってゆく私たちと同じ年代を対象にどうしたら数多くある現状課題を克服し、二代も三代も先の世代へ持続可能で、新しい食文化を生み出せられるかを考えたいと思う。今回は、国内外でのフィールドワークも取り入れながら発表する。
●食と社会変化の中で生まれたフードムーブメント
健康志向な地域としても知られているアメリカ、ヨーロッパでありながら多国籍な人種や宗教が調和し合うイギリス、そして日本の三ヶ国のレストランを調査し、各国のフードムーブメントや活動について。
●サスティナブルな食とは
共通するキーワード「sustainable movement(持続可能な活動)」とはどういうことか。日本ではまだあまり馴染みのない言葉だが欧米諸国では一般的になりつつある活動であり、中でも食に関係するFood movement(フードムーブメント)は農業・食品会社・教育機関・公共機関など小さなグループ非営利団体や組織まで数多く様々な形態で存在し活動している。日本でのフードムーブメントや注目されているレストラン、今後の眺望も含めながら我々の消費行動について考える。
●サスティナブルな〇〇の裏側
持続可能であるべきという活動が起こった背景には欧米諸国や日本をはじめとする先進国と言われている国の現在の消費社会、消費活動が問題視されているからだ。グローバル化は世界中をつなぎ、世界が大きく広がったように感じる。しかし実際はどうか、食の視点からグローバル化の盲点を考える。
百貨店の催事
【5.情報発信と表現 / 18.人間・生活・環境】
百貨店の催事には、北海道展、全国うまいもの展、フランス展、バレンタインチョコレート展など、様々なものがある。私はこのような百貨店の催事の、限られた期間、特定のカテゴリを集めた限定的なところに魅力があると考える。そこで、この食文化栄養学実習で「百貨店の催事」をテーマにした。
この実習の目的は、オリジナルの百貨店の催事を考え、催事のフロアマップと紹介冊子を作成することだ。催事のテーマは「にほんのチーズ展」とし、日本全国の様々なチーズやチーズに関連する雑貨を取り扱い、イートインコーナーではチーズを使った料理を考案する。
まずは、百貨店の催事の歴史や変遷の調査を行った。日本で初めて行われた催事は、展覧会的要素を持つ文化催事であったが、商品の販売を通して文化を紹介する「物産催事」へと移り変わっていった。幅広い世代が共通して興味を持つ「食」に集客力があることから、現在もこのような物産催事が中心となっている。
次に、実際に訪れた伊勢丹新宿、小田急新宿、新宿タカシマヤの催事を比較した。どれも共通してソフトクリームなどの冷たいスイーツが定番商品となっており、見た目にインパクトのある肉を使った弁当やイートインメニューが目玉商品である。
そしてオリジナルの催事を企画し、そのテーマはチーズとする。チーズは料理からスイーツまで幅広く使われ、近年も若い世代を中心にチーズブームが起きている。また、従来の百貨店の客層は年齢層が高めだが、この層に加えて若い世代にも楽しんでもらえると考えた。以上のことを踏まえて、テーマを設定した。また、国内のチーズの消費量は、国産チーズよりも輸入チーズの方が圧倒的に多い。しかし、日本でも各地でチーズが生産されており、日本ならではの素材と組み合わせたものもある。これらを知ってもらうためにも、国産チーズだけを扱う「にほんのチーズ展」とし、一般的なチーズ店との差別化を図る。また、イートインメニューとして、「よもぎモッツァレラのトマトパスタ」、「ローストビーフ~粕漬チーズソース~」、「ブルーチーズアイス~はちみつ梅ソース~」の3品を考えた。
料理にひそむ「らしさ」
【3.食の歴史をひもとく / 18.人間・生活・環境】
私は映画鑑賞が好きで、年間100作品観ることもあります。映画の中でも特に調理シーンに惹かれることが多いです。それは料理が作り上げられていく工程や手さばきに感動したからという理由だけではありません。
仕事帰りで疲れているにもかかわらず、家族の為に夕飯を作る女性。料理店で一流シェフとして、真剣なまなざしで独創的な料理を作る男性。このように、映画の調理シーンでは料理を作り上げる人の置かれている状況、心情などを想像し、共感することができます。
映画を多数観ているうちに、私はあることに気がつきました。それは「女性は家で、男性は厨房で調理をしている」シーンが多く、私自身もその印象があるということです。これは家庭料理を作ることは女性らしく、厨房で高級な料理を作ることは男性らしいことだと考えている人が多いからではないかと考えます。このことから、私は料理シーンには多くの「性差」がひそんでいるのではないかと考え、料理の中でも特に“家庭料理”における男らしさ・女らしさについて調査することにしました。
狩猟採集をしていた時代から、女性が調理をしていたという情報もありますが、家で調理をすることが女性の役割として本格的に決まり始めたのは明治時代と言われています。当時、「良妻賢母」という思想が登場し、女性は親や夫に従うだけでなく、家庭のことに関して責任を持つ立場を得られるようになります。ここから女性が家事を行うという概念が生まれていきます。戦争や高度経済成長などを経て、男性だけでなく、女性も家の外に稼ぎにいくことが増えました。それにもかかわらず、調理をすることは女性の義務であるという考えは今も変わらずに残っています。
男女雇用機会均等法が施行されたことや家庭科が男女共修になったことなどから、家庭料理を作る男性も増えてきました。男性が料理を学ぶ方法として、テレビ番組や雑誌、料理教室などがあげられます。しかし、男性が調理をしている料理番組を視聴しているのは女性のほうが多いのではないかという疑問を抱きました。そこで、男性が調理をしている料理番組について分析し、本発表では性差について考えます。
モンブランは栗だけなのか
【2.世界の食 / 5.情報発信と表現 / 10.食材の可能性】
日本人の好きなケーキのひとつにも必ずあげられるモンブラン。定番のケーキとしてショートケーキなどもあるが、どのお店に行っても、形が三角か四角かぐらいの違いで、構成もスポンジとクリームが基本だ。しかし、モンブランはお店によって形、中身の構成、味などすべて違うことが多い。その違いはなぜ起こるのかを疑問に思い、モンブランについて調べようと考えた。
調査を進めていくと、モンブランという名前は食材が栗以外のものにもその名がつくことが多いことに気付いた。それはモンブランというケーキの名がそのまま栗を意味しているわけではないからだ。ではなぜ私たちの中でモンブランというと栗が定番化したのか。これまでモンブランの成り立ち、なぜ栗が使われるようになったのかなどを中心に調べてきた。さらに、現在流通しているものも見るために市場調査を行った。市場調査では、栗を材料として使っていて構成や形の変わったものと、主材料が栗ではないのにモンブランという名前がついているものを中心に調べている。インターネットや雑誌、友人からの情報をもとに実際にお店に行ったり、デパ地下などお店の集まっているところに行ったりして探した。また、モンブランの発祥であるパリとイタリアにも実際に訪れて現地での調査も行った。事前に調べた情報をもとにしてパリ、ローマやナポリのケーキ屋やカフェに行き、日本のように栗以外のものやアレンジされたものがあるのかを調べた。
私はオリジナルのモンブランを2つ提案する。栗を使っていないものと栗がメインのもの。
調査を踏まえると、日本におけるモンブランは大きく分けてこの2つになる。そのなかでも、
モンブランとしての外せない定義をふまえて、調査のなかで見られなかった要素を加えてモンブランを作れたら面白いと思った。
また、私はいままでたくさんのモンブランを調査し、食べてきた。そのため、モンブランの情報だけをまとめた冊子を作る。調査で訪れたお店のモンブランの一部を発表の中で紹介する。
あじわう浮世絵
【1.日本の食 / 3.食の歴史をひもとく】
浮世絵とは江戸時代に発達し、当時の庶民の生活の様子や流行を表現している絵画である。「浮世」とは、「当世風の」や「現代風の」といった意味を持つ。この実習では浮世絵に描かれる食から江戸の食文化を紐解いていく。
■動機
ある日、料理写真を見た友人が言った。「この料理すごくおしゃれ!」この何気ない言葉から、なぜ食べ物に「おしゃれ」と言うのだろう?そう疑問に感じ、調べを開始した。するとおしゃれは江戸時代に生まれた言葉であることがわかった。そこから江戸時代について調査をし、浮世絵と出会い、食が描かれているものを発見!絵から食を見るという考えが新鮮で面白く、魅力を感じ、今回のテーマに至った。
■目的
食が描かれている浮世絵から当時の食文化を読み取り、現代と比較をする。食べ方や調理方法、食材の違いを知るだけでなく、江戸時代を生きていた人々の食べ物に対する考えや思いを考察し、今日における食のあり方を考える。
■実習内容
浮世絵について文献で調べると、いくつかの種類があることを知った。本発表では浮世絵と聞いてほとんどの人が想像するであろう多色摺りの「錦絵」をみていくことにする。
実習方法は書籍だけでなく「江戸東京博物館」や「日本浮世絵博物館」に足を運び、実際に浮世絵を観に行くことも行なった。日本浮世絵博物館では食が描かれている浮世絵展示が開催されており、書籍では見つけることのできなかった作品を鑑賞することができた。江戸の食文化を知っていく中で私は当時の人の「旬」を楽しむ姿に関心を持った。今の時代は好きな食べ物を好きな時期に好きなだけ食べられる。そう考えると当時の人は「旬」をどれだけ心待ちにしていたのだろうか。食文化に限らず、当時の食に対する考え方・気持ちも明らかにしていく。
ジブリとたべもの
【14.食と空間・食シーン / 16.食とエピソード】
ジブリ映画には、見るとつい食べたくなってしまう魅力的な料理がたくさん登場する。それらは「ジブリ飯」呼ばれている。そのジブリ飯の魅力に惹かれ、食と映画の関係性を調べようと考えた。何度も見ているジブリ映画だからこそ、視点を変えることで、いつもとは違った映画の楽しみ方があるのではないかと考える。
発表では、作品の中で食が描かれているシーンを抽出し、食べている時の表情や感情の動きが、物語に与える効果や影響を考察する。誰と一緒に食べているのか、誰に対して調理しているのか、キャラクターの心情、食空間についてなどにも焦点をあてて、考察する。複数の作品を比較して調理の仕方や食べ方にどんな違いや共通点があるかを調べた。登場人物の食行動を観察し嗜好等を想像することが、映画をより楽しむ方法の1つであることを提案する。
第1回の発表では、「千と千尋の神隠し」「となりのトトロ」の二つの作品について発表した。「千と千尋の神隠し」では、おにぎりのシーンからこの不思議な世界におびえていたが、現実を受け止め、ここで働き、両親を助けようと決心したと考えた。「となりのトトロ」では、トウモロコシという食材がメイにとって母の病気を治す特別なものになっている。この2つの作品からも分かるように食シーンが主人公の心情に変化を与えるなど物語に大きな影響を与えていることが考えられることが分かった。
後期では食空間について考察した。「崖の上のポニョ」ではインスタントラーメンを食べるシーンで、ポニョが宗助や宗助の母と食事を共にすることで食事の仕方を覚えていく。餌のように与えられる食事から自らの手で食べるという食行動の変化であり、のちに食事を分け与えるという成長が描かれている。「耳をすませば」ではダイニングテーブルがキーワードになっていると考える。それは、ダイニングテーブルが家族の集まる場所であり、作中では雫の将来を話し合う大切な家族会議をしていること、雫の心情を表すような食行動がよく見られるためこの空間が物語に影響を与えていると考えた。
スタジオジブリ映画の長編作品は、全部で23作品ある。これらに表れる食に関係するシーンに焦点をあてることで物語における「食」について考える。
たべなくてもおいしい
【1.日本の食 / 16.食とエピソード / 18.人間・生活・環境】
洋食とは、明治維新に入ってきた西洋料理を、当時の日本で用意できる食材や調理法、嗜好によって日本独自にアレンジしたオムライスやコロッケ、カレーライスなどの料理のことです。日本食と対にある存在として捉えていた洋食が日本で生まれたという事実、しかも、150年も前から食べられている料理であることに驚き、惹かれ、興味を抱いたことから調査を始めました。
当時は、オフィス街が整備され電車が走り、住宅街が開発され通勤者の群れが外出の楽しみを求めて街をぶらつき始めた大正時代です。日本は西洋化を目指し、国を挙げて小麦や牛肉を浸透させることを国家政策としました。天皇が率先して牛鍋を食べていることをアピールし、外国の料理書が翻訳され、多くの洋食店がオープンします。そして、少しずつ少しずつ人々の生活に洋食がなじんでいきました。このことから、新しい文化が受け入れられるのには、生活環境の影響が大きいということが分かりました。つまり、おいしいといった味覚より外からの情報で浸透していった部分が大きかったのです。これらの調査をふまえて、人々はどのようにおいしさを感じ始めるのか、味がどう受け入れられているのかの本質に近づくために研究を始めました
前期の発表を経て「味がおいしさを生むのか、食べる前からおいしいと感じていたのではないか」という仮説を立てました。
現代でも「日本初上陸」、「世界一の」、「写真映え」、「隠れ家カフェ」といった食べ物を説明する言葉は、読むだけでおいしさを生む効果があります。「西洋から来た」、「ごはんをオムレツで包んだ」、「天皇も食べた」といった言葉は、洋食を初めて観た当時の人には魅力的に思えたかもしれません。他にも、「仲の良い友達と食べる」、「みんなで協力して作る」、「誕生日を祝ってもらう」などの食べる環境もおいしさを生む要素です。
洋食の浸透をさらに調べ、洋食店の広がりを見ることで、洋食においしいが生まれた瞬間を考察することは、今も昔もおいしいは情報に左右されたということになるのではないでしょうか。
おいしい言葉 / 言葉から見るおいしさ感覚
【5.情報発信と表現 / 13.料理を伝えるカタチ / 15.五感で楽しむ・五感で味わう】
私たちが食べ物を食べる際、食べ物の味や香り、食感を多種多様な言葉で表現することが多い。商品名に食べ物の味や香り、食感、情報を表記する事例が増えており、その表現に対しての興味関心が高まっていると考える。食べ物の美味しさ表現は昔から存在するが、その数は今よりも少ない。
したがって美味しさ表現が増加した背景には日本人の食嗜好や食生活の変化があるのではないかと考えている。最近の日本では、「シズルワード」と呼ばれる消費者の五感を刺激する言葉の乱用が目立つ。他にも多くみられるおいしさ表現を調べその特徴と流行りを考察する。
前期の発表では、『SIZZLE WORD』を参考にして、味覚系、食感系、情報系の言葉がいくつあるのかを明らかにし、その背景を考察した。『ふわとろシズルワード』をもとに4つの項目においしいを感じる言葉を当てはめ、表を作成した。その結果から日本人の好む言葉、おいしさを連想する言葉が分かった。
後期は、4つの項目分けした表を活用して世代別や男女別で美味しさを感じるのかアンケート調査を実施した。アンケート対象は、20代から50代の男女で食文化栄養学科の4年生や家族、友達、アルバイト先の方々、SNSを利用して不特定多数の方とする。発表では、アンケート結果を踏まえての考察食べ物のおいしさ表現から食嗜好食に求めているものを探る。また、現代日本人のおいしさ表現の特徴を調べるのには、コンビニエンスストアの商品を参考にする。最先端の食べ物を取り入れ且つ商品名にシズルワードを入れていると考えられる。コンビニエンスストアは商品名にオノマトペなどを使用していることが多く、端的においしさを表現している。そのため、印象に残り真新しい言葉を使用すると推測する。
現代のおいしさ表現の特徴や傾向を考察することで、味や食感、香りに関する情報を認知でき、 商品の印象をより強く表現するような商品のネーミングを提案することが可能になるのではないか。
アフタヌーンティー×四季 / 優雅に季節を感じながら健康対策をしよう
【9.メニュー提案 / 14.食と空間・食シーン / 15.五感で楽しむ・五感で味わう】
私は、お茶をしながら誰かとおしゃべりすることが好きだ。大学生になってから外食する機会が多くなった時に出会ったのが、アフタヌーンティー。アフタヌーンティーとは、どのような文化なのか。また、日本にはどのようなアフタヌーンティーセットがあるかに興味を持ち、研究テーマとした。
市場調査をしてみると、日本の四季をイメージしたアフタヌーンティーセットは意外と無いことに気が付いた。また、アフタヌーンティーには、高級感があり、マナーが厳しそうというイメージがある。そこで、家でも気軽にアフタヌーンティーを楽しんでもらいたいと思い、日本の四季をイメージした四つのアフタヌーンティーセットを提案し、発表する。
第一回発表会では、アフタヌーンティーの歴史やイギリスでの紅茶の定着について、アフタヌーンティーには欠かせないティースタンドについてと市場調査したお店について発表した。また、夏の旬な食材(野菜や果物)を使用し、食欲増進効果も取り入れた夏のアフタヌーンティーセットを提案した。
本発表では、秋・冬・春をそれぞれテーマとした三つのアフタヌーンティーセットを提案し、発表する。夏と同様に、旬の食材(野菜や果物)を使用し、その季節に合った健康対策できるようなものを考える。さらに、今回は調味料などにも注目した。食材だけにこだわるのではなく、それに合った調味料を使用することで、より健康対策への効果も上げられるのではないか。また、第一回発表会で紹介した市場調査に加え、新たに調査した店舗を紹介する。
実習をしていくにつれ、「食を通して、コミュニケーションの場を増やしてほしい」「もっとリラックスした空間を味わってほしい」と考えるようになった。大切な人たちとのコミュニケーションツールとして、もっと多くの人にアフタヌーンティーを楽しんでもらいたいと考える。
FUNNY YUMMY CURRY
【5.情報発信と表現 / 9.メニュー提案 / 13.料理を伝えるカタチ】
カレー。大人から子供まで大好きな食べ物のひとつ。それはもはや国民食といっても過言ではないだろう。カレーについてのテレビ番組、雑誌の特集を見ないことはない。この発表会冊子を読んでいる人の中でカレーの魅力取り憑かれた人も少なくはないのではないだろうか。もちろん私もそのひとりである。
こんなに大好きな食べ物なのに、カレーについてはよく知らない。こういった疑問からカレーについて調べることにした。
カレーについて調べていくうちに、私はカレーの中でも『スパイスカレー』に興味を持つようになった。都内を中心としたスパイスカレー専門店を数多く訪れた。スパイスカレーといっても、インドの本格カレーをもとにした現地スタイル追求型と自分流にアレンジした俺系オリジナル型の2つに大きく分かれるがさらに独自の発展をしているスパイスカレーもあり、その分類は簡単ではない。様々な店のスパイスカレー(主に俺系オリジナル型)を食べ歩くうちに、自分でもオリジナルスパイスカレーを作りたいという気持ちになり、今回レシピの考案も行った。初めは、レシピ本に書いてある基本のチキンカレーを練習として作った。そこからスパイスを変更したり、増やしたりしてオリジナリティを出した。他にも個人的に好きなスパイスである、八角を使用したカレーも考案した。そして、最終的に魅力的で不思議な食べ物、カレーについてムック本のように冊子にまとめることにした。冊子には、カレーの歴史、種類、スパイスについて、おすすめのカレー屋、オリジナルスパイスカレーのレシピを掲載。今回の発表は冊子の中から、スパイスについてとオリジナルスパイスカレーのレシピについて発表したいと思う。スパイスからカレーを作ることは大変だし、難しいしというイメージを覆すカレー作りの楽しさの魅力を伝えたい。
素朴とスタイリッシュと / わがままで忙しい女子たちへ
【5.情報発信と表現 / 9.メニュー提案 / 18.人間・生活・環境】
見て楽しめるスイーツを写真に収めインスタグラムに投稿することが、私の生活の一部となっている。いわゆる、「インスタ女子」である。
現代、「インスタ映え」が流行語大賞にノミネートされるほど"映えること"が求められており、思わず見惚れてしまうスイーツは数え切れないほど存在する。
しかし、「インスタ映えなスイーツ写真を投稿したい!」と撮影に時間をかけ、スイーツ本来の美味しさや美しさを台無しにしてしまっていることがネックだと感じる。さらに、食べることよりも撮ることを重要視している人もいる。写真を撮るだけのために注文され、手をつけられずに捨てられてしまうこともあるという話も聞こえてくる。
私は、「写真も美味しさも思い出として鮮明に残したい!」という想いから、撮影に時間をかけても見た目と美味しさを保つことのできる、気温や時間に左右されない皿盛りデザートを提案したい。そこで、地味で素朴なイメージの焼き菓子をメインとした、スタイリッシュな皿盛りデザートを提案する。「綺麗な写真を投稿したい」、「美味しいうちに食べたい」という客側、できることなら「綺麗な写真を投稿してほしい」、「美味しいうちに食べてほしい」という作り手側、両方の想いが叶えられることを理想とする。
第1回の発表では、「夏×◯」をテーマとし、バナナケーキをメインに常夏をイメージした夏らしい一皿を提案した。本発表では、「冬×□」をテーマとし、12月、1月、2月に「映える」冬らしい三皿を提案する。もちろん写真映えなだけでなく、「食べ残したくない」と思わせるようなプラスアルファな面を持ったスイーツとする。また提案するメニューは、学園内留学で得た知識や技術を取り入れ、旬の食材を使用することも重視している。
世界の郷土菓子でおもてなし
【2.世界の食 / 16.食とエピソード】
私は渋谷にあるカフェで世界の郷土菓子に出会った。それは、日本での知名度が低く、見た目の華やかさに欠けるが、気取らず、その土地の代表として誇りを持っている様に魅力を感じた。また、専門学校の製菓科で作った郷土菓子を友達にプレゼントしたときに、見慣れないお菓子の話題で盛り上がった経験から、郷土菓子を用いておもてなしができるのではないかと思い、研究テーマにした。
郷土菓子とはその土地の歴史や特産物などに関連して生まれ、「故郷に帰ったらあのお菓子を」と思い入れするようなお菓子のことを指す。私が考える郷土菓子の魅力は、成り立ちや歴史などの面白いエピソードや人々の思いが詰まっているものが多いこと、味や見た目が素朴で気取ってないことである。味や見た目が素朴なことは、工程が少なく作りやすいものが多いという特徴に繋がっていると考える。この魅力を伝えるために、郷土菓子を自分で作り、歴史や作り方を紹介し、おもてなしする方法も提案する。
実習では、世界の地域ごとの郷土菓子について文献やインターネットで調査した。日本を含むアジア、ヨーロッパ、北米、南米、アフリカ、オーストラリアに分けて特徴をまとめた。また、夏季休暇にフランスとイタリアを旅行し、多くの郷土菓子を食べた。食感が悪かったり、頭が痛くなるほど甘かったり、香辛料のクセがすごかったりするものもあったが、もちろん美味しいお菓子もあった。その中で、日本人の口に合うと感じたお菓子を取り上げる。海外の郷土菓子と日本で売っている郷土菓子の違いも考察したい。
前回の発表で取り上げた、ガトーバスク 、ブッチェッラート、ポルヴォロンと今回新たに取り上げる郷土菓子を用いて、おもてなしする方法を提案する。歴史や成り立ちを紹介するだけでなく、それぞれのお菓子の特徴を活かしたおもてなしを考える。最終的には郷土菓子の歴史や作り方、おもてなしの方法を冊子にまとめる。
アフタヌーンティーの流行
【2.世界の食 / 3.食の歴史をひもとく】
私は昔から紅茶が好きだ。カフェも好きで行く機会が多いのだが、スターバックスやドトールコーヒーなど全国チェーン展開のコーヒー店の印象が強い。しかし、紅茶店は全国にチェーン展開しているところはほとんどない。そこで、紅茶の魅力をもっと知るために興味があったイギリスの食文化からアフタヌーンティーを実習のテーマにすることに決めた。
19世紀後半、英国名家7代目ベットフォード公爵夫人のアンナ・マリアは自室でお茶を飲みながら、バターつきのパンを食べることを日課にしていた。この時代午後5時頃からだった夕食の時間が、夜の社交の流行や家庭用ランプによる仕事時間の延長が原因で8時~9時頃に移行した。そのため、昼食から夕食までの間に空腹を感じることが多くなった。そこで、アンナは女性客を応接間に招いて午後5時前後にお菓子を食べながらお茶を飲んでいたところ、多くの客人に好意的に受け入れられるようになった。
アフタヌーンティーとは、紅茶と一緒にお菓子や軽食の食べる習慣のことである。小さいティーテーブルを有効利用するために現在では3段のティーセットが主流だ。下から1段目にサンドウィッチ、2段目にスコーン、3段目にケーキなどが載っている場合が多い。元々はイギリス発祥のアフタヌーンティーだが、現在は日本でもホテルやカフェで楽しむことができる。また、特に最近はテレビ番組で特集されることも多い。
第1回の発表では、主にアフタヌーンティーが流行する以前のイギリスの紅茶の文化や、アフタヌーンティーが流行する背景について発表したが、今回はアフタヌーンティーに焦点を当てて、19世紀イギリスの社会階級ごとのアフタヌーンティーの違いについて発表する。また、日本でのアフタヌーンティーの傾向を知るために実際にアフタヌーンティーを楽しむことができるいくつかのカフェやホテルに足を運んだ。客層やティーフードの店舗ごとの違いなどについても発表する予定だ。
暮らしの中に空白を / あかりでつくるひとり空間
【5.情報発信と表現 / 18.人間・生活・環境】
コミュニケーションの大切さが叫ばれている。人との直接のコミュニケーションを謳うもの、地域の絆づくり推進活動、会話力向上のハウツー本ベストセラー。今、学生である私たちも、一歩外に出れば人と接する機会はとても多く、その大切さは身にしみてよく、理解している。しかし、それがすべてではない、とも感じる。
ひとり○○、おひとり様という言葉が、以前よりずっと浸透している。「ひとり」はさびしく、孤独なもの、ではなく、集団の中にいるときとは異なる種類の充足感をもたらすと、実感できた人が増えたのかもしれない。
▼ 2つのひとり
人がひとりになろうとするとき、以下2つの選択肢がある。
・自宅、または自室にこもり、完全にひとりになる
・カフェなどの店舗、施設に入り、人混みの中でひとりになる
同じ「ひとり」だが、その性質は異なる。前者は、他者の存在を意識せず、自室という安心安全な場所でのひとりだ。後者は、他者の存在や雑音が近くにあり、大勢の中のひとり、という埋没感がある。私の目指すところである「自分に没頭できる空間をつくる」ためには、前者の、他者を意識しなくてよい環境が適していると考えている。しかし、毎日を過ごしている場所である。何かを大きく変えなければ、自分に没頭するのは難しい。私はそれをあかりに見出した。スイッチひとつで場の雰囲気を大きく変えられるあかりは、ただ明るくなる、暗くなる、という以上に、「自分に没頭するためのスイッチ」にもなり得ると考えている。
▼ 誰のためのあかりか
・ひとり空間が必要不可欠である青年期の人を大きな対象とする
・「大勢のため」のものではなく、「その人のため」のもの
・青年期の人物が登場する小説を参考にし、その人物が使うものだと想定する
小説の中の人物を対象とすることで、その人物のずっと内側まで探れる。小説はフィクションだが、小説でしか表現できないリアルがある。そこに私たちは共感したり、憧れたりと、心を動かされるのだ。「その人のため」のあかりの制作を通して、ひとり空間の大切さ、自分に没頭することの大切さを伝えられたらと考えている。
花のある食空間
【14.食と空間・食シーン / 15.五感で楽しむ・五感で味わう】
生活の中に花や植物があると、丁寧でゆっくりとした時間が増える。普段の生活の中で、少しだけ手間をかけたり、丁寧に何かを作るというゆっくりとした時間を楽しむことは、心を豊かにし、リフレッシュさせる効果があると考える。
そこで、花や植物を食空間に取り入れることにより、食シーンにくつろぎや癒しを与えることができるのではないかと考え、テーマを決めた。
花や植物のある食空間を作る参考として、花屋に併設されているカフェに足を運んだ。お店によってコンセプトや客層は異なっていたが、花に囲まれた空間や自分の時間を楽しむことのできる、落ち着いた雰囲気は共通していた。この、落ち着いた空間を自分の家で作ることによって、空間を作る過程も自分の心を豊かにする時間として楽しむことができるのではないかと考える。どんな花や植物を飾るか決めたり、それに合う花器を選んだりすること、生花だけでなくドライフラワーや、花をオイル漬けにしたハーバリウムを作ってみることなども、ゆっくりとした時間を過ごす一つの方法になるのではないだろうか。
そこで、花をいける花器の選び方、ドライフラワーやハーバリウムの作り方など、空間を作る過程をいくつかの項目にし、写真と文にまとめる。そして、選んだ花器や作ったドライフラワーなどをそれぞれ組み合わせ、食空間に取り入れたものを写真に撮り、冊子にしていく。
市場調査のために訪れた、花屋に併設されているカフェや花をテーマにしたカフェの比較、落ち着いた空間を作る参考にした部分などを発表する。また、ドライフラワーやハーバリウムを作る手順や必要なものの紹介、冊子にまとめた食空間の一部も発表し、丁寧でゆっくりとした時間を過ごすための、花のある食空間を提案する。
高橋 勝美ゼミ
土地柄から見る寿司
【1.日本の食 / 3.食の歴史をひもとく】
●動機・目的
現代において、寿司は代表的な日本料理のひとつである。「寿司」と聞くと、ほとんどの人は江戸前握り寿司を思い浮かべるだろう。しかし、江戸前握り寿司は、寿司の中でも比較的歴史が浅い。
滋賀のフナ寿司のような、発酵させた馴れ寿司の方が長い歴史がある。なぜ、比較的新しい江戸前握り寿司が、古くからある馴れ寿司よりも普及したのだろうか。また、寿司には、握り寿司や馴れ寿司以外にも、姿寿司、押し寿司、ちらし寿司、巻き寿司など、様々な形態のものが存在する。寿司の形態と、それがよく作られる地域に地形や気候などの地理的要因との関連性はあるのだろうか。この二点をもとに、実習を進めた。
寿司の背景にある歴史や文化、地域性をより多くの人に感じ取ってもらいたい。そして、寿司は多彩な姿を持つ、魅力的な料理であることを知ってもらいたい。
●内容
1.寿司と歴史:寿司に関する文献を読み、寿司の歴史への理解を深めた。そこから、馴れ寿司よりも、江戸前握り寿司が普及した要因を探り、震災による職人の分散や、戦後の食糧難対策の法律などといった歴史的な原因が関わっていたことがわかった。
2.寿司と地理:形態ごとに寿司を分類し、白地図に書き込み、分布を比較した。そこから、寿司と地理的要因の関係性を探ったところ、形態ごとに多く分布する地域が異なることが見えてきた。また、寿司とそれが生まれた地域への理解を深めるため、レシピに基づき、寿司を実際に調理した。文献の情報だけでなく、レシピに従って作ってみることによって、地理的要因との関連性を考えた。これらをまとめて、寿司の写真やレシピと共に紹介する。
●まとめ
日本各地に存在する寿司は、ハレの日のごちそうであったり、漁師が船の上で調理するものであったりとその背景は様々である。また、地域に流れる川で採った魚を使ったり、わさびが育たない環境のため、代わりにからしを使うなど、使用する食材の背景も様々である。一言に寿司と言っても、その形態や使われている食材は実に多様である。寿司は、地理的要因や文化の影響を大きく受けた、正に土地柄を示す料理と言えるだろう。
川越のお菓子
【4.地域振興 / 10.食材の可能性】
【背景】
川越のお菓子といえば何が思い浮かぶか家族や友人に聞いた結果、さつまいもを使ったお菓子が多く挙げられた。このことから、川越といったらさつまいもという認識があることがわかった。
そこで、川越のさつまいもを使ったお菓子に限定して実習を進めることにした。
【第1回発表会の内容】
・川越について
埼玉県の南西部にある人口約35万人の市。蔵作りの町並みが有名で、江戸時代中頃には「小江戸」と呼ばれていた。江戸情緒の残る町並みに、今も多くの歴史的建造物が残っている。
・なぜ川越といったらさつまいもという認識があるのか
寛政時代(1700年代末)、江戸で焼き芋が大ヒットしたことにより、川越ではさつまいもの栽培が盛んになった。川越は江戸と新河岸川で結ばれていたため、船の搬送で多くのさつまいもを運ぶことができた。これらのことから、多くのさつまいもが生産されるようになり、川越といったらさつまいもというイメージが定着した。
・菓子屋横丁
川越市元町にある明治時代から続いているといわれる歴史のある通り。約100メートルあまりの通りに20数軒のお店が立ち並び、さまざまなお菓子が売られている。
・川越独自のさつまいものお菓子
全国で川越にしかないさつまいものお菓子にいもせんべいがある。川越鉄道に乗って東京方面から川越にやってくる人々に向けて、業者たちは川越らしい土産品の試作を重ねた。その中で、明治の後期にやっと製品化できたのがいもせんべいであった。
【第2回発表会の内容】
今回は、第1回発表会の内容に加え、実際に川越市内のお菓子屋さんに行き伺った話や、現在川越市内で販売されている川越独自のお菓子について発表する。これらを通して川越の魅力を伝えたい。それに加え、川越のさつまいものお菓子のさらなる普及に貢献したい。
トトロ食 / ドングリを身近に感じるメニュー提案
【2.世界の食 / 9.メニュー提案 / 10.食材の可能性】
第1回発表では韓国で食べられているトトリムク(ドングリ寒天)を中心に、ドングリの種類や栄養素についてまとめた。そこからドングリにはビタミンCやビタミンKが他の木の実に比べ多く入っていることが分かった。以上のことを踏まえ、今回の発表ではドングリを日本の家庭にも普及するためにレシピを考案する。
“家庭で作りやすい”、“定期的または継続的に食べたくなる”、“栄養がバランスよく摂れる”、をコンセプトにしてレシピを考えた。7~9月の各月ごとに2つずつ試作を行ったため、レシピは全部で6種類になっている。トトリムクを使ったレシピだけでなく材料である“どんぐり粉”を使ったレシピも試行した。
―どんぐり粉について―
どんぐり粉はトトリムクと同様に韓国ではポピュラーな食用の粉の1つである。韓国ではどんぐり粉でチヂミや冷麺を作ったりしている。この粉は現在インターネットショップで購入できるため、日本国内でも簡単に手に入れることが出来る。
―試作について―
試作で使う食材はスーパーで手に入るものに限定した。今回は家庭食を目指しているので日本のスーパーで手に入ることを重要視した。また日本人が食べやすいものをレシピの基盤とし、そこからドングリ粉に合うものを選び、以下の料理を試作した。
シェイクとあんみつを7月に、春巻きとチヂミを8月に、餃子とパンを9月に試作した。この中で、あんみつと春巻きにはトトリムク(どんぐり寒天)を使用し、他の料理にはどんぐり粉を使用した。この中で餃子とパンに関しては生地が水を吸ってしまい作るのが難しかった。どちらも生地にどんぐり粉を使用し試作したのだが生地も非常に硬く食べられないモノになってしまった。そこで、給水量を調整しながら試作を繰り返すことでどんぐり粉の性質が分かるようになった。
古民家カフェで「レトロ」感を残そう! / ~今だからできるカフェ空間~
【5.情報発信と表現 / 14.食と空間・食シーン】
◆研究動機・目的
最近よく「古民家カフェ」という言葉を耳にするため、店舗数が増加しているのではないかと考えた。調べてみると多くの古民家カフェがあることがわかったが、道をぶらぶら歩けばたどり着くものではなく、店の場所を調べていかなければなかなか出会えない。
実際に訪れてみると若い世代の利用が多く、なぜか落ち着く空間であった。このことから、古民家カフェを利用する人はレトロな雰囲気を好み、他のカフェにはない落ち着く空間に魅力を感じるため、わざわざ足を運んで来るのではないかと思った。この実習では、カフェ空間の落ち着く要因を分析し、現代において古民家カフェがどのような価値を持っているかについて考える。外国のカフェ文化と日本の昔ながらの雰囲気(ここでは「レトロ」感と言う)が融合した新しい食文化の場であるということを伝えたい。
◆発表内容
実際に複数のカフェへ行き、店舗の歴史や利用客の特徴・外観や店内の様子を記録しながら落ち着きの要因を考えた。それぞれの店舗の共通点を探し、古民家カフェの落ち着きとは何かを発表する。また、レトロな店舗と言えば「純喫茶」が挙げられるが、何が違うのだろうか。この違いもはっきりさせたい。カフェは増加しすぎると、特別感がなく飽きられてしまい、どこにでもあるカフェになってしまう。一時的なカフェとなり、いずれ閉店・建物の取り壊しなどが増えてしまっては、せっかく今まで残してきた古き良き民家がなくなってしまう。この先どのように店舗を残していくべきかについても考える必要がある。これらを踏まえ、外観や内装・サービスなどを決めて、自分の理想とする古民家カフェの形を提案する。さらに、第一回発表会後「古民家カフェ」は聞いたことがあっても行ったことがない、入りづらいという意見が届いた。そこで最終的には、自分が行ったことのある古民家カフェを中心に紹介の冊子を作り配布する。もっと多くの人に古民家カフェの魅力と他のカフェとの違いを知ってほしい。若い世代にとって非日常である「レトロ」感を未来まで残していくために、冊子を通して古民家カフェの良さを広めたい。
田中 久子ゼミ
減塩だけどおいしい、をつくる / ~コミュニティカフェでランチ提供~
【9.メニュー提案 / 13.料理を伝えるカタチ / 17.健康・美容】
◆動機・目的◆
日本人の食塩相当量目標量をご存知だろうか。成人男性は8g未満、成人女性は7g未満となっている。しかし、実際は男女共に過剰摂取状態だ。
「食塩」は料理の美味しさに重要なものである。しかし、過剰摂取は高血圧の原因となり、心筋梗塞や脳卒中といった病気を引き起こしてしまうこともある。健康のためにも日々の食事に「減塩」を意識してみてほしいと思い、減塩献立を考えることにした。
◆内容◆
「減塩」ときくとどんなイメージをもつだろう?おそらく多くの人が“薄味”でどこか、なにか“もの足りない”食事を想像するのではないだろうか。食事の時間は楽しいものであってほしいのに、そのような食事だとせっかくの食事の時間がつまらないものになりかねない。ただ食塩を減らすだけでは、そのようなことになるだろう。しかし工夫次第で減塩でも充分美味しく、そして楽しめる食事ができるのではないだろうかと考えた。そこで、美味しいと満足してもらえるような減塩献立を考案し、「cafeリフレ」でランチメニューとして提供を行っている。
◆cafeリフレについて◆
社会福祉法人が運営する川越市にあるコミュニティカフェ。地域の高齢者の方々が利用している。運営については毎週営業しているが、その中で毎月第三土曜日の枠をいただいて、一食500円のランチメニューを提供している。
ゼミ生3人で活動し、私を含めた2人がメイン料理の担当、もう1人がデザートを担当している。メイン料理に関しては毎月交代でメニュー考案を行っている。
前期の発表では、4月と6月に提供した献立案を通して減塩の工夫をお伝えした。後期の発表でも引き続き、9月と11月の献立案を通して減塩の工夫や提供までの奮闘、また提供を重ね発見したことなどをお伝えしたい。
発表を聞いていただくことによって少しでも減塩を意識してもらえるきっかけとなれば嬉しい。
コミュカフェでメニュー提案に挑戦!! / ~高齢者が食べやすい食事って何だろう~
【9.メニュー提案 / 12.食育 / 13.料理を伝えるカタチ】
*研究動機*
祖父母と食事をした際に、祖母が祖父に対して「よく噛んで食べなさい」と注意していたことがあった。祖父は義歯を使用しているが、“モリモリとご飯を食べるおじいちゃん“だ。しかし、食事内容は噛み切りにくいものやサイズが大きいものが出されることがある。そこに矛盾を感じ、祖父母と同じような境遇の高齢者のために私ができることはないかと考えた。
その結果、私がメニュー提案に興味があったこともあり、食べやすく美味しいものを調理・提供し、食材や調理の知識を伝えていくことにした。
*実習施設について*
実習場所は埼玉県川越市にある、社会福祉法人が運営するコミュニティカフェ「Cafeリフレ」である。ここは“地域で暮らすみんなの家”として、地域の高齢者が簡単なストレッチやランチをするために集う場所である。
*目的*
高齢者が食べやすいように、咀嚼力や提供する大きさ等を考慮したメニューを提案し、調理・提供する。また、調理や食材の知識を高齢者と共有するなど、食育を兼ねる。
*活動内容*
高齢者のためのメニュー提案・提供を行っている。「Cafeリフレ」営業日の中の毎月第3土曜日の枠をいただき、「もぐもぐキッチン」としてゼミの学生3人で運営している。ランチメニューは一汁三菜で、当日調理・提供する。メニューの栄養管理面については、社会福祉法人の栄養士から助言を受けている。
当日のメニューの調理ポイント等は提供の際にお伝えしている。その情報は口頭だけでなく、後期からリーフレットとして配布することにしている。高齢者の食や健康に対する意識や、コミュニティカフェにはどのような役割があるのかを会話の中から紐解いていく。
今回の発表では、提供した料理の紹介と、これまでの活動で利用者の食の知識や生活にどんな影響があったかのインタビュー結果について発表する。
健康志向のおやつ提案 / ~原価50円のチャレンジ~
【9.メニュー提案 / 10.食材の可能性 / 14.食と空間・食シーン】
【動機・目的】
3年生の講義で高齢者に食生活についてヒアリングする機会があった。その際に健康を意識して、塩分を避けてしまう方が高齢者には多いことが分かった。一方で、お菓子などの糖分は好んで食べてしまうという。このことから、健康面を気にしている高齢者の方々もおいしく食べられる健康志向のおやつを提案・提供する。
【概要】
前期に引き続き、川越市にある社会福祉法人施設が運営する会食の場「Cafeリフレ」にて、月に1回食後の健康志向のおやつを提供する。
【内容】
毎月第3土曜日にCafeリフレにて昼食後のおやつを提供する。実習を行っているのはゼミ生3名で、法人栄養士1名に食事全体のサポートをしていただいている。決められた時間までに毎回10~13人分程の食事を調理し、来てくださる高齢者の方々と食事をしながらコミュニケーションをとっている。当日のメニューの工夫点や食情報、日常会話などを交えながら交流を深めて楽しい時間を共有している。
おやつは施設で決められている原価「50円」で提供し、主になる食材を1つ取り入れる。食材に合った調理法で、食材そのものの味を生かし栄養素を少しでも多く残すことを考える。また、リフレのキッチンで調理するため、限られた場所で手軽に作れるという点にも気をつけている。前期の発表では、4月はいちご、5月はバナナを使用したこと、6月はブルーベリーを予定していることを発表した。毎月、食材が被らないことにも注意している。
これまで、高齢者の方々に食事を提供しコミュニケーションを図る中で、高齢者の食との関わり方が少しずつ見えてきた。実際に提供してきたおやつの感想や健康への意識などのヒアリングも行った。後期では6月~11月(8月リフレ休み)に提供したおやつの他に、前期の改善点や9月提供分から始めた試みなどについて発表する。
視覚から感じる「美味しい」
【13.料理を伝えるカタチ / 15.五感で楽しむ・五感で味わう】
食べ物を食べるときに、まず、目がその形や色を見て、そのあとに鼻で香りを感じ、口に運び甘い・辛いなどを感じ、噛んで固い・柔らかいなどのテクスチャーを感じる。このように「美味しい」と感じるのは味覚だけでなく視覚、嗅覚、触覚、聴覚と五感全体を駆使して美味しいと感じている。
普段の生活で食べたことのない料理に関しては全く情報がない中で、私たちは料理の盛りつけ、食器とのマッチング、食材の色合い、食環境、匂いなど様々なことから美味しそうなのかそうではないのかということを考えている。上記のことから私は「視覚(色彩)」について研究していこうと思った。
私たちが料理を見て、美味しそうと思うことにどれだけ視覚(色彩)が影響しているのかを、文献などから把握し、学んだことを基にして同世代を対象(女子栄養大学の学生)にアンケートを行った。その後、文献等で学んだことやアンケート結果を基に食の印象を左右する色の重要性や表現の可能性を明らかにしていくことを試みた。
第1回発表会では、色のイメージや料理を美味しく見せる為の配色技法など色の基本原則の部分を中心にまとめ、それを学んだ上で色彩と食欲に関するアンケートを実施した。「普段色に注目して物事を見ていなかったので色について知れてよかった」、「視覚から楽しめる工夫をしていこうと思う」、「アンケートで使用した料理を別の料理にしたら結果は変わるのか」、「アンケートで美味しくなさそうとされた青や黒の活用方法が知りたい」など色の組み合わせに関する意見があった。
これらを踏まえ、発表では前回発表しきれなかった色の知識を踏まえ、「アンケートで使用した料理を別の料理に変えたら結果は変わるのか」という質問を基に再度実施したアンケートや、寒色・黒色の活用方法について紹介する。
人々は日々色のある世界で生活をし、食事をする際になぜ美味しそうと思うのか。味?匂い?見た目?今回の発表を基に色(視覚)から美味しさを感じてみてはいかがでしょうか。
6次産業を知る
【4.地域振興 / 6.生産者と消費者をつなぐ / 8.商品開発】
【動機・目的】
私は授業で農業について学び、農業は私たちの生活を支える重要な産業であるにも関わらず生産者の労働に見合った利益収入がないと知り衝撃を受けた。そして、この改善策として挙げられている「6次産業」について興味を持った。
6次産業について調べるとともに、生産者と消費者がWin-Winの関係になる商品を開発・販売し理解を深める。
【6次産業について】
農産物を生産し、その食材を使って加工し、直売所やレストランなどで販売する。このように、生産から販売まで一貫して行うことを6次産業という。今まで形が悪く売れなかった食材を使用することで食材に価値が付くこと、販売価格を生産者自身で決められる特徴がある。名前の由来は、生産は1次産業、加工は2次産業、販売は3次産業であるため1,2,3の数字をかけあわせて6次産業と呼ばれている。
【実習内容】
6次産業を学ぶために本やインターネット、セミナーに参加し基礎知識を身につけた。次に自ら体験し理解を深めるために、坂戸市役所担当職員に6次産業を行っている農家を紹介していただいた。農家の協力を得て加工品を販売している直売所、市内数ヶ所で定期的に開かれている「軽トラック市」等で実習を行っている。この体験を通して、生産者や消費者から話を伺うことで、6次産業のメリットやデメリットを知ることができた。次に、生産者等の意見を参考に規格外になったにんじんとくるみのスコーンを作り実習場所で販売を行った。購入者からは、バターは食べられないなどの意見もいただき、引き続き生産者と消費者の意見を考慮した加工品作りを行っている。
今回の発表では加工品作りから販売まで行った流れや6次産業の価格設定等で大変だったことを中心に発表します。この発表で6次産業について少しでも興味を持っていただけたら幸いです。
納豆を食べよう! / ?納豆を使ったレシピの提案?
【1.日本の食 / 8.商品開発】
●研究動機と目的
皆さんは、納豆が好きですか?私は大好きです。しかし、納豆は食感、香りが独特なことから、苦手な方が多いように思えます。実際に、私自身の周囲にも多いです。
そんな苦手な方の原因を知り、それぞれの方に合う納豆アレンジレシピを提案したいと考えました。また、納豆好きの皆さんも食べ方がマンネリ化してしまっていませんか?私は納豆を1品としてではなく、1つの食材として考え、納豆の日常での登場回数を増やしたいと考えました。多様な食べ方を提案し、納豆の様々な面を知って頂くと同時に、納豆の良いところついても伝えていきます。そして、納豆嫌いの方も食べたくなるレシピ提案をします。最終的に販売をし、多くの方に認めていただける納豆レシピを提案します。
●納豆の良いところ
納豆の1パックに多くの栄養素が含まれています。胃壁を守り、腸管の働きを良くするといわれるグルタミン酸や、血栓を溶かし脳梗塞予防が期待できるナットウキナーゼ、骨粗しょう症予防やアンチエイジングに効果的なイソフラボンなど、納豆には健康を保つ上で欠かせない栄養素が沢山含まれています。
●発表内容
今回の発表では、「納豆の誕生」と「納豆の様々な食べ方」を発表します。まず、納豆について学ぶためにタカノフーズの水戸工場を見学しました。そこから、知らなかった!と思う内容についてもお知らせいたします。提案メニューは、3食の食事ではなく間食に注目し、納豆デザートを考えました。納豆が嫌いな人も美味しく食べることのできるレシピに加えて、試食アンケートや販売を行った結果も発表します。この発表を聞いていただき、納豆の新たな食べ方を知り、食べたいと思って頂けたら嬉しいです。さらに、納豆をスーパーで手に取るきっかけが作れたら幸いです。特に、納豆嫌いさんお待ちしております!
わくわくモーモー牛乳を飲モー! / ~牛乳を楽しく学ぼう!おいしく食べよう!~
【9.メニュー提案 / 10.食材の可能性 / 12.食育】
◎研究動機・目的
皆さんは給食の牛乳を残さず飲んでいましたか? カルシウムの吸収率が良い牛乳は、骨の成長がピークである子どもにとって重要です。しかし、学校給食で残してしまう子どもがいるという現状を知りました。
そこで、牛乳をメインに使ったおやつを考え提供することで、牛乳の美味しさや、牛乳に含まれる栄養素の大切さを子どもたちに知ってもらい、もっと飲んで欲しいと考えました。また、埼玉県内の酪農家が小学校へ出向き食育活動を行っている『わくわくモーモースクール』へ参加し、どのような食育を行っているのか学ぶと共に、自分自身もスタッフとして一つのコーナーを担当し、子どもたちの反応やその取り組みがどのような効果を与えているのか調査を行いました。最終的には、牛乳について遊びながらも学べる簡単なゲームを作成し、実際に遊んでもらい、感想や反応を把握します。
◎わくわくモーモースクールとは
全国酪農協同組合埼玉県本部と埼玉県酪農教育ファーム推進委員会が主催しており、県内の酪農家が小学校に出向き、子ども達が乳しぼり体験や子牛とのふれあいを通じて命の尊さを学んだり、牛乳や酪農に対する理解を深め、食を支えてくれている人々の心を学ぶことを目的に、埼玉県内の小学校を対象に開催している取り組みです。
私はバター作りコーナーの中でパネルシアター『3色列車』を担当し、ボードを使って食べ物の栄養素は体の中でどのような働きをするのか、牛乳はどんな飲み物でどんな働きをするのか、というお話から、食べ物・牛乳の大切さを子供たちに伝えています。
今回の発表では、第一回の発表に引き続き、実習先の放課後児童クラブで提供している『牛乳をメインに使って簡単に作れるおやつ』のレシピ集の作成や配布、『牛乳について遊びながら学べるゲーム』で遊んだ子どもたちの反応や感想などを発表します。
また、スタッフとして参加した、『わくわくモーモースクール』の活動内容や酪農家の方々のお話、実際に体験したことをから学んだこと、参加していた子どもたちの反応などをまとめ発表します。
根岸 由紀子ゼミ
感情を味にする
【15.五感で楽しむ・五感で味わう / 16.食とエピソード】
感情を味で表現したい。
生きているものすべてに感情が存在するかもしれない。少なからず人間には感情がある。感情には形も色も匂いも無い。もちろん味もない。感情は気持ちが何かに表現されて初めて感情が現れると思った。
人間の筋肉が表現することにより笑顔になり嬉しいという感情が現れる。人間の涙が表現することにより悲しいという感情が現れる。
感情には形も色も匂いも無いはずなのに、感情をアートで表現した作品がある。感情を色で表現した作品がある。感情を音で表現した作品がある。それならば感情を味で表現できないのかとふと疑問に思った。これがきっかけでこの実習を始めた。
まず、感情と味に関係性があるのかを調べた。結論から言うと感情と味には関係性があった。簡単に言うと感情で味覚を変えることができる。人間はその時の感情に左右されて味覚が変わることがある。例えば、映画を見ることによって感情が変わる。その結果味覚も変わる。これはストレスと亜鉛不足が関係した一種の味覚障害であった。ゆえに自分で味覚障害を起こせば感情の味のするものを作れるのではないか。不必要に思えても悲しい味なんてものも作れてしまうのではないか。なんてことを6月の発表でお話しした。
今回はこれを実現してみる。6月の発表では私の味の定義を風味と味覚に絞るとお話しした。このため現在は無色透明な形に特徴のない感情のする飴を作ろうとして試行錯誤している。
″コーラ味の飴″のように悲しい味の飴、初恋味の飴、というものを作ろうとしている。
感情を変える方法はムービーを見る他に絵本の読み聞かせ、ストーリーの音読などを検討している。
また、これをどんなふうに利用していけるかを提案する。
この樹なんの樹?パンになる樹
【9.メニュー提案 / 10.食材の可能性 / 15.五感で楽しむ・五感で味わう】
皆さんは家でパンを焼くときに、なんの酵母を使いますか?
〇「樹」から酵母を取って育てて、パンを焼く
ホームベーカリーが普及し、家庭でパンを焼くことに注目されるようになってから、「手作り」を超えた娯楽・趣味として、自宅で天然酵母のパンを焼くことに興味を持つ人が増加しました。
中には、応用として、市販の酵母ではなく自分で花や果実に存在する酵母を取り、育てるところからパンを焼く人も多くみかけるようになりました。人々の生活に身近なパンと、樹の可能性や魅力について紹介します。
〇「柚子」の魅力
「柚子」の魅力はなんといっても、日本人好みの独特かつさわやかな香りと酸味。果皮の鮮やかな黄色とその加工品の多さです。
平安時代初期頃からその存在が確認されているといわれる「柚子」は、食用・調味料・薬・香水・柚子湯などに用いられ、日本の生活にかなり根深い樹です。主に果実・果皮が加工利用され、生産量・消費量は世界一。日本の冬の代表ともいえる果実です。
〇「柚子」×「パン」
「柚子」は主に、和菓子や日本料理などに使用されていますが、パンに合うのでしょうか。
米食よりパン食が多くなった現在、人々の生活にパンは身近なものになっています。そんなパンに、日本人好みの香り・風味を持つ柚子がパンにも合わないはずありません。
今回は、「柚子」丸ごとから酵母を取り、中種・生地を作りました。その生地と「柚子」の加工品を使用したパンを3種類紹介します。
発表では、「柚子」酵母の取り方や、特徴、実際に試作したパンのレシピも紹介します。前回の「桜」のパンとも合わせて、酵母を育ててパンを焼くということの楽しみ、魅力をお伝えします。奥が深くて少し贅沢な、パンになる樹をお楽しみください。
手作りパンの魅力について / ドイツパンをもっと手軽に
【2.世界の食 / 9.メニュー提案】
現在、日本には多種多様のパンが存在します。購入出来るところもパン屋、カフェ、スーパーなど様々です。しかし、ドイツパンと言われてどういうものかピンと来る人は少ないのではないのでしょうか。
味わい豊かで、食べ応えのあるドイツパン。その魅力を少しでも知って頂きたいという思いから、自宅で作ることができるドイツパンのレシピや、美味しい食べ方の提案をします。
実習内容
第一回発表では、パン屋、カフェ、スーパーの市場調査、ドイツパンについての文献調査、ドイツパンの試作・試食の3点を行ないました。今回は、まずドイツパンのライ麦粉の配合を調整し、美味しく食べられるような試作・試食を行います。ドイツパンは小麦粉とライ麦粉を組み合わせて作られるものが主流です。ライ麦粉を用い、発酵をよくするためのサワー種をいれることで、少し酸味がある独特な味わいになります。この、ライ麦粉の配合の割合で味わいが異なってきます。そのため、ドイツパンを食べなれていない人でも美味しく食べられるような作り方を考えました。
また、ドイツパンと一緒に食べる食材も考えました。ライ麦粉が入ったドイツパンは単独で食べるよりも何か具材と一緒に食べるとより美味しく食べられます。本場のドイツではチーズをのせて食べたり、卵を挟んで食べることが多く、チーズや卵にも様々な種類や調理法があるため、楽しみ方や好みは様々あると思いますが今回の試作・試食では昼食に持っていけるようなパンを中心に考えました。より簡単に、そしてボリュームのある食べ方を考案します。また、ドイツで食べられている具材の他に、日本特有の食材などをドイツパンと合わせたものも新しい食べ方として提案します。今回の発表を通して、パンを食べる際の新しい選択肢となれるよう、ドイツパンの魅力を発表します。
紅赤
【4.地域振興 / 9.メニュー提案 / 10.食材の可能性】
紅赤は、明治31年、現在のさいたま市浦和区の山田いちさんに発見され、今年で120周年を迎える品種です。当時は、とても甘いいもとして人気がありましたが、植え付け適期が短く、肥料や土質の適応力や病害虫抵抗性が低く貯蔵性が悪いため、とても栽培がしにくい品種です。
そのため、生産する農家は激減し、作りやすい紅あずまが開発されていき、現在では出回りも少なく「幻のさつまいも」と呼ばれるようになりました。
さつまいもは肉質により、粘質のねっとり系、粉質のホクホク系、その中間のしっとり系に分けられます。甘さは、ホクホク系は甘さが控えめで、ねっとり系になるにつれて段々と甘くなっていきます。紅赤は秋の収穫時期にはホクホク系に分類されますが、春先にかけて甘さが増ししっとり系に変化していきます。
実習の目的としては、紅赤は、歴史のある品種ですが現在では出回りも少ないため、全国的な知名度はあまりないように感じています。実際に5月末、若葉祭で男女約300人にアンケート調査を行い、半分以上は「知らない」という結果でした。そこで、より多くの人に紅赤のホクホク感、自然な甘みやなめらかな食味など、たくさんの魅力を知ってもらえるように、紅赤の特徴について紹介し、さらにメニューを提案してきました。甘さが控えめという紅赤の良さを生かした調理法・利用法を紹介しています。
実習内容としては、紅赤の歴史・特徴についてと、さつまいもの成分の特長、簡単に作れる料理(さつまいもコロッケ・さつまいものいももち)を紹介してきました。
さらに、紅赤の良さを生かしたレシピや、スティックポテトのたれやトッピングなど、新たな食べ方を提案していきます。また、12月1日に行われる紅赤の生誕120周年をお祝いするイベントに向けた、「食べ歩き」や、ちょっとつまめるもの、簡単に作れて美味しい料理も提案します。
”豆乳ヨーグルト”
【9.メニュー提案 / 10.食材の可能性 / 17.健康・美容】
“豆乳ヨーグルト”をより多くの人に知ってもらい、美味しく食べもらいたい。という目的からこの実習を始めました。あまり名が知られていない”豆乳ヨーグルト“ですが、これはその名の通り豆乳を原料に発酵させています。本来、ヨーグルトは牛乳を原料に乳酸菌を使って発酵させています。
”豆乳ヨーグルト“も同じく乳酸菌を使用して発酵させていますが原料と使用する乳酸菌の種類が異なります。ここで使われているのは、「京都三大漬物」と呼ばれている「すぐき漬け」や長野県の伝統漬物である「すんき漬け」などの漬物や味噌、醤油などからとった植物性発酵食品由来の乳酸菌です。これは酸の強い環境下で育ってきたため胃酸などの消化液に分解されることなく腸まで届きそのパワーを発揮してくれます。
ヨーグルトには、整腸作用・免疫力アップ・血中コレステロール値の低下などの力があります。ヨーグルトに含まれる乳酸菌が腸内の悪玉菌を退治し腸内環境を整え便秘の予防・改善の手助けをしてくれます。また、「サイトカイン」と呼ばれる免疫活性物質の分泌を促す効果もあり腸内環境が正常に保たれることで免疫力がアップします。そのほか、胆汁酸を体外に排出して余分なコレステロールを出すことからコレステロール値の低下も期待されます。このように、ヨーグルトは様々な健康効果をもたらしています。
一方で、”豆乳ヨーグルト“には課題もあります。それは、味です。豆乳を使用していることから大豆特有の臭みがありその味が苦手という人もいます。さらには砂糖が使用されていないものは甘味も感じられずヨーグルトの酸味が少し感じられる程度で美味しいとはいえませんでした。そこで、前回の発表では”豆乳ヨーグルト“にグラノーラやはちみつを加えるなどトッピングで手軽に美味しく食べるアレンジ方法を提案しました。今回の発表では、さらに”豆乳ヨーグルト”の幅を広げるために料理やデザートにも取り入れられるよう提案をします。”豆乳ヨーグルト”を知らなかった人・食べたことがない人、苦手だと思っていた人にも食べて、その魅力を感じて食事や料理に利用していただけたらと思います。
行き場を失った農産物 / ~規格外の食材の行方~
【5.情報発信と表現 / 10.食材の可能性 / 11.食の問題】
規格外野菜をどのように考えますか。
傷ついた野菜?まっすぐに成長できなかった野菜を想像するでしょうか?
一般的に規格外野菜とは、大きさ・色・形などが市場規格に適していない野菜のことを指します。このような野菜は外見上の理由から、市場に出回ることも無く廃棄処分されることがほとんどです。
しかし、規格外野菜は形がよくても生じる問題でもあります。きゅうりでは1.6cmでも曲がったら、成長しすぎた食材たちは既定の重量を超えると除外の対象になるのです。
もちろん、規格化にはきちんとした理由もあります。市場規格を統一することで、商品のばらつきがなくなり、梱包や運搬がしやすいということ。また、どこの産地の食材も形が皆同じであれば一緒にスーパーに並べられるというメリットがあります。
規格化には、規格化なりの理由がきちんとありますが、一方でこの規格が厳しいために、市場へ出荷できず、処分されている野菜も存在するのです。
では、廃棄野菜となる規格外品を安く消費者に提供すればいいのではないだろうか?
そんなことも頭によぎりました。しかし、味が同じなら形が多少悪くても安いものを手に入れたいと考える人が増えたらどうなるのでしょうか。一消費者の意見ですが、安さを優先する消費者にとって今度は正規品が売れなくなります。消費者の野菜摂取量が増えない限り、正規品と規格外品を市場に出すのにはバランスが取りにくいのです。
このような現状を踏まえたうえで、食材を出来るだけ処分せずに有効利用できる方法を考えています。フィールドワークや加工(乾燥)品の製作を通して生産農家さんのサポートとなれることはないか実習を進めていきました。そのなかで、規格外品を異なる形として販売している団体に注目し、規格外野菜の可能性について追及してきました。
簡単に解決できる問題ではありませんが、この機会に少しでも関心を持つ人が増えてくれることを願います。
納豆とやくみの関係
【1.日本の食 / 9.メニュー提案 / 10.食材の可能性】
私は毎日毎食食べたいくらい納豆が大好きです!もっとおいしい食べ方や新しい味はないかと考えながら色々な「やくみ」と組み合わせて食べていました。納豆単体でもおいしいですが、「やくみ」を使用してよりおいしく食べることができるのではないかと考えました。
さてみなさんは納豆を好きですか?それとも苦手ですか?納豆を苦手な人も少なからずいるはずです。その理由は何かを聞いてみると「独特なにおい」や、「ネバネバした糸の食感」が苦手だという意見が大変多いことがわかりました。苦手な人でも納豆をより食べやすくする方法を「やくみ」の利用や調理方法の工夫をもとに料理提案をします。
納豆を食べる際にみなさんは様々な「やくみ」を使用していることが多いでしょう。私の研究では付属のたれや辛子、家庭の醤油や塩を使用すること、まぐろやしらすと一緒に食べることなど、全ての食品において納豆と組み合わせて食べるものを「やくみ」と考えました。実際、納豆の嗜好についてのアンケートと、「やくみ」に使用する食材、どんな納豆料理にして食べるかについてインタビューしそれを解析、考察しました。
その結果から、「やくみ」に使用する食材はねぎやキムチなど香りが強いものが多く、料理としては納豆ご飯で食べる人が多いということが解りました。「ネバネバした糸」は加熱調理すると切れることや、「におい消し」には、納豆の場合アルカリ性のにおいなので酸性のやくみを使用する中和方法や、更ににおいの強い「やくみ」を混ぜるマスキング方法、加熱調理をして匂いの物質をとばす方法があります。
つまりは、これらを組み合わせでできた納豆料理こそが、苦手な人でも納豆を食べやすくする方法なのだとわかりました。
家庭の食卓の中で大豆そのものを摂ることは少なくなっています。納豆は手軽に食べやすく、大豆の栄養が余さず摂れる優れた食品です。日本の伝統食である納豆についてより多くの人が改めて興味を持っていただけたら嬉しいです。
ハーブティーをもっと身近に
【9.メニュー提案 / 10.食材の可能性 / 15.五感で楽しむ・五感で味わう】
皆さん有川浩さんの図書館戦争という小説をご存知ですか?私はこの小説を読み、作中に出てくる“カモミールティー“に興味を持ちました。
カモミールティーを知るまでは、ハーブティーを全く飲んだことがなく、初めて飲んだ時に何故今まで飲んでいなかったのだろうと思うほど感激しました。
しかし、特有の香りや味のするハーブティーが苦手という方も多いように見受けます。私はカモミールティーをはじめとするハーブティーを皆さんにも知って飲んでほしく、またハーブティーに苦手意識を持っている人に少しでも美味しさを伝えたいことからこの実習を始めました。
この実習の目的は3点…
・ハーブティーに苦手意識を持っている人に少しでも美味しさを伝える
・カモミールを使用したオリジナルブレンドティーを考案する
・ハーブティーの中で私が最も好きなカモミール(ジャーマンカモミール)を自分で栽培する
6月の発表会では3番目の栽培について発表しましたが、今回は1、2番目の事について発表します。
オリジナルブレンドティーを作るに当たって考えていることは、『カモミール×○○』のものを考案すること、複数の食品を使用しないことです。理由としては、カモミールの本来の味を生かしたオリジナルブレンドティーを考案したいからです。また、既に商品として販売されているカモミールティーもあります。さらに、複数の食品を使用することで手間がかかり、苦手意識をもった人が挑戦しづらいのではないかと考えたからです。このことから誰でも手に入れ易い食品を使用した、カモミール本来の味が楽しめるものを試作しています。
ハーブティーに苦手意識を持った人が少しでも興味を持ち、試してみたくなるような、簡単且つ美味しいオリジナルブレンドティーを紹介していきます。
平口 嘉典ゼミ
メロン王国いばらきの魅力 / ─メロンで地域振興─
【4.地域振興 / 6.生産者と消費者をつなぐ / 10.食材の可能性】
【背景】
5年連続で、地元である茨城県が都道府県魅力度ランキング最下位である。そのことから茨城県の魅力度をあげたい、そして、まだ茨城県のイメージとして浸透していないメロンを通して振興していきたいと考え、実習のテーマにした。
【目的】
本実習の目的は、地元の茨城県を特産品で振興することである。そのために、はじめにメロンの生産・販売の現状などを把握するため、関係機関にヒアリングをおこなった。次に茨城県鉾田市が主催した「ほこたメロンフェス」に参加した。さらに、メロンを使用したスイーツを考案した。
【調査結果】
茨城県のメロンは、産出額、作付面積、収穫量が全国第一位であり、県内の主な産地は鉾田市、八千代町、茨城町である。茨城県は様々な種類のメロンを栽培していて、イバラキングメロンというオリジナル品種も開発していた。
茨城県産メロンのPR活動では、メロン最盛期の5~6月に県内や都内でイベントやフェアが盛んに行われていた。茨城県産メロンのPR活動を知るために、5月に横浜ベイクォーターで開催された「ほこたメロンフェス」にイベントスタッフとして参加した。そこで鉾田市役所と共催でアンケートを実施した。結果、茨城県がメロン生産量日本一であることはほとんど知られていないことが分かった。しかし、イベント開催が茨城県や県産メロンを知ってもらう良い機会になったと感じた。
茨城県産メロンをさらに広めるためには、メロンの収穫時期以外にも年間を通じて販売できる加工品が必要と考え、スイーツを考案した。
【まとめ】
イベント参加を通して、茨城県産メロンの知名度はまだまだ低いことが分かった。今後は茨城県産メロンを徐々に知ってもらい、さらに、茨城県産メロンをきっかけに茨城県の魅力も知ってもらうことが重要である。
会津伝統野菜 / 会津産米と地酒と共に伝える
【1.日本の食 / 3.食の歴史をひもとく / 4.地域振興】
<実習背景>
私の生まれ育った福島県は、7年前の東日本大震災でついた負のイメージを完全には払拭できていない。美味しい食べ物がたくさんあり、歴史がある魅力的な場所である。地元会津若松市を取り上げ、その中でも伝統野菜の魅力を伝えることで、福島のイメージアップにつなげていきたいと考えた。
<目的>
会津に古くからある伝統野菜を取り上げ、会津ならではの良さをPRすると共に、会津産米と地酒を一緒に取り上げ福島の魅力を伝えたい。会津産米と地酒を伝統野菜と合わせて紹介することによって、地元の方に身近に感じてもらうと共に、県外の方には3つセットで楽しんでもらえるようになって欲しいという考えからである。
<調査結果>
会津伝統野菜とは、会津地方で古くから親しまれ栽培されてきた会津古来の在来種の野菜である。会津の気候、風土、肥沃な大地の恩恵を受けて会津独自の食文化をつくってきた。一度は廃れたものの、近年少しずつ生産量が増えており、現在、15種類の野菜が栽培されている。
次に、今回は、会津若松市農政課へ訪問し、会津産米のブランド化についてのヒアリングを行った。会津地方は、寒暖の差が大きく、山からは豊かな水流が流れ込む地域で、美味しい米づくりに適しており、会津産コシヒカリは「食味ランキング」で過去20年間中、18回も「特A」を獲得していた。さらに、栽培方法や食味などによって厳選した米を、集荷業者が共同し、統一したブランディングやPRを行うことで、会津産米価格の維持・向上を目指していた。
最後にこれまでの調査結果をふまえて、会津にある魅力的な米や地酒、食の伝統や文化を作ってきた伝統野菜を合わせた冊子を作成した。
<まとめ>
今回作成した冊子を福島県内外の方に見てもらい、米に合う、日本酒に合う伝統野菜のレシピや新しい日本酒の飲み方を知ってもらいたい。そして、少しでも福島県のマイナスイメージをなくし、素敵なところであることを知ってもらいたい。
食べてまわろう群馬県 / ―富岡のごちそう―
【1.日本の食 / 4.地域振興 / 5.情報発信と表現】
<実習背景>
私の地元である群馬県富岡市には世界遺産に登録された富岡製糸場がある。登録当時は観光客で賑わっていたが、登録から4年が経った現在まで観光客は年々減少している。そこで、誰もが共通する「食」でアピールを行い、富岡の街を活性化させたいと思い、このテーマにした。
<目的>
本実習では群馬県富岡市のPR状況や食の歴史を調査し、PR方法を考え、地域活性化に繋げることを目的とする。具体的には、富岡市観光課へのヒアリングや市内飲食店経営者へのインタビューをもとに、製糸場と食を関連付けて富岡の魅力を市内外へ発信する方法を考える。
<調査結果>
富岡製糸場は2014年6月に世界遺産登録され、最高で134万人が来場したが、平成29年度は63万人に半減した。市観光課へのヒアリングによると、現在では個人客に比べ団体客が多いとのことだった。鉄道会社と連携して観光パンフレットを作成し、女子旅などをアピールすることで観光客へPRを行っていた。
富岡市には製糸場だけではなく、おっきりこみ、焼きまんじゅう、ホルモン揚げなど魅力のある郷土料理やB級グルメがあり、そのほとんどは製糸場付近に存在していることが判明した。そこで、富岡に訪れたからには製糸場だけでなく、富岡の食も味わって欲しいと考え、食と製糸場を関連付けた食べ歩きのルートマップを作成することとした。リピーターが少ないことから、初めて富岡に訪れた方と2回目以降の方に向け、2つのルートを考案した。特に若い観光客が少ないという現状から大学生での目線を意識し、数多くある飲食店から6店舗を選んでインタビューを実施した。作成したマップは、上州富岡駅や観光案内所に配置した。
<まとめ>
マップ作成にあたり、観光客の目線で富岡の街を歩くことで、自分の知らなかった富岡の食の魅力を新たに発見することができた。またインタビューでは、多くの経営者から新たなことにチャレンジする意欲を感じた。このことから、今まであるものを大切にするだけではなく、新しいものを含めて市内外に発信していくことが地域活性化のために重要であると考える。
意外に知らない横浜の農業! / 横浜ブランド農産物のPR
【4.地域振興 / 5.情報発信と表現 / 6.生産者と消費者をつなぐ】
【実習背景】
私の地元である神奈川県横浜市は観光地が多く、都会のイメージが強い所であるが、市内では、農業が盛んであることを知った。地元民にはあまり知られていない「横浜市の農業」を少しでも広めたいと思い、実習のテーマとした。
【目的】
市民の農業への認知度を少しでも上げるため、横浜市産の農産物を通して、「農ある横浜」という新たな一面を発信することを目的とする。具体的には、横浜市農業に関わる横浜市環境創造局みどりアップ推進部農業振興課、横浜市農産物直売所「ハマッ子直売所」へのヒアリングによって横浜市農業の現状・課題を把握し、PR方法を考える。
【調査結果】
横浜市では、都市型農業が行われており、農地面積は横浜市内のおよそ7%を占め、5000名ほどの生産者がいる。PR活動の一つに、横浜ブランド農産物「はま菜ちゃん」がある。平成10年に誕生し、市内で生産される野菜・果樹30品目が認定されている。新鮮・おいしさ・高品質・安定供給などをキーワードにしており、結束テープや袋にロゴマークを印字してPRされている。課題として、農業従事者の高齢化や、横浜農業の認知度が上がらないことが挙げられた。
次に、横浜市産農産物の販売の現状と課題を知るために、農協が直営する農産物直売所にヒアリングを行った。直売所経営の課題として、生産者の努力に見合った価格設定の維持、直売事業の黒字化、専門的な知識を身に着けた人材の育成の3点が挙げられた。
これらの調査を踏まえ、横浜農業をPRするために、横浜ブランド農産物「はま菜ちゃん」のおにぎりレシピを考案した。
【まとめ】
横浜市農業が市民に広く浸透するには、まだなお時間を要するが、直売所など、市民の目に触れる場所にレシピなどのPR媒体を置くなどすれば、横浜市野菜の新鮮さやおいしさを市民に伝えることができるだろう。今後も継続的に市民への情報発信をおこない、今以上に地元の魅力を伝えていくことが重要である。
食で伝える香川の魅力 / ―三豊市産農産物のPRを通して―
【4.地域振興 / 6.生産者と消費者をつなぐ / 9.メニュー提案】
<実習背景>
私の出身地である香川県は讃岐うどんが有名である。しかし、香川県の特産品はうどんだけではなく農産物にも多くの特産品がある。そこで、私の地元である三豊市が主要産地となっているブロッコリー、レモン、ピオーネ、ももの4品目に焦点を当てPRを行うことで、うどんだけではない香川県の魅力を知ってもらい地域振興につなげたいと考え、実習のテーマとした。
<目的>
本実習では、三豊市産農産物を通して香川県の農産物の魅力を県外の人々に伝え、認知度向上や消費拡大を目的としている。生産者や直売所へのヒアリングを通して生産や販売の現状を把握する。さらに、調査結果をもとに新メニューを考え、首都圏を中心にPR活動を行う。
<調査結果>
ブロッコリー、レモン、ピオーネ、ももの4品目について調べたが、以下レモンについて述べる。香川県はレモンの生産量が広島県、愛媛県に続き全国第3位である。そして香川県全体で生産されるレモンの96%が三豊市産である。主な出荷先は県内の他、東京都、兵庫県である。
生産の現状を知るために生産者へヒアリングを行った。農業経営の課題として、需要が高く生産が追い付いていないことや防腐剤を使用していないことで「かいよう病」という病気にかかりやすくなるため病気の対策が必要であること等が挙げられた。また今後の予定では、広島県、愛媛県とともに「瀬戸内レモン」として地域団体商標の登録を目指すとのことだった。
以上の調査結果を踏まえ、香川県産農産物を今以上に県外の人に知ってもらうために、レモンをはじめ香川県産農産物を使用したレシピを考案し、都内のアンテナショップにおけるレシピカード配布等、首都圏でのPR方法を検討した。
<まとめ>
県外の人を対象に認知度を向上させるためには、イベントやPR活動を地道に続けていくことが重要である。新たに食材の活用法を提案したり、試食配布を行うことでその食材について知ってもらうきっかけになるだろう。また、生産者の声を届けることで、消費者はその食材について関心を持ち実際に手に取ってくれるようになるだろう。
廃校で町を元気に! / ―廃校活用による地域振興―
【1.日本の食 / 4.地域振興 / 9.メニュー提案】
【実習背景】
少子化の影響による児童数の減少により、毎年多くの廃校が発生している。その中で廃校を活用した道の駅が地域を活性化しているということを知った。廃校を資源として活かし、地域振興を行っている地域があるということに関心を持ち、実習のテーマとした。
【目的】
本実習の目的は、廃校活用の事例を調査し、実際に活動に参加することにより、新しい地域振興の形を学ぶことである。そのために、はじめに廃校活用の実態を知るために都市農山漁村交流活性化機構の方にヒアリングを行った。次に廃校活用施設の取り組みに参加し、廃校活用が地域へもたらす効果について考えた。
【調査結果】
文部科学省の調査によると年間で400~500校が廃校となっている。廃校活用の現状としては校舎が現存するもののうち7割が活用されている。活用用途は社会体育施設が多いが、他にも道の駅の様な体験交流施設など地域の人々の工夫で新たな施設としてよみがえっており、その用途は地域が抱える課題によって様々である。
廃校の活用用途について調査を進めると、交流施設として活用された施設には食に関わる取り組みを行うものが多いということが分かり、交流施設として開設された事例に焦点を絞り、千葉県と埼玉県の2つの施設でヒアリング調査を行った。調査では、廃校ならではの魅力を感じる一方で地元の方の利用が少ないという課題が挙げられた。
廃校活用施設の実態を知るために、埼玉県の廃校を活用して造られたカフェでの取り組みに参加した。地元の食材を使用したメニューの開発や、カフェで行われるイベントの運営に携わり、様々な視点から廃校活用が地域へもたらす効果について考えた。
【まとめ】
少子化の影響により毎年多くの廃校が発生しているが、その多くが新たな施設として生まれ変わっている。廃校活用施設が人々の交流の場となり、地域内外の人から親しまれる存在になることが、地域活性化へつながる第一歩となるのではと考える。
「なまずの里 吉川」を知ってもらい隊! / ─吉川に来て、なまず食わずなかれ─
【1.日本の食 / 4.地域振興 / 10.食材の可能性】
【背景】
私の地元である埼玉県吉川市は、「なまずの里吉川」としてなまず料理をはじめとする河川料理の歴史がある。しかしこのことはあまり知られておらず、吉川市自体の知名度も低い。そこで、なまずを通じて吉川市の魅力を多くの人に知ってもらいたいと思い、実習テーマにした。
【目的】
本実習では、吉川市の名物であるなまずの現状を把握し、市内外の人に吉川のなまずを知ってもらうことによって地域振興を図ることを目的とする。現状把握のために、文献調査、市役所や市内料理店などへのヒアリング、市内イベントへの参加などを行う。これらの取り組みによって吉川のなまずの魅力を発信し、知名度向上に貢献する。
【調査結果】
吉川市は、川に挟まれた地形を生かし、古くから川魚文化が根付いてきた。川では漁を知る人や川遊びをする子供たちが見られ、家庭ではなまずのたたき揚げなどが郷土料理として親しまれてきた。これがなまずの里といわれる由縁である。
第1回発表会までの活動では、吉川市役所やなまず養殖場へヒアリングを行い、吉川なまずの里マラソンにてなまずのたたき揚げ販売手伝いを行った。発表会後は、文献調査、イベント見学、料理店へのヒアリングなどを行った。
本年7月1日、市内でなまずの日記念イベントが開催され、シンポジウムをはじめ、なまず関連グッズ販売やなまず触り体験、なまず料理の販売などが行われていた。そこで提供されたなまず料理は、たたき揚げや春巻き、コロッケなどがあり、揚げ物が多い傾向にあった。
また、市内の料理店にもヒアリングを行い、なまず料理に取り組む経緯や現状を把握した。
【まとめ】
この実習を通して、吉川市におけるなまずに関する取り組みの現状を知り、理解を深めることができた。また吉川のなまずのPR活動に加わり、その魅力を伝えることができた。今後は、市内外のイベントで、なまず料理をさらに発信していくことで、吉川のなまずや吉川市の魅力を多くの人々に知ってもらうことができるだろう。
行田フライによる地域振興
【1.日本の食 / 4.地域振興 / 10.食材の可能性】
【実習背景】
埼玉県行田市には、昔から食べられているご当地グルメ「フライ」がある。しかし販売店舗も少なくなり、フライの認知度が低くあまり知られていない。フライをもっと多くの人に知ってもらいたい、食べてもらいたいという思いから実習のテーマとした。
【目的】
本実習の目的は、フライの認知度を上げ、フライを通して地域振興を行うことを目的とする。そのために行田市役所やフライ・ゼリーフライ研究会、店舗の方へのヒアリングを行った。さらにお店の味を家でも食べられるようにレシピ作成を行った。
【調査結果】
フライは小麦粉を水で溶き、鉄板の上で薄く焼きながら具材を入れ、お好みでソースや醤油をつけて食べるシンプルな料理である。
行田市役所商工観光課は、フライ店舗へのイベント出店の声かけ、フライ・ゼリーフライマップの作成、フライのキャラクター着ぐるみでのイベント参加、アプリ運営を行っていた。
フライ・ゼリーフライ研究会は、ゼリーフライの存続・普及を図るとともに、地域の活性化と町おこしに寄与することを目的に活動している団体である。市内外や県外のイベントへの参加、小学生へのゼリーフライ教室を開いている。
フライ店の店主へのヒアリングから、来店客は観光客や地元の若い人は少なく、地元の高齢者が大半であることが分かった。また、店主の高齢化、後継者不足が問題点であった。
お店で食べるフライが家でも作れたら良いと思い、お店の方に協力していただきフライ講習会を開いた。実際に作り方を見学し、それを元に家庭でも本格的なフライが作れるレシピを作成した。
【まとめ】
調査を通じて、フライは地元の高齢者から親しまれている食べ物であるということが分かった。今後は市内外のイベントでフライの提供やレシピ配布を行うことで、フライをより多くの人々に知ってもらうことができるだろう。
ブルーベリーの町に触れる / ―埼玉県美里町レシピ提案―
【4.地域振興 / 6.生産者と消費者をつなぐ / 9.メニュー提案】
<実習背景>
埼玉県美里町ではブルーベリーの植栽面積が市町村別で国内最大級である。また美里町マスコットキャラクターとしてブルーベリーをモチーフにした「ミムリン」が存在している。しかし、私自身の地元も埼玉県であるにもかかわらず特産品として栽培しているというイメージがなかったため、特産品のPRと町の活性化に貢献したいと考え、実習のテーマとした。
<目的>
本実習では美里町で栽培・加工されているブルーベリーをPRし、町を活性化することを目的とする。そのため第1に現状把握のために町役場の農林商工課や生産者へのヒアリングを実施し、第2にブルーベリーを使用したレシピ提案やイベント参加、試食配布等を実施する。
<調査結果>
美里町では桑園跡地の遊休農地化を防ぐために新たな作物への転換を図ろうと、「観光果樹園100町歩構想」事業を実施した。この事業では町を「果樹の甘い香りにつつまれたフルーツの里」にするために、ブルーベリーをはじめ、4種類の果樹栽培が取り組まれた。特にブルーベリーは美里町の気候によく合い、町の特産品となった。現時点の課題として、ブランド化を見据えた生の果実の品質管理、通年を通してブルーベリーを売り込むための加工品開発、観光客の誘客の3点が挙げられた。
以上の課題を踏まえて、役場および観光農園の経営者にブルーベリーを使用したレシピ提案を行なった。そしてレシピの一部を町の広報に掲載してもらった。また町内の直売所で開催されたブルーベリー祭というイベントでのお手伝いやブルーベリーの加工品を使用した試食配布を実施し、あわせてレシピ配布とアンケート調査を行なった。
<まとめ>
町を活性化するのは容易ではないが、この実習を通じて様々な方と交流をし、提案していく中でブルーベリーのPRに微力ながら貢献できた。同時に継続的に取り組む事の大切さも改めて気づかされた。今後、美里町のブルーベリーのPRや美里町ならではのブルーベリーの加工品を開発し、観光農園にもこれまで以上に足を運んでもらう事が重要であると考える。
ひとつまみの幸せ / ─鶴ヶ島サフランによる地域振興─
【4.地域振興 / 7.お店の企画・運営 / 9.メニュー提案】
背景:
埼玉県鶴ヶ島市ではサフランを特産化する動きがあるが、国産のサフランの存在自体一般消費者に認知されていないのが現状であり、知名度の向上が課題となっている。
目的:
本実習では、さらなる鶴ヶ島サフランの可能性を広げ、市民・市民外の方へ発信することを目的とする。そのために市役所、サフラン農家へのヒアリングを行い、鶴ヶ島サフランの現状を知る。また、市内にて鶴ヶ島サフランを使用したカフェ営業を行い、サフラン料理を提供することでサフランの利用法と、知名度を上げ、地域の発展とサフランの普及拡大に取り組む。
結果:
市内のサフラン農家にヒアリングを行ったところ、農家の高齢化による後継者問題やサフランの用途に悩む意見が挙げられた。そこで、サフランをもっと身近なものとして認知してもらいたいと考え、鶴ヶ島サフランを使用した料理を提供するカフェ運営を企画した。
カフェではお年寄りから若い世代まで食べやすいサフランのランチプレートを考案し、鶴ヶ島市チャレンジショップ「つるカフェ」においてカフェ営業を行った。サフランとサフランの球根の販売も行い、販路の拡大を試みた。カフェ営業の模様は複数のメディアに取り上げてもらい、多くのお客様に来店していただいた。
また、鶴ヶ島市の産業まつり内にて開催される「サフランフェスタ」にてサフランを使用した料理を提供し、普及拡大を図った。
まとめ:
現状では、鶴ヶ島サフランの認知度は低く、まずは関心を持ってもらうことが大切である。今回、カフェ営業を通して、気軽にサフランの使用方法を知ってもらうきっかけを作ることが出来た。また、メディアによる発信のお陰もあり、多くの人にサフランを知ってもらうことが出来た。しかし、サフランを生活の中に取り入れるための一番のハードルは、購入出来る場所が身近にないことである。実際に手にとって利用してもらうためには、より多くの店で積極的に鶴ヶ島サフランを販売してもらうことが重要であり、今後の課題である。
埼玉寿司、はじめました。 / ─海なし県埼玉の食材でお寿司の提案─
【4.地域振興 / 8.商品開発】
【実習背景】
私は大学入学をきっかけに埼玉県まで足を運ぶことが増えた。埼玉は「海なし県」と言われる中、実は野菜が豊富に採れ、地域ごとにたくさんの特産物があるということを知った。そのため、県産の野菜や各地域の特産物を使って「埼玉寿司」という海魚を使わないお寿司を考案した。より埼玉県の魅力や特産物を伝えていけたらと思い、このテーマにした。
【目的】
本実習では、埼玉県の野菜や特産物を県内外の人々に知ってもらうことを目的にする。その手段として「埼玉寿司」を考案し、埼玉県の地産地消と地域貢献につなげていきたい。
【調査結果】
埼玉県の農業の概要としては、耕地面積が75,800haで耕地率は全国で第4位(20.1%)である。また、農業産出額の半分を野菜が占めており、地域ごとに伝統野菜も栽培されている。
県内で栽培されている伝統野菜やキノコなどを使用し、「野菜寿司」の取り組みをされている寿司割烹山水の店主にヒアリングを行った。現時点で野菜寿司取扱店舗数は20ほどで、それらのお店にはお寿司の種類が2.3種類しかない所もあり、もっと増やさないといけないことが課題だという。
また、山水の店主に野菜寿司の作り方や握り方を実際に教わった。たくさんの種類の野菜やキノコ、木くらげなどを扱い、すべてをだしで下茹し味付けをしてからネタに使用していた。
この講習会を元に吉川市、美里町、行田市、川越市、鶴ヶ島市、皆野町、さいたま市の7つの地域で採れる野菜や特産物を使って「埼玉寿司」を考案し、レシピ集にしてまとめた。さらに、より多くの方々に知ってもらうために、情報発信の方法を検討した。
【まとめ】
今回の埼玉寿司の取り組みを通して、今まで知らなかった埼玉の地域や特産物を知ることができた。また、地域によって特産物が様々で、どういう風にお寿司にするか、構造やレシピを考えることが難しかった。今後も調理・加工の面から、県産野菜と特産物を?していくことが重要である。
川越のおいしい地場野菜を市民に / ―公園朝市の活性化―
【4.地域振興 / 5.情報発信と表現 / 6.生産者と消費者をつなぐ】
【実習背景】
地元川越市のホームページで川越産農産物のロゴマークが作成されたことを知り、川越産農産物のPRに関心を持った。川越市の農業の現状や取り組みを知り、自分なりに川越産農産物をPRすることにより、市の農業を振興できるのではないかと考え、実習のテーマにした。
【目的】
本実習の目的は埼玉県川越市を対象とし、市民に川越産農産物について知ってもらい、購入してもらえるようにPRし、地産地消と地域振興に繋げていくことである。
そのために市中心部で行われる公園朝市を活性化させて、観光地としてのイメージの強い川越の違った一面を川越産農産物のPRを通して広める。
【調査結果】
公園朝市は、市内12名の生産者で組織する川越市農産物直売会により、市中心部の商店街に隣接する公園で毎月第一土曜日に開催されている。この公園朝市に、継続して手伝いに行き、事前のチラシ作成と利用客へのアンケートを行った。朝市の利用客は常連が多く、アンケートでは公園朝市を利用する理由として、鮮度の良さや値段が安いことだけでなく、地元の野菜が手に入ることがあげられ、地産地消への関心の高さがうかがえた。
また生産者へのヒアリングから、生産者にとって朝市の良いところは利用客と話ができるところであり、朝市は生産者と利用客のコミュニケーションの場であることが分かった。
以上をふまえ、公園朝市と川越産農産物をPRするために川越産農産物を使用して簡単に作ることができるお菓子のレシピを考案した。
【まとめ】
公園朝市の市民への認知度は低く、利用者も多くないが、地産地消への関心の高い常連客に利用されているため、今後も生産者の無理のない範囲で継続していくことが重要である。さらにSNSやチラシ配布等の情報発信によって広くPRし、新規顧客を取り込むことも重要である。
公園朝市に多くの人が集まるようになれば、川越産農産物の販売が促進されるだけでなく、市街地に賑わいが生まれ、地産地消と地域振興が同時に実現されるのではないかと考える。
農家カフェのチカラ / ―埼玉県さいたま市の事例から―
【4.地域振興 / 7.お店の企画・運営 / 9.メニュー提案】
【問題背景】
埼玉県は『陸の孤島』と呼ばれるようにマイナスイメージが強いが、このイメージを私の地元である、さいたま市の「農」から払拭したいと考えた。市内には魅力あふれる農家カフェが存在し、その魅力を多くの人に伝えることをテーマとした。
【目的】
本実習では、さいたま市の農業や農家カフェが、さらに活性化する方策を提案することを目的とする。そのために、市内の農家カフェの現状を把握するとともに、自分でカフェ営業を行い、農家カフェをPRするための手がかりを見つける。
【調査結果】
さいたま市農業政策課へのヒアリングより、総人口が増加する一方で、農家人口は減少していること、伝統野菜やヨーロッパ野菜が積極的に生産・PRされていることが分かった。
次に、さいたま市緑区にある農家カフェ「射光どっと」へのヒアリングから、生産者の顔が見えることが安心・安全につながる点が農家カフェのメリットであることが考えられるが、人手不足や後継者問題などの課題もあった。
また、9月・10月の2ヶ月限定で、週に1度、鶴ヶ島市のチャレンジショップ「つるカフェ」においてカフェ営業を行った。全6品のワンプレートランチのうち、さいたま市産の野菜を使った、里芋とほうれん草の和風キッシュとさつまいもの肉巻きの2品を担当した。6品のレシピカードを店内に準備したが、これを持って帰ってくださるお客様も大勢いたので、カフェ内でさいたま市産の野菜を販売すればさらにPRに繋がったのではないかと思われる。
【まとめ】
実際にカフェを営業することで、お客様が野菜を使用した料理やその作り方に関心を持っていること、料理の見た目を重視していることが分かった。今後は、色鮮やかなヨーロッパ野菜等を取り入れることでお客様の興味を引くことができるだろう。さいたま市の農家カフェは、都心からのアクセスが良く、身近に自然を感じながら地場産野菜が楽しめる場であり、これらの点をPRしていくことが重要である。
平野 覚堂ゼミ
食堂のはなし
【14.食と空間・食シーン / 16.食とエピソード / 18.人間・生活・環境】
現代には溢れるほどに沢山の飲食店がある。その中で、食堂を選ぶ人はどれだけいるだろうか。そもそも私と同世代の人たちは、食堂と聞いて具体的にイメージはできるだろうか。
調べてみると、食堂の定義にははっきりしたものがない。そのため、私は従来の定義をもとに食堂を再定義することにした。
「1.白飯があること 2.和洋中華があること3.安価であること」。正直にいうと、定義はそれほど気にしない。なぜなら、食堂のルーツには曖昧な部分があるからだ。例えば、あんみつなどを出す甘味処が、ラーメンやごはんものを出すようになったとか。ここで大事なのは、研究する食堂が大衆食堂ということ。定義はそれを分かりやすくするためである。
食堂は家で食べるごはんと外で食べるごはんの間に位置する。
家庭的なようで、それほど家庭的でもない。絶妙な距離を保ちながら、ごはんを食べる。基本的に一人の空間ではあるが、どこか一体感や、温かみがあり、人間らしさが食堂にはある。
背筋も伸びるほどの美味しいごはんも食べたいけれど、食堂のおばちゃんがいて、ちょっとクセのある人がいたりして、普通にうまいごはんがある食堂が気になってしまう。
たくさんの飲食店に囲まれる私たちの世代には、食堂を遠いものに感じる人もいるだろう。しかし、もともと食堂は日常に近いものである。日常に近い分、1回行くだけの関係ではなくて、ずっと続く関係がある。長年通っていそうなおじちゃんが店に入ってからの、食堂のおばちゃんとの無言の連係プレーは見事である。ある食堂のおばちゃんは、カウンターの中でナポリタンを食べている。そうかと思えば、一人暮らしの若者の悩みを聞いていたりする。
普通の飲食店では許されにくいことにも、愛着さえわいてしまうことがある。むしろそんなシーンもっと見たいと思ってしまうことさえある。なぜなのか。
食堂には特別派手なものではないけれど、そこには、普通にうまいごはんがあり、気取らない人たちがいる。そのドラマにはなれないリアルな食堂での出来事は、時に何かを教えてくれることがある。そんな、行ったことがないと分からない食堂の内までをじっくり伝えるためには、本が適切であると考えた。出かけた帰り道、今日は食堂かな、そんな気持ちになる本を作成する。
わざわざ食べたくなる中華菓子
【2.世界の食 / 5.情報発信と表現 / 13.料理を伝えるカタチ】
日本には世界中のお菓子が溢れている。これほどにまで数多くの種類のお菓子が手に入る国は珍しいだろう。そこで、この1週間どんなお菓子を食べたか考えてみてほしい。チョコレートだったり、ケーキだったり、ポテトチップスだったり、人によって様々だろう。その中に中華菓子があった人はどれほどいただろうか? もしかしたらいないかもしれない。
中華菓子をわざわざ食べたいと思う人は少ないかもしれない。日本と中国はとても近い距離にあるのに、ヨーロッパなどの洋菓子などよりも全然食べられていないのは何故なのだろう。
近年では台湾フェスやチャイナフェスが様々な場所で開催されている。それほどにアジアンフードは日本人に注目されているということなのだろう。これらのフェスでも中華菓子は売られているが、食べている人はあまり見かけない。聞いたことのない名前のお菓子だから手を出さないのか、ただ食べようと思わないだけなのか。まだ日本人に知られていない中華菓子はたくさんある。これらを知ってもらうことで、中華菓子の選択肢を広げたいと感じた。
人々は食べ物を食べるとき、これが食べたい、あれが食べたい、と思う。ケーキが食べたいときは「ケーキ欲」、まんじゅうが食べたいときは「まんじゅう欲」があるのではないだろうか。そこで「中華菓子欲」というものがあるとしたら、それはなんなのか考えてみる。例えば、その欲にはごまや油のずっしり感があるように感じる。しかし、従来の中華菓子のままでは現在好んで手に取る人が少ないように、日本人には受け入れられづらい原因がある。例えば、油臭すぎたり、パサパサしすぎたりするせいもあるだろう。これらの原因を改善すれば、もしかしたら中華菓子は今よりも興味を持たれるかもしれない。
前回の発表では、中華菓子が広まらない現状を話し、ほんの少しのアレンジを加えた中華菓子の中から5点、蜜棗核桃?、緑豆?、沙其瑪、炒面粉、元宵を提案した。
今回の発表では、中華菓子に少しでも関心を寄せてくれた人向けの提案をする。「中華菓子欲」は満たしつつ、前回よりも更にアレンジを加えて、より食べてみたい、と思ってもらえるような中華菓子を提案する。この発表を通して、普段の生活の中でふと、今日は中華菓子でも食べようかな、と思う人が少しでも増えたらと思う。
人のつくるごはんが食ベたい / ―料理書という名の思想書―
【13.料理を伝えるカタチ】
フードプロセッサーでガンガンまわしてしまう白和えより、すり鉢ですった白和えの方がやわらかい味がする。心荒れる時でも、綺麗な千切りができると不思議と心のトゲがとれる気がする。白おむすびを頬張った時、この世の大抵のことはちっぽけで、身体の奥底からむくむくと元気とか勇気みたいなのが湧いてくる。
明日の朝は余裕があるな…しめしめ…と、食パンを牛乳と砂糖を混ぜた卵液に浸してベットへ滑り込めば、もうすでに明日がたのしい。そんな生活の一部である料理を、純粋な心のまま愛せるといい。今日もどこかで人のつくるごはん、自分のつくるごはんに救われている人がいる。
私は料理が好きである。ごはんをつくることを考えるとわくわくする。もちろん調理過程もそうだが、何を作るか、誰と食べるか、スーパーでの買い出し、組み立て、器、食べ方…そんな料理のまわりのあらゆる事柄で頭の中がいっぱいになる瞬間こそしあわせなのである。料理嫌いな人は理解し難いかもしれないが、私にとって料理は味のある工作のようで、自由であり、クリエイティブであり、芸術であると思っている。めちゃくちゃおもしろい。シンプルなおいしいさに驚かされることもあれば、超絶面倒な料理を時間をかけて作りたくなることもある。まだまだ料理の世界は広く、無限に広がっている気がする。
近年の話題の料理書は、従来の「定番料理」「和食」「作り置き」などといったジャンルで分けられたものではなく、有名インスタグラマーや料理研究家などの著者の名の立つ本が多い傾向にあると言える。ここから読みとれることは、消費者が料理の『レシピ』を買っているのではなく、『著者の考え・思想』を買っているということである。モノではなく、コト消費。料理書は思想書なのである。ではそんな料理書にのせて、私の料理に対する思想を伝えようではないか。後期はそんな思いで、自身で料理書を作成する。時短や簡単などというニーズに答えるような、マイナス面を補う料理書ではなく、プラスをつくる本を。人間、やらねばならぬことより、やりたいことの方に手は伸びる。料理書も絵本や小説のように、読んでいて純粋に心動くものもあってほしい。
疲れた時こそごはんを炊いて菜箸を握ると、何だ余裕あるじゃん自分、みたいになる。時間や手間、面倒を理由に料理から離れている人に、料理が少しでも味方になれば幸いである。
なかみのまわり / ─らしさを包むパッケージ─
【5.情報発信と表現 / 18.人間・生活・環境】
世の中には食品パッケージが溢れている。そして、食品の数だけパッケージが存在すると言っていいほど、様々な種類があり、食品とパッケージは身近で密接な関係がある。
パッケージとは、包むこと・包装するということである。
パッケージに求められる三大機能として、1.中身を保護する、2.中身を扱いやすくする、3.中身の情報をわかりやすく伝え、販売を促進するということが挙げられる。これらの3つのバランスや重要度は、パッケージを考える際、ブランドや目的によって異なってくる。
これだけパッケージがあれば、いまひとつなパッケージもあるだろう。ここでいういまひとつとは、中身である食べ物と外身であるパッケージが合っていないことを指す。中身は丁寧に作られているのに、それに比べて簡単に作られていると感じるもの。だが、簡単にできていることが必ずしも悪いことではない。何かしらの理由を持って現在のパッケージ行きついているからだ。しかし、パッケージで中身である食べ物の価値は変わることもある。
パッケージで中身の価値も変わると考えると、果たして今現在ある食品パッケージはその形でいいのだろうか。もしかしたら、もっと他に良いものがあるのではないか。
私は中身の良さや魅力が伝えられるようなパッケージがもっと存在して良いのではないかと考えた。情報を分かりやすく伝えることと多少似ているがこれは商業的な意味は除くので異なるものと考える。
前回の発表では、すぐ食べて捨てられてしまうなどの理由でコストをかけず、凝ったものが作られないパン屋のパンのパッケージを考えたが、今回は似た問題を持つパッケージを新たに3つ考える。
製作にあたり、パッケージとしての最低限の機能や役割は果たすが、中身を伝えることに重きを置いていく。中身である食べ物を自分なりに理解し、その中身に合った、その「なかみ」らしいパッケージを考える。
食品パッケージの機能は保護したり、扱いやすくしたりするだけではない、今ある機能に加えて新しい機能や価値を生み出したい。
わびさびめし / ─うなぎのタレが染みた白飯とか─
【5.情報発信と表現 / 13.料理を伝えるカタチ / 15.五感で楽しむ・五感で味わう】
「うな重ってあのタレの染み込み具合がいいのよね。食べる部位によって味の濃さが変わるから最後の一口まで飽きないのよ。ほのかに感じられるうなぎの旨味がなんとも侘しくてたまらないし、『あ?ここにうなぎがあったんだな』って、うなぎの名残りを感じるのよね。あとこの少しうな…」。
うな重の美味しさについて語る女性。あなたはこの女性に何を思うだろうか。
「何か変な人がいる」と警戒するだろうか。「くだらない」と言ってあざ笑うだろうか。心のどこかでこの気持ちに共感するだろうか…。
現代は多くの情報がいたるところに散乱し、目の前の事柄に一対一で向き合うのが非常に難しい。どうしても何かしらの情報が、観念が、自分の脳内に入ってくる。食事においてもそうだ。食事と自己との間に観念が入り込み、一対一の関係を崩してくる。そんな状況が災いし、食事を十分に味わえないことを私はもどかしく思った。そして、このことによって私たちがある美味しさの存在を見逃していることに気付いたのだ。
私はこの美味しさを持つ食事を「わびさびめし」と名付けた。冒頭に女性が語っている美味しさも、まさにその一例と言えるだろう。ここで問題となるのが、「わびさびめしの定義は何か」ということである。しかしわびさびは、枠にとどまることを知らない寛容な美学。わびさびめしもまた、人の心をもとに広がりをみせてくれるものであり、定義を明確に示すことは御門違いであるように思う。きっとその定義さえも、食事と自己との間に入り込む余計な観念となってしまうからだ。
私が後期で用いるのは、「五・七・五・七・七」の五句で構成される「短歌」。皆さんに送るのはこのたった三十一音のみである。短歌は読み手の想像に働きかけ、解釈を委ねるもの。わびさびめしを題材とした短歌をいくつか提示することで、自然と読み手の頭の中にわびさびめしが構築されていくのではないかと考えた。食事を純粋に楽しむ者の姿にあなたは何を感じ、何を思うだろうか。それは私にもわからない。ただ一つ言えることは、そこに描かれた人物たちは「生きている」ということだ。
藤倉 純子ゼミ
高校生の食育 / 食育アプリゲームの開発
【5.情報発信と表現 / 12.食育】
■目的■
将来の生活習慣病の予防のためにも、乳幼児期から思春期においては、子どもの成長に合わせた継続した食育は重要である。しかし、高校で食育が行われている事例は少ない。そこで高校生に少しでも栄養バランスに興味を持ってほしいと思い、食育アプリケーションゲームの開発をすることにした。
■アプリケーション開発ツール■
開発言語は、HTML5とJavaSprictとし、簡単にゲームを開発することができるライブラリのenchant.jsを利用した。開発ツールは、クラウドベースでiOSとAndroidの両方に対応したクロスプラットフォーム開発可能なMonacaを活用した。
■ゲームの内容■
アプリケーションは画面を触ることによって操作できるタップゲームとした。ゲーム主人公をキャラクター猫太郎(図1)とした。イラストは自作のドット絵を使用し、リアルなイラストや写真よりもゲーム感が出せるように工夫した。ゲームは、食品レベル、料理レベルで学習できるものとし、1)三色食品群について、2)間食の取り方について3)食事バランスの三部構成とした。ゲームの流れを図2に示す。
1)食品キャッチ(図3):ランダムに出てくる三色食品群(15食品)のうち、指示に従い、赤色群・緑色群・黄色群のそれぞれの食品を集める。制限時間を60秒とし、正解すれば+50点、不正解なら-10点とした。終了後、どの食品が何色食品群か正解を示し、ゲームに出てきた食品の詳細(食品群、栄養素、旬、生産地など)をまとめた説明画面が表示される。
2)間食チェック(図4):ランダムに2択で表示される間食(30種類)から3回選択を繰り返す。結果画面では糖分、塩分、脂質のバランス、食嗜好の傾向やエネルギーが表示される。学習画面では、生活習慣病のリスクや予防方法が表示される。
3)食事バランスチェック(図5):ランダムに表示される料理(16種類)を、4つのマスに埋めて1食分の献立を作る。3回までトライすることができ、結果画面には、食事バランスの良い献立の例を表示し、バランスを確認することができる。
松田 康子ゼミ
Pono cafe / 見た目から美味しいデセールシフォン提案
【7.お店の企画・運営 / 9.メニュー提案 / 15.五感で楽しむ・五感で味わう】
▽Pono cafe
月に1~2回3号館にて、テーマ「季節×イベント」のシフォンケーキをメインとしたカフェ運営をゼミ生で行っています。そのイベントに合った内装や、シフォンプレート・ケーキを提供しています。また、東京電機大学の埼玉鳩山キャンパスに出かけ、カフェ運営を2回行いました。他大学での営業は初めてでしたので、多くのことを学ぶ良い機会になりました。
Pono cafeのPonoとはハワイ語で思いやり、楽しさ、喜びなど、ポジティブな言葉や思考、行動を表す素敵な言葉です。“Pono”な時間を過ごせますようにという思いから名付けました。
▽見た目から美味しいとは
私は学園内留学制度で3年次に製菓学校に通い、その1年間で学校で作ったものやパティスリーやホテルで、様々なケーキを食べました。そこで、舌から伝わる美味しさはもちろん、見た目からも美味しさを感じることは重要ではないかと考えました。そして、見た目が美しいとついつい写真を撮ってみたくなります。また、ここ最近InstagramなどのSNSでの発信で有名や人気になることもあると思います。そこで、シンプルなシフォンケーキこそ、その魅力や可能性があると考え、写真に収めたくなるような斬新なデセールシフォンを提案することにしました。
▽メニュー紹介
6月のテーマは「ジューンブライド」でコーヒーショート、7月のテーマは「七夕」でマンゴーテイストのほしふぉん、10月のテーマは「ハロウィン」でモンブランシフォン、11月のテーマは「収穫祭」でおさつシフォンを提供しました。
▽第2回の発表
今回の発表では、6月から11月までの営業で提供したメニューを紹介します。また、失敗、工夫、実際に販売したレシピや、営業を通して分かったことを発表します。
そして、12月の営業ではビッフェスタイルで営業を考えていますので、よろしければお越しください!
Pono cafe / お庭で野菜シフォン
【7.お店の企画・運営 / 9.メニュー提案 / 15.五感で楽しむ・五感で味わう】
皆さんはPono cafeのふわふわなシフォンケーキを食べたことがありますか?
Pono cafeでは、「季節×イベント」をテーマに、シフォンケーキを中心としたカフェの運営を月に2回行っています。Pono cafeのシフォンケーキはベーキングパウダーを使わないのが特徴です。
一台のシフォンケーキに使用する卵白は180g、卵黄は70gです。ベーキングパウダーを使用せずにふわふわで弾力のあるシフォンケーキを作るには卵白を多めに使用したメレンゲが欠かせません。
●店名の由来
Ponoとは、ハワイ語で思いやり、楽しさ、喜びなど、ポジティブな言葉や思考、行動を表す素敵な言葉です。"Pono"な時間を過ごせますようにという思いから名付けました。
●野菜を使用したシフォンケーキ
以前伺ったインターン先で、野菜嫌いの子供達が、少しアレンジを加えることで野菜を食べられるようになった姿を目にしました。そこからヒントをもらい、シフォンケーキと組み合わせることで、野菜をもっと美味しく食べてもらいたいと思い、野菜シフォンの提案を行うことにしました。野菜のおいしさを表現するために、ココアクッキーで土をイメージしたり、スコップスプーンを使用したりと見て可愛い、楽しい盛り付けにしているので、盛り付けにも注目していただきたいです!
後期に提供した野菜シフォンは
6月:ずんだ庭園(ずんだシフォン)
7月:天の川プレート(ジンジャーレモンシフォン)
10月:Happy パンプキン(かぼちゃシフォン)
11月:収穫祭(にんじんシフォン)です。
●発表について
今回はシフォンプレートだけでなく、イベントに応じて楽しい工夫をした内装についても発表します。また、8月にはオープンキャンパスでの実施、9月には東京電機大学でも営業を行ったので、そのことについても詳しく発表していきたいと思っています。
Pono cafe / お酒シフォン
【7.お店の企画・運営 / 8.商品開発】
Pono cafeではシフォンケーキをメインとしたカフェの運営を行っています。Ponoとは、ハワイ語で『思いやり、楽しさ、喜び』など、ポジティブな言葉や思考、行動を表す素敵な言葉です。“Pono”な時間を過ごせますようにという思いから名付けました。
ゼミ生一人一人がテーマを持ち、それぞれメニューを考案しています。私は「お酒シフォン」をテーマにメニューを考案してきました。このテーマにした理由は、お酒を使ったケーキを見ると買ってしまうことが多く、お酒とお菓子が好きな私にとって、この組み合わせに魅力を感じていたからです。子どもだけではなく、大人にも楽しんでもらえるようなメニュー、お酒が苦手な人にも美味しいと思ってもらえるメニューを提供できるように試作を行ってきました。
お酒を使用したシフォンケーキは、生地にお酒を入れると焼成後にお酒の香りが飛びやすく、お酒の香りを楽しんでもらうために何度も試作を繰り返しました。また、Pono cafeは季節も大切にしているので、どうしたら季節を感じてもらえるか、お客さんの立場になって考えてみたり、ゼミ生からアドバイスをもらったりして、メニューを考案してきました。メニューだけではなく、内装からも季節を感じてもらうために、その月のテーマごとに内装を工夫しました。
第2回の発表では、7,10,11月のメニューと内装の紹介をします。また、例年行っているオープンキャンパスだけでなく、初めて他の大学で営業を行いました。これらの営業では普段提供しているものとは違うシフォンサンドという、紙で包んだシフォンケーキを手づかみで食べるというスタイルのシフォンケーキを販売しました。オープンキャンパスではたくさんのお客様が来店することを予想し、回転率をあげるよう、接客の流れなどを工夫しました。そこで感じた普段の営業との違いや反省点などの発表、1年間カフェを運営して学んだことや感じたことを発表します。
Pono cafe / 香りを楽しむシフォンプレートの提案
【7.お店の企画・運営 / 9.メニュー提案 / 15.五感で楽しむ・五感で味わう】
私たちは月に1回、季節×イベントをテーマにシフォンケーキを提供するカフェ「Pono cafe」を営業しています。Ponoとはハワイの言葉で、「思いやり、楽しさ、喜び」などポジティブな言葉や思考を表します。来店してくださった方が幸せな気持ちになれますように、という思いから名付けました。Pono cafeは学内だけでなく、オープンキャンパスや他大学でも営業を行ってきました。
私は「香り」をテーマに、シフォンプレートを考案してきました。普段から良い香りが好きで、香りに敏感なため、「香り」をテーマにしたメニューを考案したいと思ったのがきっかけでした。Pono cafeで提供しているシフォンケーキはベーキングパウダーを使用せずに作るため、卵をたくさん使用します。そのため、卵の香りが強く、味が異なるシフォンケーキでも、香りの変化を感じにくいと、感じていました。そこで、味だけでなく、香りを楽しむことができる「良い香り」のするシフォンプレートを考案したいと思って研究してきました。
シフォンプレートの香りを決める際は、「季節」と「旬」を意識しています。季節に合ったイメージの香りを、旬の食材やハーブを中心に使用し、良い香りのするシフォンプレートを考案してきました。果物の香りやハーブの香りを活かしたシフォンプレートだけでなく、果物と紅茶、ミントやシナモンなどのハーブを使用し、複数の香りを混ぜたシフォンプレートも考案しました。「香り」は人により、好みの種類、強さが違うので、万人が「おいしい」と感じる香りを調節することは、とても大変と感じましたが、色々な発見や学べることが多くあり、楽しかったです。
発表会では、6月に提供したベリーのシフォンケーキ、7月に提供したチョコミントのシフォンケーキ、10月に提供したアップルシナモンのシフォンケーキについて、レシピや試作、営業を通して学んだことを発表します。
Pono cafe / 「和」を感じるシフォンケーキの提案
【7.お店の企画・運営 / 9.メニュー提案 / 14.食と空間・食シーン】
★Pono cafe
Pono cafeは松田ゼミ生によるシフォンケーキをメインとしたカフェです。店名のPonoとはハワイ語で「思いやり、楽しさ、喜び、などポジティブな言葉や思考、行動」を表す言葉です。「Ponoな時間を過ごせますように」という思いから名付けました。
★「和」を感じるシフォンケーキ
近年、「和食」がブームとなっており、「和」の素材にも注目が集まっています。そのため、和素材の魅力を広めていけるようなシフォンケーキの提案し、盛り付けからは季節を感じて頂けるようなプレートを目指し、多くのお客様に日本らしさを感じて頂けるシフォンプレートを提供したいと思いテーマとしました。具体的に和素材は季節の物やその時期のイメージに合った素材を使用しました。器は洋風のデザート皿でなく、陶器や和菓子皿を中心とし、黒を基調にしたものを使用しました。また、カトラリーも金属のフォークではなく、和菓子用のフォークや箸を使用することで「日本らしさ」を表現しました。
★これまで考えたシフォンケーキ
6月 あんこしふぉん:甘納豆とこしあんを混ぜ、あんこの魅力が詰まったシフォンです。皿は黒にすることで引き締まり、カトラリーには箸をつけました。
7月 七日のきな粉シフォン:シフォンの下には笹を敷き、和食器の焼き物皿を使用することで日本の七夕を表現しました。
10月 みたらししふぉん~秋~:醤油の香ばしさや、みたらしの甘じょっぱさを感じられるシフォンにカラフルなあられや皿にもみじの模様をつけることで和を感じられるプレートです。
★カフェ運営について
学内での営業が無かった8月・9月にはオープンキャンパスでシフォンサンドを提供したり、東京電機大学でカフェ運営を行わせて頂けたたりと、大勢の方に自分たちのシフォンケーキを提供する機会があり、多くのことを学びました。今回の発表では店内の内装や提供したシフォンプレートについて発表します。また、営業を通して分かったことやレシピ提案で気を付けた点などもお伝えしたいと思います。
Pono cafe / プレートを彩るシフォンサンド提案
【7.お店の企画・運営 / 9.メニュー提案 / 10.食材の可能性】
●Pono cafeについて
お店の由来である、Ponoとは、ハワイ語で思いやり、楽しさ、喜びなどポジティブな言葉や思考、行動を表す素敵な言葉です。お客様がPonoな時間を過ごせますようにという思いから名付けました。Pono cafeでは、「イベント×季節」をテーマにした、シフォンケーキがメインのカフェの運営をしています。私は、ランチプレートを担当することにし、「プレートを彩るシフォンサンド」の提案を個人のテーマとしました。
●シフォンサンドについて
シフォンサンドとは、焼きあがったシフォンを8から10等分し、切り込みを入れて生クリームや果物など様々な食材を挟んだものです。シフォンケーキ・シフォンサレをアレンジし、レシピの提案を行いました。シフォンケーキとは、砂糖の量が多く、ふわふわ感が強い甘いシフォンのことです。シフォンサレとは、砂糖の量が少なく、塩味の利いた甘くないシフォンです。満足感があり、味だけでなく、見た目に魅力のあるシフォンサンドを目指して試作を行い提供してきました。
●提案したレシピについて
<塩レモンシフォンサンド>(6月/塩レモンシフォンサレ×レモンティー鶏ハム×赤パプリカのレモン和え×スライスレモン×サラダレタス)
・鶏肉をレモンティーで煮ることで中はしっとり、後味がさっぱりとした味わいになります。また、赤パプリカのレモン和えを入れることで色合いとより強いレモンの風味を感じられるようにしました。
<しそシフォンサンド>(7月/しそシフォンケーキ×しそのつくね×しそ×梅)
・しそのつくねに刻んだ生姜を入れることで食感を楽しめるようにしました。また、梅を挟むことで味にアクセントを付けました。
プレートの彩りが良いプレートを仕上げるために、シフォンに挟む食材にも工夫をしました。また、「食べるスープ」と共にワンプレートにして提供しているため、組み合わせる上で工夫した点も発表していきたいと思います。
Pono cafe / 食べるスープ
【7.お店の企画・運営 / 9.メニュー提案 / 10.食材の可能性】
松田ゼミでは毎年シフォンケーキをメインとしたカフェ運営を行っています。今回は「季節×イベント」をテーマに3号館(キッチンラボ)で学生や教職員を対象として営業を行ってきました。今年は学内だけでなく、オープンキャンパスや電機大学での営業を通して多くの方にPono cafeを知って頂けました。もう一度来たいと思える店になるように、内装も季節ごとのイベントに合わせて飾り付けをしました。
【店名の意味】
Ponoとはハワイ語で思いやり・喜び・楽しさというようにポジティブな言葉や思考を表します。ご来店して下さる皆様にとって幸せな時間を過ごしてほしいという思いからこの店名を選びました。
【食べるスープ】
私にとってスープとは、カラダもココロも温めてくれる不思議な料理です。幼い頃から風邪を引いた時や元気がない時に母が野菜のスープを作ってくれます。食欲がない時でも完食できる料理です。一度に様々な栄養素を摂ることができ、食材そのままでは食べきれない量もスープとして調理すれば多くの量を摂取することが可能です。注目されないのはもったいない、もっと多くの人に魅力を知ってもらいたいと思い、今回のテーマに決めました。スープの中でも具沢山で食べ応えがあるものを『食べるスープ』と定義して研究を進めてきました。カフェの中では、ランチを担当しており、シフォンサンドと合わせてランチプレートを提供しています。シフォンサンドと合う味だけでなく、食感や見た目にもこだわってメニュー提案をしてきました。また、旬の野菜を使用して季節感が出るように工夫しています。
【発表内容】
6~11月の商品についてこだわった点や試作を繰り返して改善した点を紹介します。
また、まとめとして、今までの営業を通して苦労したこと、メニューを考案する難しさについて発表します。
Pono cafe / シフォンケーキに使われる卵黄を無駄なく使う
【7.お店の企画・運営 / 8.商品開発 / 9.メニュー提案】
・Pono cafeとは
Pono (ぽの)とはハワイ語で、『思いやり、楽しさ、喜び』などのポジティブな言葉を表す素敵な言葉です。私達スタッフはご来店されたお客様がPono な時間を過ごせますようにという思いから名付けました。Pono cafeは3号館でカフェ運営を行っていきました。そこで私たちはお店のコンセプトを『季節×イベント』にし、来ていただいたお客様に楽しさや喜びを感じてもらために、メニューだけでなく、内装などのも力を入れて行っていました。
・営業内容(後半)
6月:ジューブライド、7月:七夕、8月:夏休み(オープンキャンパス)、9月:お月見(東京電機大学)、10月:ハロウィン(東京電機大学)、11月:収穫祭。
・運営、企画
後半からは前半の反省を活かし、運営方法や場所の使い方を変えました。また例年行っている、オープンキャンパスだけでなく東京電機大学での運営もしました。オープンキャンパスでは、多くの方にご来店いただき、食べてもらいたいので食数を増やし、回転率を上げるための工夫などが、いつもの運営方法とは違いました。そのためにどうしたらいいのかゼミ生で話し合い、両日ともほぼ完売することができました。東京電機大学では本学で行なっている運営の仕方、場所などが全く違い、様々工夫を凝らし運営をしてきました。発表では前期の反省から後期の改善、多くの方にご来店いただけるよう工夫した点、違う場所での運営、企画などを発表します。
・レシピ提案
今回は6月以降のレシピを発表します。6月:黄身酢和え、あじの大葉揚げ、7月:マヨネーズ(3種)、10月:カルボナーラグラタン、11月:ルイユ。レシピにはシフォンケーキで余った卵黄を使用しました。今回は、今まで卵黄を使用してきて難しかった点や注意しなくてはいけない点などについて発表します。
・まとめ
4月から始まった運営を振り返り、内装、運営方法などについて発表します。今までのレシピをまとめ配布します。12月に最後の営業がありますのでその予告いたします。ぜひお越しください。
Pono cafe / 薄力粉以外の粉を使ったランチ向けシフォンの提案
【7.お店の企画・運営 / 9.メニュー提案 / 10.食材の可能性】
Pono cafeは『季節×イベント』をテーマとして、月に2回3号館キッチンラボにてシフォンケーキをメインとしたカフェ運営をしています。今年はランチプレートとデザートプレートを提供しています。内装にもこだわり、テーブルの上でなく、3号館キッチンラボの広い空間を活かして天井や窓ガラスにも装飾しました。
■オープンキャンパス・東京電機大学でのカフェ運営について
8月11・12日に行われたオープンキャンパスでも営業しました。オープンキャンパスなので、いつもよりたくさんのお客様がいらっしゃるのではないかとゼミ生で考え、プレートよりもすぐに作れるシフォンサンドを提供し、1日目に200食、2日目に320食用意しました。東京電機大学から依頼を受けて、9月19日・10月9日に東京電機大学(鳩山キャンパス)の学生食堂で営業しました。男子学生の割合が多いことから、男性の方でも食べやすいものをメニューに選びました。内装は、テーブルに秋らしい小物を置き、入り口にwelcomeボードを用意しました。どちらの営業ともに大盛況でした。
■薄力粉以外の粉を使ったシフォンケーキの提案について
私はシフォンケーキに使われる『粉』に注目しました。シフォンケーキには通常薄力粉を使用しますが、薄力粉以外の粉を使用してシフォンケーキを作ることで、どんな違いがあるのか比べてきました。きっかけは『ハナマンテン』です。ハナマンテンは埼玉県産の硬質小麦です。私が好きなパン屋さんが使っている粉が、ハナマンテンを使用していると知り、この小麦粉を使ってシフォンケーキを作ると、どのような違いが生まれるのか思ったことがきっかけです。
今回の発表でも引き続き、薄力粉以外の粉を使ったシフォンケーキについて発表します。6月・7月・10月・11月で提供したシフォンを紹介します。前回よりも工夫した点や難しかった点、粉による違いなどを発表します。また、シフォンケーキと言えば、デザートのイメージがありますが、ランチ向けのシフォンケーキの提案もしているので、新たなシフォンケーキのおいしさを知って頂きたいと思っています。
宮内 正ゼミ
笑顔のオムライス / 好きな食べ物を追求する
【14.食と空間・食シーン / 16.食とエピソード / 18.人間・生活・環境】
オムライスは好きですか?嫌いな人が少なく、洋食の人気メニューの一つです。今ではオムライスが食べられるお店がたくさんあり、様々なオムライスを楽しめます。私は家で食べるオムライスも外で食べるオムライスも好きです。
◇オムライスと笑顔◇
前期の発表ではオムライスのエピソードを調査して笑顔との結びつきをまとめました。食シーンや時代、環境によって人それぞれのエピソードがありました。笑顔で食べているところが想像できるものばかりでした。カレーライスでは同じように笑顔なるでしょうか。似ているようで全く違う存在に感じます。カレーライスは学校給食や食堂での定番であり、身近なメニューの一つです。それに比べてオムライスは一般的にカレーライスより食べる頻度が少なく、たまにしか食べないメニューの一つだと考えます。その違いからオムライスには特別感が感じられます。他にも様々な視点から比較してオムライスの特徴をより細かく追及します。
◇オムライスの広まり◇
洋食が広まった時代は洋食が憧れの存在でした。当時のオムライスは今より高級感のある存在でしたが、洋食の中では手の届きやすいものでした。卵で包んだケチャップのオムライスから始まり、今ではデミグラスソースやクリームソースなど幅広いバリエーションが定着しています。時代とともにどのように変化してきたのか、これからはどう変わっていくのか考えます。
◇オムライス分析◇
オムライスを注文して運ばれてきたとき、思わず笑顔になります。つやつやふわふわのたまごと、キラキラのケチャップソースの色合いが最高に好きです。また一口目にオムライスの中を開ける瞬間はわくわくします。家、老舗洋食屋、カフェ、オムライス専門店のどこでも美味しいオムライスが食べられます。お店の雰囲気や誰と食べるか、その日の気分などによって美味しさは左右される気がします。「オムライスで笑顔になる」 これを「えがお度」と名付けて色々なオムライスを分析しました。この分析をもとに、「懐かしさ度」や「おしゃれ度」にも注目し、オムライスの魅力とは何か、その多面性に迫ります。
ジブリ食とマモル食 / ジブリ作品と細田作品を比較する
【14.食と空間・食シーン / 16.食とエピソード / 18.人間・生活・環境】
私は、ジブリ作品以外でも細田守監督の作品も大好きだ。独創性やファンタジー、物語の構成が大好きだ。しかし、印象的で美味しそうな食事のシーンを考えてみたときに真っ先に思い浮かんだのはジブリ。
口いっぱいに頬張るシーン、家族団らんで食事をするシーンなど、ジブリ映画のワンシーンがたくさん思い浮かぶ。ではなぜ、他のアニメよりも、ジブリが印象的であり、魅力的なのか?ただの描き方なのか、リアルさか?監督の生まれ育った時代がそもそも違うから?食事に対しての価値観が違うから?様々な疑問点が挙げられる。
そこで、ジブリ作品と細田作品を見比べ、それぞれの作品の食事のシーンに込められているメッセージ性、物語の方向性について違いを調べることにした。
○千と千尋の神隠し○
千と千尋の神隠しの印象的な場面である、両親が豚になってしまうシーン。勝手に料理を食べ、店のものに怒られたらお金で解決しようとする姿は、バブル世代に育った人々を表しており、また、人間の欲深さが丹念に描かれている。しかし、おにぎりを千尋が食べるシーンでは、食べ始めと終わる頃で、千尋の心情が変わっていくのが描かれている。おにぎりをきっかけに、その後、千尋は数々の困難を乗り切っていく。
○サマーウォーズ○
「いただきます」と言って家族揃ってご飯を食べるシーンは、家族全員で会う機会が減ってしまった今、とても懐かしさを感じる。「家族みんな揃ってご飯を食べること」という亡くなった栄おばあちゃんの遺言の中には、これから生きていく家族に向けた力強いメッセージが込められており、これを機に家族はさらに団結し、突き進んでいく。
○見比べる○
例えばこの二つの映画を見比べてみると何が見えてくるだろう?どちらも、「主人公が何者かに立ち向かい、成長していくストーリー」。しかし、食事のシーンに込められた作品へのメッセージ性はそれぞれ違う。この違いを明らかにするために、部分的に作品を見ていき、要点をまとめ考察していく。
居場所としてのカフェ / なぜ人はカフェを利用するのか
【14.食と空間・食シーン / 18.人間・生活・環境】
みなさん、どんなときにカフェを利用しますか? コンビニを利用すればわずか100円で本格的なコーヒーが飲めるのに、なぜカフェは増えているのでしょうか。都内や主要駅の周辺は言うまでもなく、都心から電車で約○時間の郊外にある、私の住む町にも最近カフェが次々にオープンしています。
たしかに、カフェ全体を考えれば、友達とお喋りをする場として、勉強をする場として利用する人もいれば、そのお店のコーヒーを楽しむために利用する人など様々ですが、都内や駅周辺にあるカフェ(おもにチェーン店)と郊外にあるカフェとでは客層や利用目的や過ごし方や雰囲気など、どこか違いがあるのではないでしょうか。
前期の発表では「入りやすくて、座りやすい。注文しやすくて、食べやすい」お店でなくては「また来たい」とお客様は思ってくれません。それだけでなく接客も大切な要素であると私は考えました。日本では大抵のお店に接客のマニュアル化がされています。マニュアル通りに行動すれば誰でも一定レベル、同じ手順で作業ができると発表しましたが、カフェを都内と郊外2つのタイプに分けたとき、2つのタイプのカフェにおける接客は同じなのでしょうか。どんなことがそれぞれのカフェに求められていているのでしょうか。
2つのタイプのカフェを比較したとき
・店員と客との距離感は違う?
・客層に違いはあるのか?
・カフェに求めるものが違う?
・周りの視線があるかないか?
・よそ行き(非日常) として、井戸端会議(日常) として…
2つのタイプのカフェを比較したとき「違い」が見えてくると、そう簡単に「ひとつの理想的な接客」などと言ってしまってよいのでしょうか。2つのタイプのカフェにおける「理想の接客とは何か」について探求していく。
幸せな空間 / 生活環境で変わる子供の世界
【7.お店の企画・運営 / 14.食と空間・食シーン / 18.人間・生活・環境】
私は幼少期というと毎日がわくわく楽しかった感情ばかりが湧きあがってくる。しかし、保育園の給食調理を通し子供たちと触れ合っていると、様々な問題が見えてくる。お友達や先生に暴言を吐いたり、暴力を振ってしまう子も居れば、嫌なことがあると自分自身を傷つけてしまう子。毎日、グラノーラしか食べない子やソースなどは洗い流さないと食べられない子も居る。
1人1人抱えているものは違うが、みんな生活環境と心が深く関わっているのではないだろうか。大人の事情に左右されることなく、今の子供たちが成長し子供のことを思いだしたとき、ホッとした気持ちになる。
また、保護者の中には時間が無く園への送り迎えを走っている方も少なくない。そんなお父さんお母さんにも、たまにはゆっくりとできる時間を、心にゆとりを持てるそんな空間をつくりたい、という思いから研究を始めた。
●○前回のまとめ・活動内容○●
子供の行動は生活環境と大きく関係しているのではないか。愛情不足の子供は誰もが通る道である甘えから始まる。その後いたずらをし、お父さん・お母さんを困らせても良いから自分に振り向いてもらおうとする。それでも愛情不足が続くと親からの愛情を諦め、他の大人で愛情を補おうとする。子供の「ねーねー」と言った言葉は1日に何度も聞く。面白いものがあると「みて!」と言うのも一緒に笑ってほしいからである。そこで、一緒に感情を共有してくれる人が居ないと感情表現が乏しくなる。
愛情不足は成長にも影響を与える。愛情不足のストレスから不安で眠ることが出来ない。また、育児放棄による栄養不足。これらの理由で成長発達の遅れや停滞が見られると考えられている。親からの愛情を求めて親の期待に応えようと「良い子」に振舞おうとしすぎ、家と外での2つの顔を持つケースも多い。
小さな子供にとっては「家族が連れて行ってくれる場所」「大人が作り出す空間」が世界になるのである。いつか皆さんが家庭を持ち子育てで悩む時、少しでも勇気や力の元になれる発表をしたい。
あんこの位置づけ / 時代の変化とあん菓子の行方
【1.日本の食 / 3.食の歴史をひもとく / 18.人間・生活・環境】
和菓子と洋菓子の二分法を越えて
皆さんはあんこに対してどのようなイメージをお持ちだろうか。和菓子好きと言われる年配層は「馴染みがある、甘さ控えめ、風情がある」と感じる一方、洋菓子好きと言われる若者は「親しみがない、手軽さがない、お年寄りが好むお菓子」と感じる人が多いといわれてきた。
ところが、こうした二分法的なイメージがいま変わりつつある。最近では「和風洋菓子・洋風和菓子」なるものも登場している。例えば“生クリーム入りのどら焼き”や“あんこ入りの和風パンケーキ”というものまである。
「洋との融合」というジャンルの登場
かつて昭和時代には、自宅であんこを炊いておはぎを振る舞い、町に1、2軒は甘味店があり、女性客がよく立ち寄っていた。現在、こうした光景はほとんど見られなくなり、あんこを炊くことはおろか、和菓子屋や甘味店が次々に店をたたみ、その一方で甘味店の代わりをカフェやファミレスが、和菓子屋の代わりをコンビニが担う。あん菓子はいまや、高価で手の届きにくいものだけでなく、手軽で現代的なものも増えている。
こうした「あんこ」を取り巻く市場環境の変化の中で特に注目すべきは、これまでの“和菓子としてのあんこ”だけでなく、新たに“洋と融合したあんこ”というジャンルが確立したことであろう。
「あんこ」はどこに向かうのか
これまでも、“あんぱん”や“どら焼き”のように、現代の和風洋菓子とは異なった、あんこの使い方があった。明治維新以後の文明開化が生みだした和洋折衷である。しかし、現代の「洋との融合」は果たして持続的なものなのか一時的なブームなのか。少なくとも、近年のあんこの使い方・イメージ・意味が大きく変化していることは間違いない。一体現代のあんこのあり方はどう捉えればよいのだろうか。これからのあんこ文化はどのように変化していくのだろうか。歴史を遡り、現在と比較しながら、あんこの将来を探る。
美味しさの本質 / インスタグラムが繋ぐ私たちの今までとこれから
【5.情報発信と表現 / 15.五感で楽しむ・五感で味わう / 16.食とエピソード】
『あー、幸せだなあ。』
そう感じる時っていつでしょうか。例えば、テスト期間が明けて家に帰り、思う存分ぐっすり眠ろうと布団に潜り込む瞬間。ずっと楽しみにしていたアーティストのライブに行き、時間が経つのも忘れて、音楽や空間に没頭している瞬間。
大切な人や家族と過ごす、心穏やかなあの瞬間。その中でも「美味しいものを食べる瞬間」は、譲れない存在だと私は思います。
ですが、私たちが求めている欲求は、美味しいものを食べたい気持ちだけでしょうか。食が訴えかけてくる感情の揺らめきを、無意識に欲しているのではないでしょうか。それは感動や驚き、面白さなど多種多様です。今回、私は前期の発表に引き続き、自己の代替表現として“インスタ映え”を定義することにしました。
『インスタ映えって何だろう?』
昨年のユーキャン新語・流行語大賞年間大賞を受賞したことからも分かるように、インスタ映えが私たちの生活に馴染み始めたのはつい最近です。しかも、その影響力は強く、写真という概念を大きく変えました。思い出の一部、あるいは備忘録としての意味合いが強かった写真は表現方法を変えて、“私たちが”表すものではなく“私たちを”表すものとして、「作品」への関心から「媒体・手段そのもの」への関心へシフトしたと考えます。それは、料理写真でも言えることでしょう。私たちは、料理という被写体に自己を投影し、表現することが当たり前になりました。
『○○○○の氾濫』
私たちを表現してくれる料理写真は、美味しそうなだけではなく、可愛い、かっこいい、美しい、お洒落、など多くの在り方を私たちに与えてくれます。
その印象を抱いた時、どのような感情が生まれるでしょうか。私たちの中に潜む内的な心理状態と、目の前にある外的な一つの料理。それらが組み合わさり、”インスタ映え”によって、あらゆる概念が変わりつつあるのかもしれません。
宮城 重二ゼミ
アスリートの「飯トレ」 / “太る”ために食べる
【16.食とエピソード / 17.健康・美容】
アメリカンフットボールやラグビーの選手といえば、筋骨隆々の大きな体。その体を作るためのトレーニングは筋トレだけではありません。「飯トレ」と呼ばれる独特な食文化が選手たちの体づくりを支えています。
“太る”ために食べるとはどのようなことなのか、アメフト部マネージャーとして身近で見てきたからこそ感じた実情とその意義をお伝えします。
●研究目的
健康志向や美意識の向上から“痩せるために食べない”という概念を持つ人が多いなか、真逆である“太るために食べる”という概念の飯トレ。
その独特な食文化の面白さを追求するとともに、飯トレについて知っていただくことで自身の持つ食の概念と比較してもらい食の可能性を拡げることを目的としています。
●飯トレとは
競技に適した体を作るため食事面からアプローチするトレーニングの一環です。
私は飯トレにおける“太る”の定義を「なりたい体に合わせた適正な食事を摂ることで、体を大きくしても動くことのできるバランスが取れた体になること」としています。ただの大食漢ではなく、その定義に基づいた食事こそが飯トレなのです。
さらに飯トレには「理想の体になるため必要な食事を摂る体づくりのための飯トレ」と「食事内容よりもチームメイトとのコミュニケーションを重視した飯トレ」があるとわかりました。
●発表内容
第一回では文化としての飯トレについて掘り下げましたが、第二回の発表では体づくりのための飯トレに重点を置きます。
体づくりのための飯トレでは、選手によって意識の差が見られました。その意識の差は体づくりの成果にどう繋がっているのでしょうか。
飯トレにおける食事内容の理想と現実についても調査をすることで、飯トレのあり方について考えるとともに、飯トレから私たちの食の可能性はどう拡げていくことができるのか考察を深めていきます。
地中海食・和食と健康 / ~世界一の食事って?~
【1.日本の食 / 2.世界の食 / 17.健康・美容】
○研究目的○
みなさんは「健康によい食事とは?」と聞かれてなんと答えるでしょうか?健康的な栄養バランスの食事はもちろん、食べ方や食文化としてのあり方も考慮すべき点でしょう。また、日本人である私たちは、なじみの深い“和食”をイメージする人は多いでしょう。しかし、それは「地中海料理」からも学べることがあるのと考えます。
わたしは、大学3年次の夏休み期間、地中海に浮かぶ島であり、イタリアの南に位置する美しい海に囲まれた-マルタ共和国-へ留学をしました。この経験から、地中海料理の魅力をもっといろんな人に感じてもらいたいと思い、研究をはじめました。
○前回の発表より○
前回の発表では、2つの料理それぞれの特徴を調べ、比較しました。また、マルタでの実際の食体験を通じて感じた地中海食の魅力などを考えました。さらに、和食離れなどを例に挙げ、 今日の私たちの食事の在り方についての問題点を挙げました。
発表を通じ、地中海食が文化的に優れていることが、まだあまり知られていないことがわかりました。また、地中海食が具体的にどんな料理なのかや、和食との共通点があるかなど、まだまだ伝えられていない部分が多いこともわかりました。
○今回の発表内容○
第2回の発表では、地中海食と和食の特徴をおさらいし、共通点についても伝えていきたいと思います。また、マルタを基調とした地中海に学ぶ-健康によい食事-について発表したいと思います。
和食や地中海食にかかわらず、食事は人間の生活において離せない関係にあります。その中で“食文化を継承する”ということも、生きる上で大切な使命だと考えます。私は海外でも特にヨーロッパが大好きです。そんなヨーロッパの国々を調べていくうち、それぞれに素晴らしい食文化があることがわかってきました。今回の発表を通じ、地中海食を身近に感じ、異文化を知る楽しみを伝えるきっかけとなればいいと思います。また、和食と地中海食の融合を考えることで、-よりよい食事(世界一の食事?)-を提案することができればいいと考えます。
ストレスと共に生きていく / 生活と意識の“ちょっとした”改善を
【17.健康・美容 / 18.人間・生活・環境】
ストレスと聞くとどういうイメージがありますか?皆さんはどういったことを想像するのだろうか。私はストレスを感じたときに2つの経験をしたことがある。
まず1つ目は悔しいと感じた気持ちをバネにしある事に熱中して取り組んだこと。
そして2つ目は無気力になり何をしても上手くいかなく感じて何もしたくない気持ち。
どちらもストレスと感じたのに全く違う気持ちとなったのはどうしてだろうかと疑問に思った。また、ストレスは生活を送る上で大小なりとも感じる。どうせストレスを感じるのであればストレスをバネとして生かして自分の味方につけたいと考えた。以上のことよりストレスについて調べようと思った。
前期の発表ではアンケート調査を行った。そこから、皆さんのストレスに対するイメージとどのようなことをストレスと感じているのかを調査した。ストレスと聞くとやはりマイナスのイメージが強かった。またストレスと感じることには人間関係など目には見えない気持ちの面で感じることが多くあげられた。それらのことから前期発表をした結果、コメント用紙から以下の意見があげられた。
・ストレスと食を関連づけないのか
・ストレスと感じるとある特定の食べ物を食べすぎてしまうので、その他にストレスに効く食べ物はないか。
・ストレスを味方につけるという考えが無かったので知れてよかった。
このことより、後期ではストレスの予防と食との関連性の視点から調べていきたい。また前期のアンケート調査より分かったことがある。それはストレスを味方とするためにはストレスに負けない強い気持ち作りが重要であることだ。そのためにも気持ちが元気な状態を保つためにもストレス予防の食事を私自身作りまとめていこうと思う。
まとめてみると、後期では主に2つのことを実施する。1つ目は前期に引き続きアンケート調査。2つ目はストレスと食の関係を文献などから調査。最終的にはカレンダーを作る。
守屋 亜記子ゼミ
韓国のコーヒー文化 / ~韓国人にとってコーヒーとは~
【1.日本の食 / 2.世界の食 / 3.食の歴史をひもとく】
【実習背景】韓国のカフェを利用した際にメニューや提供方法などに違いが見られ、韓国のドラマや音楽を通してコーヒーの飲用方法や習慣に違いを感じた。日本とは異なった点に疑問を抱き、実習を通して確かな理由から考えたいと思った。
【目的】文献研究とフィールドワークを用い、日本と韓国のコーヒーについて歴史や消費量、飲用実態や認識などを調査し、これらを比較する。韓国人にとってコーヒーとはどのような役割や意味があるか、韓国のコーヒー文化の特徴と独自性について明らかにする。
【実習内容】第1回発表会では、日韓のコーヒーの歴史とフィールドワークについてまとめた。歴史からは、日韓ともに18~19世紀に外国から伝わり、同じような流れを経てきたが、戦後日本の喫茶店ではレギュラーコーヒーを、韓国の茶房ではインスタントコーヒーが提供され親しまれてきた点が異なっていると分かった。フィールドワークからは、日本の店舗はドリップ抽出を中心に扱っているのに対し、韓国ではエスプレッソ抽出が中心であること、セルフサービスであること、低価格販売のコーヒースタンドの形態があると分かった。また、韓国人へのインタビューから、年配の方々はミックスコーヒーを若い世代はレギュラーコーヒーを好み、世代によるコーヒーの好みに違いが見られた。さらに、食後にコーヒーを飲むこと、学生は勉強時によく飲んでいると分かった。
第1回発表後、日本人と韓国人のコーヒーに対する認識や飲用実態についてアンケート調査とインタビューを行った。韓国人へのインタビューからは、食後に飲むのは、「習慣になっているから」「口内をさっぱりさせるため」であることがわかった。また、文献調査では食後や勉強時に飲む理由を明らかにするため、コーヒーの成分や機能について調べた。その結果、コーヒーに含まれるカフェインは中枢神経刺激作用である覚醒作用を持ち、睡眠に対して影響を及ぼすことや労働生産性が向上すること、さらに、苦み・酸味・特有の香りから、勉強時の神経の安定にも有効とされていることが分かった。
第2回発表会では、これらから得られたデータを分析・考察し、韓国のコーヒー文化、韓国人にとってコーヒーとはどのような役割や意味があるのかについて明らかにする。
醤油の蔵元の実態を知る / ~蔵元の職人が非効率を選ぶ理由とは~
【1.日本の食 / 3.食の歴史をひもとく / 5.情報発信と表現】
【実習背景】調味料、特に和食の味の決め手となる醤油を通して日本の食文化を学びたく、このテーマを選んだ。調査を通し、大量生産が主流となった醤油を今もなお木桶で作り続けている蔵元があることを知り、あえて手間暇かけて作るのはなぜか興味が湧いた。
【目的】蔵元でのフィールドワークを通し、蔵元の実態、抱えている問題、蔵元が木桶を用いて醤油を作り続ける理由を明らかにし、木桶仕込みの醤油の美味しさとは何か、醤油作りにおける伝統について考察する。
【実習内容】第1回の発表では、全国にある10カ所の蔵元でのフィールドワークを通して、蔵元があえて手間や時間のかかる木桶を用いて醤油を作る理由を明らかにした。その理由として、木桶を使用することで蔵独自の味の醤油を作ることができる、木桶を用いた醸造文化を次世代に継承したい、木桶で作った醤油は美味しいといった理由が挙げられた。また、多くの蔵元が創業当時から使用し続けている木桶を使用しており、寿命が近付いていること、現在、醤油用の大桶を作れる桶屋が全国に1軒しかなく、今後の調達が蔵元の間で問題となっていること、その問題を解決すべく、小豆島のヤマロク醤油が中心となって、蔵元の職人が自ら木桶を作り、調達するという動きが活発化していることが判明した。
第1回発表後は、木桶仕込みの醤油の美味しさとは何か明らかにすべく、大手メーカーと蔵元の醤油を用いたブラインドテストと醤油に関するアンケート調査を行った。これらの結果から、人は何を基準に美味しい醤油と判断しているのか、木桶仕込みの醤油に関する人々の認識などについて分析した。
加えて、蔵元でのフィールドワークも引き続き行い、木桶仕込みの醤油の食文化を次世代に継承していくために、蔵元はどのような企業努力や活動を行っているのか、木桶を用いた醤油作りにおける伝統とは何かを明らかにすべく調査を行った。
第2回の発表では、ブラインドテストとアンケートの調査結果と分析、蔵元が次世代に食文化を継承していくためにどのような活動を行っているのか、実習を通して私自身が考える醤油作りにおける伝統とは何かに関して発表する。
日韓の食文化の比較 / ~のり巻きとキンパを例に~
【1.日本の食 / 2.世界の食 / 3.食の歴史をひもとく】
【実習背景】新大久保の韓国料理屋にはキンパ(韓国ののり巻き)がメニューに載っていることが多い。しかし、日本では、すし屋以外の飲食店でのり巻きを見かけることはほとんどないため、疑問を持った。このことから、同じのり巻きであっても日韓でそれぞれの国ののり巻きに対する認識が違うのではないかと考え、実際にどんな存在であるのかを知りたいと思った。
【目的】文献研究やフィールドワークを通じてのり巻き/キンパに対する認識や食シーンなどを比較することで、日本人にとってののり巻き、韓国人にとってのキンパとは何かを考察する。そして、調査結果を踏まえて日韓の食文化の違いを明らかにする。
【実習内容】第1回の発表では、のり巻きとキンパの歴史、日韓のフィールドワークを通して気づいた、のり巻きとキンパの特徴についてまとめた。のり巻きは、日本で早ずしが発達していく過程で、姿ずしから棒ずしへ移行する際に江戸時代に発生したとされている。一方キンパは、朝鮮の植民地時代にソウルに移住してきた日本人がのり巻きを伝え、食材や作り方などが独自に発達したものだと分かった。フィールドワークからは、のり巻きは細巻・中巻・太巻の太さがあり、キンパはその中巻と太巻の中間の太さであることが判明した。販売店舗の形態にも差があり、キンパは専門店や屋台、路上販売など日本にはない形態で販売していた。また、芯(中の具材)では、植物性の食品と水産加工食品がどちらも多かったが、のり巻きは魚介類と豆製品が多く、キンパには肉類が多いという特徴がみられた。
第1回発表後は、日本人はのり巻き、韓国人はキンパに対し、どのような認識を持っているかについてアンケートとインタビューを行った。そして、食シーンや抱いている印象についての回答結果を分析し、のり巻きとキンパがどんな存在であるのかを考察した。また、それぞれの具材の特徴の違いについて明らかにするため、文献調査を行った。その結果、日本の魚食文化と韓国の肉食文化の歴史がそれぞれの具材に影響していると分かった。そして、両国の食シーンの違いは、日本の個食や韓国の共食・付け合わせのおかずの文化などにあると分かった。
第2回の発表では、アンケートと文献調査で得られた結果をもとに、のり巻きとキンパに対する認識について分析・考察する。そして、のり巻き/キンパの比較を通して、日韓の食文化の違いについて明らかにする。
山内 喜昭ゼミ
私たちが思う食品添加物 / 食品添加物のイメージは?
【5.情報発信と表現 / 10.食材の可能性 / 11.食の問題】
食が豊かになった背景には、食品添加物が関係している。スーパーやコンビニなどで売られている食材のほとんどに食品添加物が使われている。そのおかげで、様々な食べ物を手軽に食べられるようになった。
お惣菜弁当、おにぎり、サンドイッチ、菓子パン、冷凍食品、レトルト食品、アイスクリーム、炭酸飲料などご飯ものからお惣菜、嗜好品に至るまで日頃からお世話になっている人も多いのではないだろうか。しかし、食品添加物は、私たちの生活になくてはならない存在であるのにもかかわらず、世間のイメージは良くない。なぜこのような考え方が広まってしまったのかに興味を持ち、食品添加物の多面的な情報を知ってもらうべく調査を始めた。
前回の発表では、食品添加物の基本的な情報、安全性について明らかにした。今回の発表では、私自身が興味を持ったきっかけでもある世間の良くないイメージがどこから来るのか、一般消費者は何を恐れているのかを食品添加物に批判的な意見、逆に肯定的な意見を基に分析し、言及していく。世間の一般的な情報供給源はテレビや本、新聞などである。現代ではインターネットも普及し、溢れかえるほどの情報を手軽に入手できる。ある一面の情報を大きく取り上げ「○○は体に良い」「●●を食べると体に悪影響がある」などと表現し、世間を揺るがすことも多い。
正しい情報も誤った情報もすぐに目に付くようになった世の中で、自分の意図しない解釈のまま生活している人が多いのではないかと思う。そこで私たちはこの世の中で、何が正しいのかを自分で判断し、活用していく力(フードリテラシー)を身に着けることが大切になってくる。私の発表を通して、フードリテラシーを高めることにも目を向けてほしい。
心満たす光景 / 華やかさからの価値~テーブルコーディネート~
【5.情報発信と表現 / 14.食と空間・食シーン】
華やかに飾り付けられた食事は印象的ですが、日常の中での食事は、3日前でも記憶は薄いと思います。 前者は、特別な行事だからという理由の他に、食空間によっての心境や感情の変化に要因があるのではないかと考えました。
テーブルコーディネートとは 季節・行事・料理などのテーマに合わせて食卓を飾り、美味しさや楽しさをよりよく感じながら食事ができるような空間を作る技術や芸術のことを言います。
テーブルコーディネートはおもてなしの場面で使用されることが多いですが、日常生活の中でも、食への意識や感度を上げることや「食事」「時間」をより大切にするきっかけにもなり得ると考えます。美味しそう、食べたい、美味しかった、楽しい食事だった、 と人に思わせるのは料理の力だけではないはずです。
発表をきっかけに食空間や一食事を大切にすることに意識を向けてもらうことを目的とし、第一回の発表会では外観の重要性と空間の心理的効果について主に調査や検証結果を発表しました。今回の発表では、第一回の反省点や頂いたコメント用紙を参考に、発表内容を考え実習を行いました。発表時期の12月に合わせてセッティングのテーマをクリスマスとし、前回できなかったコーディネート内容の説明や私自身の考察を発表します。
クリスマス『Christmas』は『Christ(キリスト)』『mas(ミサ)』と書き、『mas』の意味は礼拝するという意味があります。つまりはイエス・キリストの生誕を祝う行事でとても重要な日です。日本人のクリスマスといえば恋人と過ごしたり、外食をしたりするイメージが強いと思いますが、海外では家族と家庭で過ごすクリスマスが主流です。
このように、行事そのものの意味を理解しつつも『家庭でできるセッティング』をキーワードに調査し、テーマやセッティングに反映させてその詳細について発表します。
現役大学生が自分の店を開いてみた / 飲食店の運営について現場から見た景色
【4.地域振興 / 5.情報発信と表現 / 7.お店の企画・運営】
大学2年生の秋、わたしはカフェのオープンに向けて企画を始めた。
場所は千葉県市川市の大門通りという小さな商店街、名前は「base de carin」。
経験することがどれも新しく、楽しみで、ワクワクしていた。
内装決めから工事、メニュー開発、イベント企画、店の運営、地域との繋がり、などなど店に関わる全てのことを、実際に自分の体で体験し、見て、学び、実践した。
楽しいことばかりじゃなかった。辞めたいと思ったことも沢山ある。正直、「飲食の自営業は楽しいよ。オススメだよ。」なんて軽く言えなくなってしまった。
それでも、働くということ、店を続けるということ、人が集まるということについて考えながらとにかく毎日を過ごした。
そうして過ごしていく中で、商店街の人々や近隣の大学とお祭りの企画をしたり、取材を受けてメディアに取り上げてもらったり、ふつうに生活していただけでは経験できなかったかもしれないことができた。いちからお金を稼ぐということの大変さを学んだ。人との繋がりの大切さを実感した。確かに、自分自身が得たものは大きかった。
来年の春、わたしは2年以上たくさんの時間と力を費やした自分の店とお別れする。しかし、店がここで終わるわけではない。これからは、いままでのことを伝えて、続けていってもらうための時間になる。
今回の発表では、6月の発表会から現在までやってきたことは勿論、この2年間で作ってきた商品や行った企画の紹介、地域振興について、飲食店運営に関して感じたこと、これからのことなど、改めて実際に経験しないと話せないことを伝えていきたいと思う。
飲食店開業に夢を持つみんなに聞いてほしい。
チャーハンが食べたい和田より
Twitterアカウント→@basedecarin
山下 史郎ゼミ
もったいな“くはない”おばけ / もう食べられないけど いいよね。
【5.情報発信と表現 / 11.食の問題 / 16.食とエピソード】
「もう食べられません。」
この状況のとき、あなたならどうしますか?もったいないないから食べる、作ってくれた人に申し訳ないから食べる、残す、保存しておく… 考えはきっとそれぞれだと思います。
一人ではどの選択も間違いはありません。しかし、他者と食事をしていると自分の意思と違う意見が飛び交います。その価値観の相違で「食ハラスメント・・・強引に食事を食べさせる行為」が生まれることがあります。それは何故でしょうか。
これには大まかに2つの要素があると考えます。それは「親切心」と「もったいない精神」。食糧を無駄にするという事実があるのでこの感情が存在するのは当然です。しかし、「もったいない」は自分で思うものであって他者に押し付けるものではありません。また押し付けられる立場では、断ることが難しい場合が多いのも事実です。仕事や目上の方との食事など、食事を介したコミュニケーションの場合はきっぱりと断りづらい。食ハラの問題は、食物摂取の強要ではなく、感情共有の強要だと思っています。そのため、この問題を解決するためには食事相手との相互理解が必要です。
しかし自分の口からは発しにくい。だからこそ身につけているもので自己発信しようと考えました。自己発信をするきっかけづくりに、この食ハラ問題をテーマに「もったいな“くはない”おばけ」の世界を創りました。ファッションや持ち物は想像以上に個性を表現できる。そのなかに、この問題のお話を創り融合させました。会話のきっかけをつくることでこのお話を広めていきたいという気持ちで、発表では物語の紹介、付箋やTシャツなどのグッズ紹介をしたいと思います。
あなたの心にも「もったいな“くはない”おばけ」住みつくように願っています。
Universal Sake of Japan / あなたに届けたい日本酒を楽しむ新サービス
【1.日本の食 / 5.情報発信と表現】
みなさんは日本酒を飲みますか?私は大好きです!でも、友人たちの間で日本酒を飲む人はほとんどいません。疑問に思って実態を調べました。20代の女性を対象にアンケートをとった結果、70%の人が「日本酒は飲まない」と回答していました。
飲まない理由としては、とにかく種類が多くて何を飲んでいいのかわからない、ラベルだけではどのような味かわからない、ほかのお酒に比べておしゃれな感じがしないなどなど。日本酒を選ぶことや飲むことを楽しいと思っていない人が多いことわかりました。私のように日本酒を楽しむ若い女性を増やしたいと考えた時、このことが課題であると考えています。
そこで私は、その課題を日本酒と若い女性における『高くて厚い壁』と設定し、その壁を壊す、日本酒に関する新しい情報提供システムを作ることにしました。情報提供システムを作るにあたり、まず日本酒についてより一層知識を深める必要があると考え、今年の7月から日本酒と洋食のペアリングをテーマとしたお店の運営に携わりながら日本酒について学んでいます。
その中で感じたことは、作り手の細部にまで及ぶこだわりです。味にこだわりがあるのはもちろんですが、ボトルのラベルにこだわり味を表現しているものもおおくあります。例えば、高校野球が有名な地区の酒蔵は野球のルールにちなんだお酒を作るなど、日本酒の一つ一つの銘柄のこだわりは、知れば知るほど面白い、また、近年では、伝統的な日本酒らしい日本酒だけでなく、今の時代にあったユーモア溢れるネーミングやラベルの日本酒もたくさんあり、ラベルを眺めるだけでも楽しめるものも多くあります。そんな素敵な日本酒の世界を若い女性に知ってもらうことができたなら、日本酒との『高くて厚い壁』もきっと消えるはずです。そのためには、知りたい日本酒の銘柄について手軽に検索できる仕組みや、ラベルを見ただけで飲んでみたいと思えるような日本酒のリコメンドや、その日の食事とペアリングすることができる日本酒の銘柄を紹介できるサービスが必要だと考えました。
今回の発表では、現時点ですでに複数存在する「日本酒情報検索サービス」を比較検討します。若い女性が使用し検索するという目線で分析することで、今までにない若い女性に向けた日本酒紹介サービスを考案していきます。日本酒と若い女性(皆さん)との間にある『高くて厚い壁』を、この発表を聞いて壊してみてください!
キャラメルナッツタルトで、おもてなし / 手土産にもなる高級スイーツ開発の試み
【5.情報発信と表現 / 8.商品開発 / 15.五感で楽しむ・五感で味わう】
わたしは以前「デリーモ」というお店に行ったときにびっくりしたことがあります。それはプチガトー1つで値段が500円から600円だったことです。普通のケーキの約2倍のお値段。しかし、チョコレートを知り尽くしたショコラティエ江口和明さんがつくる、チョコレートを様々な形で楽しむことができるプチガトーに値段以上の価値を感じました。
そのとき私は「なんでわざわざ2倍の価格でも買ってしまうのだろう?」「高価格スイーツの魅力って何だろう?」そう疑問をもちました。また『1つ3000円のガトーショコラが飛ぶように売れるわけ』(氏家健治著)という本を読み、とても衝撃を受けました。いろいろ調べるうちに、自分でも高価なスイーツを作りたいと思うようになりました。
高価格でも買う動機やその動機に応える商品の条件をゼミの中で議論しました。そこで分かったのは、高価格スイーツ市場の中には、自分のために買う「ごほうび市場」と、人のために購入する「ギフト市場」があるということです。より多くの人の目に留まる市場を考えた結果、高価格スイーツのギフト市場を探ることにしました。関連情報をしらべる中で高価格のスイーツなど食品を集めたサイトを見つけました。そのサイトの人気商品を分析し、その結果を前回の発表会で報告しました。そのサイトは「接待の手土産」といいます。大企業を中心にした現役の秘書が実際に購入している厳選した手土産が掲載されているサイトで、高価格なスイーツも多数掲載されています。商品ごとに、製品の説明からパッケージ写真、ブランドの歴史などの詳細な説明があります。わたしは、スイーツのカテゴリーを5つに分け、人気商品113品の商品説明を分析しました。分析の結果、手土産になる高価格スイーツの中心価格は、3000円から4000円のもの。5000円以上のものもある。付加価値をつける領域としては、すべてのカテゴリーにおいて「原材料にこだわること」は必要条件であり、特に和菓子・冷菓では「特別な加工技術」が必須であるということ。商品写真をみると「パッケージの高級感やこだわり」が必要であり、その商品の歴史や特別なユーザーがいる事実などの「ブランド・ストーリー」が大切であることがわかりました。ほかには季節限定や販売数限定などの「限定感」も重要だと分かりました。これらを踏まえ、今回の発表では、私の大好きな「キャラメルナッツタルト」を題材にして、実際にサイトに掲載できるような商品を開発し紹介します。
カンジャンケジャンを家でも食べたい / 韓国風の海鮮醤油漬け料理を家庭でも
【1.日本の食 / 8.商品開発 / 9.メニュー提案】
私は韓国ドラマに興味があり、韓国の食べ物に興味を持ちました。韓国料理は日本でも家庭で食べられるほど浸透しつつあります。そして昨年、チーズタッカルビが流行り、韓国料理が楽しまれるようになってきました。
カンジャンケジャンという料理を知っていますか? カンジャンケジャンとは、ワタリガニの醤油漬けのことです。
「カンジャン」は醤油、「ケ」はカニ、「ジャン」は醤油という意味です。醤油、大根、唐辛子などを漬け込んだタレを一回加熱したものを冷まし、生のワタリガニをそのまま漬け込んだものです。初めて食べた時、カニを生で食べることがなかったためトロトロさに衝撃を受けました。ご飯泥棒と言われるだけあってご飯も進みます。カニ以外にもエビの「セウ」や辛いバージョンの「ヤンニョム」もあります。韓国内でもやや高価な料理として専門店が人気で、自宅でも作るという人もいます。日本では、ごく一部の韓国料理店で提供されていてやはり高価で、高級韓国料理として一部の人には人気のメニューですが、家庭料理にはまだなっていません。
カンジャンケジャンのような海産物の醤油漬けは、日本にもホタルイカの沖漬けなどあるので親しみのある味として日本でも流行るのではないだろうかと考えました。しかし、作るのに手間がかかること、新鮮なカニを手に入れることが難しいことなどから家庭に取り入れるのは厳しいと考えました。そこで、カレーがエスビーの赤缶で日本に普及したように「○○の素」の調味料として手軽に調理ができるようにすればよいのではと考えました。
今回の発表では、家庭用の「韓国風海鮮醤油漬け調味料」として発売することを想定し、カニではなく手に入りやすい他の海鮮での試作や調味料の試作を行い、パッケージイメージや商品名、価格などの新商品の企画イメージについてお話します。
Wagashi × Ikegami / 和菓子が育む人と街
【1.日本の食 / 4.地域振興 / 5.情報発信と表現】
“大田区池上”――どこだか分かりますか?即答できる人は多くないでしょう。私は地元・池上を“都会の田舎”と呼びます。羽田空港から電車で30分。品川から20分。意外と都心です。日蓮宗池上本門寺の門前町として栄え、毎年10月のお祭りでは30万人もの人が訪れ盛り上がる池上。古民家カフェや寺カフェ、伝統的和菓子の葛餅屋もあり、和の風情を楽しむこともできます。
住むにもとても便利。それなのに知名度は低く、住みたい街でランクインすることもありません。そんな寺町・池上を、住民や周辺の人たちにあらためて魅力的な街だと思ってもらいたい。そんな思いからこの研究を始めました。
池上駅を通る東急池上線も、90周年を迎えながらも知名度の低さに悩まされています。そんな中開催された池上線1日乗り放題や、池上線沿線のお店から和菓子を集めた「わフェス」は多くの集客を実現し、認知度の向上に貢献しました。その主催者である東急電鉄に取材をしたところ、現在東急電鉄では観光名所としての池上ではなく、“生活名所”の池上として認知してもらえるような取り組みをしていることがわかりました。そこで私も、池上を“生活名所”にするため、まずは実際に池上に住んでいる人たちに、“住みやすい”“人に勧めたくなる街だ”と感じてもらうための取り組みをしようと考えました。
池上には、730年続く全国から300万人もの参拝者が訪れる「お会式」という日蓮宗の行事や、キャンドルナイトなどのイベントもあり、地元の人が気軽に参加できるイベントがいくつもあります。しかしこれは年に一度であり、定期的に開催されるものではありません。また、池上には多くの幼稚園や小中学校があり、池上がある大田区は子育てがしやすい街ランキングで練馬区に続き2位を獲得しています。そして近年では、和食離れが進み、“伝統”は廃れつつあります。子供たちが和菓子を食べる機会は格段に減少し、スナック菓子や洋菓子が主なおやつになっています。
これらのことを踏まえ、今回の発表では子どもをメインターゲットとした定期的にできる“和菓子・和食・伝統”をテーマとした食育イベントを考案し、「子育てをしやすい街」を切り口とした取り組みについて発表します。
SENBEI for Ladies / 若い女性に煎餅を広めるプロジェクト
【5.情報発信と表現 / 8.商品開発 / 10.食材の可能性】
煎餅と聞いてあなたはどんなイメージを持ちますか。たまに食べる人、特別意識したことないという人、なんだか古くさいイメージを持つ人もいるかもしれません。さて、私はというと小さい頃から、煎餅を毎日のように食べて育ってきました。
煎餅は私にとっては大好きなお菓子です。でも、同年代の友人たちは煎餅よりも他の菓子を好み、煎餅をわざわざ自分で購入してまでしては食べないと言います。日本が誇る「煎餅」を若い女性にもっと食べてもらいたいと思い、企画対象にしました。
煎餅市場は市場が小さくスナック菓子市場に比べて約1/6の市場規模です。そして3年前から売り上げはあまり伸びていない停滞市場です。そして、現在のメインユーザーは50歳代以上であり、特に20歳代の煎餅購入金額は60歳代の半分以下と非常に少ないことが現状です。そのような現状を知ったうえで、若い女性に煎餅を広めるきっかけとなる商品を開発することを決めました。
先進的な試みをする煎餅メーカーへの取材を実施したところ、煎餅の色やパッケージをおしゃれにして、煎餅のイメージを古くさいものから今風のおしゃれなものへ変えようとしていることがわかりました。それを知った私は、若い女性に煎餅を食べてもらうにはイメージを変えるだけでは不十分なのではないかと考え、実際にターゲットである若い女性の方に意見を聞き、彼女たちの食シーンで煎餅が価値を生む機会を考えました。若い女性に煎餅は人気がない理由をゼミ生にヒアリングをした結果「スナック菓子やほかのお菓子類に比べて、煎餅は魅力がないから」という単純な答えでした。煎餅の短所として挙げられたのが「持ち歩きしづらい」「ボロボロするため周りの目が気になる」ということでした。メリットとしては「甘いものを食べた後の口直しとしての効果がある」「小腹が空いたときにちょうどよい」という意見が挙がりました。ヒアリングだけでなくアンケート調査も実施し、結果を確認しました。若い女性に「生活の中で価値のあるお菓子」として位置付けるために、従来のポジションである「小腹を満たすお菓子」から、バッグに入れて持ち運べる「口直し菓子」という煎餅市場では新しいポジションの商品を開発しようと考えました。今回の発表会では、若い女性にとって魅力的な新ポジション「口直し煎餅」の具体的な商品イメージを提案します。
「#ビール女子」プロジェクト / 秩父麦酒ファンを増やすマーケティング
【4.地域振興 / 5.情報発信と表現 / 6.生産者と消費者をつなぐ】
あなたがInstagramなどのSNSで投稿するのはどんな時ですか。また、友人の投稿やオススメの投稿を見て、影響されたことはありませんか。
私は、お気に入りのものや楽しかったことなど、いつもより少し特別だった日のことを投稿しています。
そして、他の誰かの投稿を見て同じものを買ったり、食べに行ったりしたこともあります。投稿は、誰かの好奇心を掻き立て、行動へとつながるきっかけになっていたりします。それは共通の趣味・嗜好を持った人たちの、自発的に語られた言葉だからです。この自発的な言葉のチカラを使い、秩父麦酒のファンを増やすためのプロモーションを企画します。
○市場調査と取材○
クラフトビール市場は年々売り上げを伸ばしています。醸造所も増え、全国各地でビールフェスが開催されたり、大手ビールメーカーもクラフトビールを商品化したりと市場は盛り上がっています。一方で、まだ名の知れないクラフトビールはたくさんあります。そこで注目したのが、『秩父麦酒』です。秩父麦酒は埼玉県秩父市に2017年に設立したばかりの醸造所です。たった3人で運営をしている地域密着型のクラフトビールです。「埼玉県秩父の秩父麦酒」をテーマに、20・30代女性をターゲットユーザーとしています。秩父地域の果物を使用し、女性好みの味が特徴的です。そして、ラベルデザインのクマのイラストは、他のクラフトビールにはない「かわいさ」があります。取材を通し、(1)まだまだ知名度が低いこと(2)時代の流れに対応しにくいことが課題だとわかりました。
○プロモーション○
かわいくおいしい秩父でしかできないビール、そして醸造者の丹さんの熱い想いを聴いた私は、どうにか秩父麦酒を知ってほしい、いや、ファンになってほしい!と思い、プロモーションを企画することにしました。
ビール好きな女性を「ビール女子」と言います。Instagramでは12万件以上の投稿があり、最近では、ビール女子向けの情報サイトもあります。そんなビール女子をターゲットに、彼女たちがInstagramで秩父麦酒を投稿したくなるようなイベントを企画します。テーマは「美しいは美味しい」どのようなプロモーションなのか、ぜひ発表を見に来てください!
燻すな。と言われると燻したい / 燻製(くんせい)風味調味料開発の試み
【5.情報発信と表現 / 8.商品開発 / 9.メニュー提案】
桜チップなどの煙で燻す「燻製(くんせい)」。最近、スモークチーズやベーコンだけでなく缶コーヒーから調味料、専門の飲食店などが市場を出ており、燻製味が人気になっています。香りが良く美味しさを引き上げる燻製をもっと気軽に多くの人に楽しんでもらえる一般的な調理法また家庭料理にしたいと考えました。
前回の発表では、火を使い始めた頃と同時代といえる燻製の起源、温度によって変わる燻製の種類、燻製作成のための燻製器や燻製調味料の既存商品の紹介と、それらを実際に使用してみた結果の報告などをお話ししました。一般的に、燻製は家庭内で調理するには多くの問題があります。煙い、臭い、時間がかかります。そこで、屋外での調理法という燻製のイメージを払拭し、家庭内で簡易的に燻製を楽しめるものにしたいと考えました。燻煙処理を行わず、食品に「くん液」を添加することで燻煙臭を付与する液体くん製法を用いた家庭向け商品で、すぐに香りがつき美味しい「薫香調味料(仮)」です。
今回の発表では、製品の基本となる木酢液いわゆる「くん液」に関する基礎情報を調査した結果(どこで、どのように作られているのか)を報告します。さらにその中の製品候補を使った薫香調味料商品化への試み---既存の商品のデメリットである、独特の味と時間がかかる点を解消するために実施した工夫---の結果を報告します。さらに、家庭内で気軽においしく食べてもらうための薫香調味料ならではのメニュー提案や、商品化するにあたってのネーミングアイデア、パッケージイメージ、プロモーションアイデアなど、マーケティング施策のアイデアも新たに発表します。
家庭のキッチンで、煙たくなく、臭くなくて、でも簡単に燻製の風味が味わえたら、今よりも少し幸せな食卓になると思いませんか。
気がついたら「ひとめぼれ」 / 「ひとめぼれ」ブランドに興味をもってもらう
【4.地域振興 / 5.情報発信と表現 / 16.食とエピソード】
地元(宮城県)が震災以来活気がなく、復興のために地元宮城のお米ブランド「ひとめぼれ」をPRしたいといえば美談になるだろう。しかし、私はただ米が好きなだけである。自分が好きなものを第三者にも理解してほしいだけである。
三食お米、おやつもおにぎりでここまで(物理的)大きくなった私にとって朝はパン、昼はラーメン、夜はイタリアンバルでは死活問題である。そこで、私はまず現状把握を始めた。女子大生にお米ブランドにどのくらい興味があるのかアンケートをとった。その結果、「お米は食べられればいい」や「地元のお米すら品種がわからない」などほぼ関心がないことがわかった。前回の発表では、「ひとめぼれ」の歴史や地方の特産物の売り方などを市場調査した。関心がないということは、その世代の市場に空きがあるということでもある。同世代の女子にお米ブランドに興味をもってもらうためのマーケティングとして、女子が好きなスイーツとお米を掛け合わせた商品提案を行う予定だったが、それよりもお米自体に関心をもってもらうことが優先だと考えた。そのために地方の道の駅がどのようにお米を手にとってもらえるように工夫しているのかを市場調査もしてみた。調査をしてみた結果、今回はお米ブランドを身近に思ってもらえるようなCM(プロモーション動画)の作成を行うことにした。
「ひとめぼれ」をテーマに、私たちの私生活にこんなにも身近な「ひとめぼれ」があるんだと感じてもらえるようなCMで、ブランドに興味関心を持ってもらうことを目的とする。女子栄養大生にとって印象に残るCMの条件もアンケート調査を実施しCM作成の参考にする。
この発表を見終わったら、帰りにスーパーのお米売り場をのぞいて「ひとめぼれ」を探してもらえると幸いである。