日本独特のごま食文化
 日本では食用として用いられ世界各国の中でも、もっとも多彩な方法で利用されています。

 日本でごまが食用として用いられるようになった背景には、仏教の伝来が大きく影響しているようです。仏教では、動物の命を断つ殺生が戒められたため、その代用として、油糧種子(油脂を多く含み油糧原料となる種子)のごまが用いられたのです。

 そんな中で、ごま和えやごま豆腐が誕生し、さらにごま油を使った炒め物や揚げ物が生まれ、日本独特の精進料理や懐石料理の基本が作られてきました。

 精進料理では、肉や魚を使わないため栄養不足になりがちです。そこで良質のたんぱく質を含んでいるごまを食べることで栄養を補ったというわけです。

 ごまを利用した料理が庶民の間に広まったのは江戸時代です。それまでは貴族や大名など身分の高い人たちしか食べることができませんでした。生産量が少なかったからです。生産量が増えるにつれ、ごまが各地で使われるようになり郷土豊かなさまざまなごま料理が誕生していきました。その代表格としてあげられるのがてんぷらです。江戸時代、ごま油はてんぷら油として揺ぎない地位を築いていったのです。

 ごま菓子も日本のごまの文化をしっかりと担い、今に伝えられています。ごまのついた餅、ごませんべいなどバラエティーにとんだごま菓子は、中国から茶の湯とともに日本に伝わり、その後日本独特のごま菓子に変化していきました。

 現在では和洋を問わず今に引き継がれています。そしてさ最近は健康食ブームに乗ってますますごま菓子が人気を集めています。




日本は世界最大のごま輸入国
 現在、世界には3000種類以上ものごまの栽培品種があるといわれています。しかし栽培されているごまのほとんどは、白ごまと茶ごまです。インドやタイなどでは黒ごまが作られていますが、白や茶に比べると生産量はわずかです。昔は日本でも黒ごま、白ごまを栽培していましたが現在ではほとんど作ってなく大部分を輸入に頼っています。

 現在の主な生産地は、スーダン、エジプト、イスラエル、トルコ、インド、タイ、ベトナム、中国などです。

 世界のごまの生産量は、おおよそ260万tで、このうち貿易に使われているのは約50〜60万tです。日本のごまの消費量は年々増えていて、年間に16万2千t(1997年の輸入量)のごまを輸入しています。これは、界のごま貿易量の3割近い量を輸入していることになります。日本は、世界最大のごま輸入国なのです。


トップページに戻る

歴史栄養成分健康効果意外な症状にもごまが効く世界5ヶ国のごま菓子